駐在員・事務局員日記

ハイチで愛を誓うには?-結婚式に行ってきました

2013年10月03日  ハイチ
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執筆者

ハイチ事務所
池上 亜沙子

2013年8月よりハイチ駐在。中学時代に北朝鮮と韓国の国境付近を訪問し国際問題に関心を持つ。大学では教育心理学を専攻し、フィリピンでの教育支援活動に携わる。民間企業勤務後、英国の大学院で教育政策と国際開発の研究を経てAARへ。趣味はマラソン、ロードバイク。宮城県出身

記事掲載時のプロフィールです

ところ変われど結婚式は誰にとっても一大イベント。ハイチ事務所に着任後、スタッフの知人の結婚式に参加した駐在員の池上亜沙子が、ハイチの結婚式事情について報告します。

とにかく盛大にするのがハイチ流

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新郎新婦の門出を祝して。幸せそうな2人に、私(中央)も幸せを分けてもらいました

ハイチでは多くの人々がキリスト教を信仰しており、今回私が出席した結婚式はプロテスタント教会で行われました。日本では「地味婚」が流行のようですが、これでもか!というほど盛大にお祝いするのがハイチ流。貧しい家庭でも結婚式だけは借金をしてでも豪華に行うとか。招待客も色とりどりのドレス、タキシードできらびやかに着飾り、まるで皆ハリウッドセレブのようです。

会場となった教会は、2010年に起きた大地震の影響により今も修復途中で、十字架はなく、代わりにむき出しの壁にはなぜか麦わら帽子がかかっていました。前方に祭壇があり、牧師が聖書を読むと同時に式を進行します。

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教会の屋根や壁は修復途中。十字架もありません

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新郎新婦の結婚を祝おうと集まった列席者たち。もうすぐ式が始まります

みんなで歌って盛り上げ、新郎新婦を祝福します

ハイチの子どもたちは本当に可愛いです。結婚式場で出会ったちっちゃなレディ

新郎が先に祭壇の前に登場し、新婦を待ちます。すると、美しい白のウェディングドレスに身を包み、新婦が登場。そこから聖書の朗読、聖歌の合唱、聖書の朗読、聖歌の合唱と延々と続き、やっと新郎新婦の誓いの言葉となります。先に登場した牧師とは別の牧師が誓いの言葉を朗読し、新郎と新婦がその言葉を繰り返します。

そして指輪の交換になると、牧師はまるでスポーツキャスターのようにその光景を実況中継。誓いのキスの場面では新郎新婦は招待客、家族、牧師に囲まれ、スポットライトを当てられ、「いけいけー」という歓声に包まれながらキスをします。当事者だったらすごくやりにくいですよね。この後は再び牧師による聖書の朗読で式は終わります。

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参列者が席に着いた後、ブーケを持った可愛いフラワーガールたちが登場します

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続いて花婿と花嫁の付添人たちが、揃いの衣装で登場です

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牧師による誓いの言葉を新郎新婦が繰り返します。参列者によく聞こえるよう、マイクを使って

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新郎新婦による誓いのキスの場面では、参列者が全員総立ち、やんややんやの歓声に包まれます

歌がいっぱいの結婚式でした。牧師による聖書の朗読の合間に、花婿と花嫁のために聖歌を熱唱する男声合唱団。動画でお楽しみください。

式の後は場所を変えて招待客全員に食事が用意されています。食事の途中で新郎新婦は抜け出し、写真撮影会。とても幸せそうな二人に私も幸せを分けてもらいました。

ハイチでは多くの若者がよりよい生活を求め、海外で勉強したり、就職をしたりします。今回結婚式を挙げた新婦さんも学位を得るためにすぐにフランスに旅立ってしまうそうです。離れ離れでも、互いの未来のために自分を高め合うハイチの人々の逞しさを感じることができました。

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