- カンボジアのプレスリリース・お知らせ
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2012年01月11日
1月24日(火)カンボジア水害緊急支援活動報告会を開催します -
2011年11月02日
東南アジア水害:カンボジアで緊急支援を実施します
カンボジア 障害者のための職業訓練校

プノンペン市内で物乞いをする障害者とその家族
カンボジアでは、アンコールワットに代表される観光地やマーケット、外国人が集まるカフェやレストランの周りで障害者が物乞いをしている姿をよく見かけます。カンボジアに何名の障害者がいるのかを示す正確なデータはありませんが、人口のおよそ15%を占める約200万人の障害者がいるといわれています(2004年World Vision Annual Report)。
カンボジアで障害を持つ原因のひとつとして、地雷問題があげられます。内戦が終わって十年以上を経た今でも、年間600名~800名を超える方々が地雷を踏み、四肢や聴・視覚に障害を持つに至っています。また、感染症や病気の後遺症による障害者だけでなく、広く普及しているバイクの事故被害者数が年々増加傾向にあるといわれています。
年々増え続ける障害者の数に比べて、カンボジアの障害者への公的支援はほとんどありません。また、障害者に対する差別も社会に根強く残っています。障害を持つことで失業、そしてそれが即座に貧困につながり、また次第に社会から孤立していくという方も多くいます。
より支援の届きにくい人々へ支援を
難民を助ける会は、1988年からタイ・カンボジア国境の「サイトII」難民キャンプで活動しておりましたが、そこで出会った多くの障害者の存在そして彼らに対する支援の少なさに衝撃を受け、車いす配付やリハビリテーションの一環として職業訓練を開始しました。難民キャンプ閉鎖後は首都プノンペンに事務所を開設し、障害者の自立を目指して「職業訓練校」「車いす製造・配付」活動を続けています。
2006年10月、事業の自立努力の一環として事業を現地法人化しました。2006年12月現在、難民を助ける会は現地化したカンボジアNGOへ財政的・人的支援を続けています。
職業訓練校 ~生涯役に立つ技術と自信を~
時代に合わせた3コース
障害者自らが職業を得ることで生活を安定させ、自分の力で生きていけるようにするお手伝いをするために、難民を助ける会は1993年に職業訓練校を開設しました。職業訓練校は年間約40名の障害者を対象にしており、毎年1月に開講して12月に卒業式を行います。生徒はプノンペン市内とその周辺の9県から募集します。コースが終了するまでは寮に住み込み、皆で生活します。職業訓練コースの内容は時代に合わせて変化を繰り返し、2007年10月現在は電子機器修理コース、バイク修理コース、縫製コースを開設しています。技術の進歩が目覚しい電子機器修理コースでは応用コースを設け、携帯電話の修理なども教えています。
2005年までの卒業生の数
| コース | 人数 | 備考 |
|---|---|---|
| 車いす製造 | 10 | 1993年のみ設定 |
| 革製品製造 | 27 | 1993-1994年設定 |
| 籐製品製造 | 20 | 1993-1994年設定 |
| すず細工 | 16 | 1994-1995年設定 |
| ラジオ・テレビ等修理 | 121 | 1995年より現在 |
| バイク修理 | 114 | 1995年より現在 |
| 養鶏 | 17 | 1995-1996年設定 |
| 縫製 | 55 | 1999年より設定 |
| 合計 | 435 |
生徒会活動で自信を取り戻す

電子機器修理コースでは、電子回路の勉強をしてからテレビやラジオ、 DVDプレイヤーなどの修理方法を学びます。(写真提供:http://www.michaelbierman.net)
しかし職業技術を身につけるだけでは、なかなか経済的な自立につながりません。特に女性の障害者のなかには小学校に通う機会がなく、字の読み書きや足し算・引き算ができない方もいます。また、学校で障害が原因でいじめられたり、親に捨てられたりした経験から自信を持つことが出来ず、接客をするのが怖いという方もいます。
彼らが自立して生きていく気持ちを取り戻し自信をつけてもらうために、難民を助ける会はさまざまなプログラムを用意しています。例えば、職業技術訓練コース開始前に3ヵ月間の識字教育コースを設けて基礎的な読み書きと算数を教えます。短期のビジネスコースを設けて接客の練習をする機会を作るだけでなく、卒業前には実際に店舗に出て実地訓練を行います。

カンボジアで使用するクメール語の読み書きや算数を勉強します。(写真提供:http://www.michaelbierman.net)
また、生徒会を結成し、生徒が自ら活動を計画し実行に移すことを推進しています。ディスカッションの場を設け、自分の考えを発表する場を作りだすのです。リクリエーションやスポーツを通して友達を作り楽しむ場も提供しています。生徒からは、「初めて友達ができた」「みんなの前で意見を述べて、拍手をしてもらったのは生まれて初めてでした。とても嬉しかった」との感想が寄せられています。
コミュニティ型支援

師匠となる卒業生はボランティアで先生を引き受けてくれています
2004年から首都プノンペンに来られない障害者に対応するために、地域型支援として徒弟制度を開始しました。職業訓練校の卒業生を師匠として、訓練生が師匠のお店に弟子入りします。現在は、バイク修理コースと電子機器修理コースを徒弟制度でも実施しています。実地訓練を行うので、短期間で技術を身につけることができます。
細やかなフォローアップが特徴です

職業訓練校を卒業後、自宅でバックなどを縫製して売っています(写真提供:http://www.michaelbierman.net)
職業訓練校を卒業した生徒の多くは地元に帰り、学んだ技術を活かして小さな店舗を始めます。商売を始めるのに必要な最低限の道具類や看板は難民を助ける会が寄付しています。訓練生はビジネスに関して初心者がほとんどなので、お店が軌道に乗るまでフォローアップをしています。専門の調査員が卒業生一人ひとりのお店を卒業後1年間に最低3回は訪問し、ビジネスやその他の相談にのっています。1年が経った後でも必要があれば、いつでも調査員が相談にのりきめ細かい対応を心がけています。
その成果もあってか、2006年度の卒業生の平均収入は1.25ドル(1日)でした。1日2ドル以下の収入を得る人が大半を占めるカンボジアですが、この収入額は決して高い金額とは言えません。しかし、今までは家族に頼りきりで生活していた人がお小遣い程度とはいえ自由に使えるお金を自分で稼いだという充実感、そして「役立たずと思われていた」人がお金を稼ぐことで周りの視線が変わった、という金額では測ることのできない効果を生み出しているのです。



