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第10回アジア太平洋地域エイズ国際会議に参加しました

2011年10月04日  ザンビア感染症対策
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難民を助ける会は、アフリカのザンビアでHIV/エイズ対策活動を行っています。世界でHIV/エイズ対策に取り組む団体との連携を強化し、同時に難民を助ける会の活動を発信するため、アジア太平洋地域の国々から参加者の集まる、「第10回アジア太平洋地域エイズ国際会議」に参加しました。

難民を助ける会の活動を世界に発信

広い会場いっぱいの参加者でした

開会セレモニーの様子。会議には、64ヵ国から2,500人を超える参加登録がありました

この会議は、同会議組織委員会が主催し、アジア太平洋地域エイズ学会、国連合同エイズ計画(UNAIDS)の共催で、8月26日~30日、韓国・釜山にて開催されました。

会議には、難民を助ける会のような支援団体や、HIV陽性者団体、またHIV感染の危険性の高い人々(性産業従事者、男性同性愛者、薬物使用者など)を支援する団体など、様々な団体が参加していました。会議では、本会議に並行して、参加者それぞれの日頃の活動を報告するセッション が多数開催されました。また、参加団体がブースの出展やポスターの展示を行い、活動を紹介しました。

ブースいっぱいに活動紹介写真を展示しました

ブースを訪れた人に難民を助ける会の活動説明をする当会スタッフの小川祐子(右)

難民を助ける会もブースを設け、ザンビアでの活動を紹介する写真を展示したり、ブースを訪れた方に活動について説明をしたりしました。

難民を助ける会のザンビアでの活動は多岐にわたります。エイズで親を亡くした子どもたちへの就学支援、自発的にHIV検査を受けてもらうための施設の建設、高校など学校に設けられているエイズ対策クラブの支援、HIV陽性者の自助グループの支援などです。また、就学支援の一環として、エイズ遺児を引き取り育てている保護者が収入を得て自分たちのお金で子どもたちを学校に通わせることができるよう、養鶏、製粉による所得創出支援も行っています。

当会のブースには、パキスタン、ネパール、インドなどさまざまな国の方が訪れました。事業の予算はどのように確保しているのかという質問や、経済的な自立のための所得創出支援は大切だとの共感の声をいただきました。また、東日本大震災について心配してくださる方も多くいました。

日本ではHIV/エイズは問題となっているか、など日本の状況についての質問も受けました。日本ではHIV陽性者数、エイズ患者数のいずれも増加傾向が続いており、患者数は2010年度に過去最高を記録しています。今年度も、4月~6月期に、HIV感染に気付かないまま発症したエイズ患者は136人と過去最多で、その一方HIV検査件数は減少しています。世界で予防対策が進み新規のHIV感染者数が減少傾向にあるなか、日本では感染者数が増え続けているのです。

成果をザンビアでの活動につなげていきます

ブースでは熱心に話を聞いてくれる人が多かった

ブースを訪れた、ネパールでHIV陽性者支援活動をしている方々(中央2名)と(右端は当会スタッフの加藤亜季子、左端が小川祐子)

私が出席したセッションでの報告のテーマは多岐にわたり、自発的なHIV検査の受検率を向上させた事例、HIV/エイズ問題におけるメディアの役割の考察、地域での啓発活動の成功例などが特に印象に残りました。

今回の会議で幅広い報告者の報告を聞き、HIV/エイズの問題は非常に多岐にわたる問題であり、多面的な取り組みが必要であることを改めて強く感じました。

今回の会議の成果をザンビアでの支援活動に活かし、ザンビアでHIV/エイズに苦しむ方々がより安心して生きていけるように、活動に努めてまいります。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 小川 祐子

2008年12月より東京事務局で広報・支援者サービスを担当。大学、大学院で国際法を専攻。公務員として6年勤務後、難民を助ける会へ。(東京都出身)

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