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ミャンマー:知られざる地雷汚染国―障がい者支援に加え、住民を被害から守る活動を開始しました

2013年11月15日  ミャンマー地雷対策
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「ミャンマーに地雷なんてあるの?」そうお思いの方もいらっしゃるかも知れません。経済、観光など他国との交流が活発化しているミャンマーは、世界中から注目を集めています。しかし、実は「世界最悪の地雷汚染国のひとつ」とも言われ、AARはこれまで地雷被害者支援を実施してきました。ミャンマー政府の方針転換を受け、この度AARは2013年7月より同地で地雷対策として、人々が地雷についての正しい知識を手に入れられるよう教材作りを開始しました。

どこに地雷原があるかさえ、わからない

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車道のすぐ脇に、地雷が爆発した痕跡が。近づかないよう住民が柵を設置していました(カレン州シャンユワテッ地区2013年5月20日)

ミャンマー南東部、タイ国境に位置するカレン州は、政府軍と武装勢力との間で60年以上にもおよぶ激しい戦闘が続いた地域です。国内の地雷被害の半数が集中しているとも言われ、2011年には、1年間で200人以上の被害が報告されています。2012年、ようやく停戦合意が結ばれましたが、紛争中に埋められた無数の地雷は今も住民の安全を脅かし続けています。これまで政府による地雷被害の調査は行われておらず、海外の団体による調査も許可されていなかったため、地雷がどのあたりに埋められているかすらわかっていません。昨年ミャンマー政府が外国の団体による地雷問題の調査や対策活動を受け入れるよう方針を転換したことを受けて、AARは州都パアンに事務所を設置し、2013年7月より地雷対策活動を開始しました。

カレン州の人々に合った教材をつくる

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地雷の被害状況に関する調査活動について村人に説明しました(カレン州ラインブエ地区 2013年5月17日)

AARは、地域住民に地雷の被害に遭わないための正しい知識を伝える教材を作り、村々を巡回する予定です。カレン州ではビルマ語のほかポーカレン語、ソゴーカレン語といった言葉も使われているため、教材は複数の言語で作成します。  現在は、教材作成に必要な情報を得るため、地雷の被害に遭われた方々に被害時の状況を詳しく聞いたり、ほかの住民には普段の生活で使う通り道や、戦場跡地など近寄らないようにしている場所を聞いています。正しい情報を知っていれば、住民自身が地雷から身を守ることができます。地域の実情に合った教材を作り、1人でも多くの方に理解してもらえるよう努めてまいります。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 古川 千晶

大学卒業後、人材コンサルティング会社などを経てイギリスの大学院で国際開発学を学び、帰国後AARへ。2010年10月よりハイチ駐在。2012年1月からは東京事務局で勤務し、アフガニスタン事業、ミャンマー事業を担当。

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