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アフガニスタン:「私の子どもたちを、隣人を、 地雷の被害から守りたい」

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アフガニスタンでは、報告されているだけで子どもや民間人など毎月約40人が地雷や不発弾の被害に遭っています。AAR Japan[難民を助ける会]はアフガニスタン各地で地雷や不発弾から身を守るための教育(地雷回避教育)を行っていますが、この教育活動を住民自身が実施していけるよう、新たな仕組みづくりを始めました。

地雷の危険が日常に潜むアフガニスタンで

AARはカブール県を含むアフガニスタン各地の村落で2002年から地雷回避教育のための講習会を実施しています。これまでに56万人以上が参加しました。

現在AARスタッフは村を一つひとつ訪問して短編映画を上映し、地雷・不発弾の危険性や被害に遭わない方法を伝える講習会を実施していますが、同じ村で継続して実施できるわけではありません。地雷・不発弾の危険から身を守る正しい知識は、繰り返し学ぶことでしっかりと身に着きます。そこでAARは、各地域の村落内に地雷回避教育の指導員を養成し、指導員が自主的に地雷回避教育講習会を実施することができる仕組みづくりを今年1月より開始しました。

AARスタッフがこれまで培ってきた地雷回避教育の知識や方法を指導員に伝え、指導員が今後も長期にわたって講習会を実施することで、住民の知識の定着がより進みます。

村人から指導員を募集

カブール県およびパルワーン県の27村で、長老や宗教指導者と相談のうえ、指導員候補生を各村2人ずつを選出しました。その指導員候補生に対し、AARスタッフが3日間の研修を行い、地雷・不発弾の種類、頻繁に発見される場所や、教材を使った講習会の進め方、地雷事故発生時の対応方法などを学んでもらいました。講習会で使うポスターやパンフレットは、AARが作成したものを使います。研修の最後には一人ひとりが実際に教材を使って講習会のデモンストレーションを行い、理解を深めます。

今年4月に研修を受け、指導員となったパルワーン県の小学校教員(33歳)は、地雷や不発弾の被害者を数多く知っていると言います。「もう地雷や不発弾で苦しむ人を見たくありません。被害に遭わないための正しい知識を広めることは、たくさんの人の健康や幸せな生活につながります。早速小学校の授業の一環として講習を実施して、子どもたちに知識を伝えています」。

養成した指導員による講習会が始まりました

3月からはこれまでに研修を受けた54名による各村での講習会が始まり、5月までに合計3,065人が地雷回避教育講習会に参加しました。今後、月に2回各村で講習会が実施されます。AARスタッフは、定期的に各村での講習会の様子を確認します。AARは今年秋ごろまでに、カブール県とパルワーン県の60村で合わせて120名の指導員を養成します。地域の隅々にまで地雷や不発弾に関する正しい知識を伝えていきます。

※この活動は皆さまからのあたたかいご支援に加え、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成を受けて実施しています。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 古川千晶

大学卒業後、人材コンサルティング会社などを経てイギリスの大学院で国際開発学を学び、帰国後AARへ。2010年10月よりハイチ駐在、2012年1月より東京事務局でアフガニスタン、ミャンマー事業を担当(大阪府出身)

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