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スーダン:白ナイル州中部の町コスティで地雷回避教育を再開

2011年12月29日  スーダン地雷対策
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難民を助ける会は、2007年よりスーダンの南コルドファン州カドグリを拠点に地雷回避教育を実施してきました。しかし、今年6月にカドグリで北部政府軍と反政府勢力間の激しい銃撃戦が発生。当会の事務所も略奪に遭い、駐在員、現地職員は全員無事だったものの、活動の一時中断を余儀なくされました。7月9日の南スーダン独立後も戦闘は収束せず、活動の継続が困難となりました。そこでカドグリに代わって、8月から首都ハルツームから約300キロ南、カドグリから400キロ北東に位置する白ナイル州コスティに活動地を移し、地雷回避教育を再開しています。

帰還民が立ち寄る町コスティで地雷回避教育を実施

荷物を満載したフェリー

多くの荷物を載せ、南スーダンへ向かうフェリー

2011年7月9日の南スーダンの独立に伴い、内戦中スーダンに避難していた南スーダン出身の人々の帰還が始まっています。コスティは、スーダンから南スーダンに帰還するための一時滞在場所となっており、ナイル川を南下するフェリーの発着場があります。帰還民の方々は、全員が南スーダンで生まれたわけではありません。特に子どもたちは、内戦中に戦火を逃れスーダンにやってきた両親の元に生まれ、祖国に始めて足を踏み入れるケースがほとんどです。彼らは、南スーダンに残る親類を頼りに祖国へ向かいます。
南スーダンでは、20年以上続いた内戦の結果、現在でも各地に多くの地雷や不発弾が残されています。また、7月の独立後も、各地で、武装グループ間の戦闘が発生しており、新たに不発弾に汚染される地域も発生しています。
難民を助ける会では、そうした祖国へ帰還する人々を対象に2011年8月よりコスティで地雷回避教育を開始し、2011年12月20日までに5,748人に対して実施しました。また祖国南スーダンに初めて足を踏み入れる帰還民の方々が、少しでも現地の状況に沿った、地雷に関する知識を得ることができるよう、当会が過去に南スーダン向けに作成したパンフレットや、地雷・不発弾に関する情報を盛り込んだノートを帰還民の方々に配付しています。

地雷のポスターを見せて危険を伝える現地スタッフ

地雷や不発弾がどのような色や形をしているのかも知らない人がほとんどです。ポスターを使って説明しています

地雷に関するパンフレットを手渡す難波駐在員

持ち歩いて何度でも見返すことができるよう、地雷・不発弾のイラストなどが印刷されているノートも配付しています。(左は駐在員の難波茂基)

「地雷に関する知識を教えてくれてありがとう」

マーガレットさん

子どもたちを連れて祖国南スーダンに帰還するマーガレットさん

子どもと一緒に地雷回避教育に参加してくれたマーガレットさんは次のような話をしてくれました。
「私は、スーダンの首都ハルツームで生まれました。南スーダンの独立に伴い、初めて南スーダンに向かっています。これまで地雷・不発弾という言葉は知っていましたが、見たことがなくそれがどういうモノなのかも全く知りませんでした。難民を助ける会の地雷回避教育活動を通して初めて、正しい知識を得ることができました。特に私の幼い子どもたちにとっては、地雷・不発弾の事故に遭わないために、本当に大切な教育だと思います。このような機会を与えてくれてありがとう。」

地雷回避教育の教材を手に、スタッフと駐在員で記念写真

「地雷・不発弾の事故から人々を守りたい」。スーダンで活動する難民を助ける会のスタッフ。前列左端が駐在員の瀬戸寛、後列左から2人目が同難波茂基

生活基盤のない祖国で生活を始める帰還民には、これから多くの困難が待ち受けていることが予想されます。困難な状況の中で、新たな人生を切り開こうとする人々を地雷・不発弾の事故から守りたい。そんな思いで全スタッフが力を合わせて活動を継続しています。

南コルドファン州カドグリの現状

2011年6月に発生した北部政府軍と反政府勢力間の戦闘が原因で難民を助ける会が一時的に撤退したカドグリでは、12月現在でも、両グループ間での戦闘が継続しています。南コルドファン州での戦闘は、同じく南北スーダンの境界線上に位置するブルーナイル州にも拡大し多くの難民・国内避難民が発生しています。

また、南コルドファン州内では、新たな地雷の埋設も確認されており、6月の戦闘開始後に約50件の地雷・不発弾による事故が報告されています。現在、治安の悪化を理由に、南コルドファン州での国際NGOの活動はスーダン政府から制限されています。難民を助ける会は、今後も治安状況を注視しながらスーダンの復興に寄与する活動を続けて参ります。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

スーダン・コスティ事務所駐在 瀬戸 寛

2011年3月よりスーダン駐在。メーカー勤務後、パラグアイで青年海外協力隊として活動し、その後難民を助ける会へ。趣味はサッカー。(兵庫県出身)

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