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夏休み子どもイベント「私が難民になったら...2~シリア出身・ラガドさんに聞いてみよう~」を開催しました

2017年09月20日  啓発日本
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2017年8月23日に、AAR Japan[難民を助ける会]事務所6階交流スペースにて、昨年好評を博した夏休み子どもイベントの第2弾、「私が難民になったら...2~シリア出身・ラガドさんに聞いてみよう」を開催。小学生の子ども26名、保護者18名、大人参加者・見学者5名の計49名にご参加いただきました。当日の様子を、インターンの相川賢太郎がご報告します。

シリアってどんなところ?

日本との違いに興味津々の子どもたちとラガド

「シリアの子どもたちの1日の過ごし方は、日本とどこが一緒でどこが違うかな?」質問するAARのラガド (写真はすべて2017年8月23日)

まず最初に、シリア出身のAARスタッフ、ラガド・アドリーが、紛争が起きる前の平穏だったシリアの生活を写真を交えて紹介しました。自分たちと同じ年くらいのシリアの子どもたちの生活に、参加した子どもたちはみんな興味津々です。ラガドからシリアの子どもの一日の過ごし方を聞くと、「その時間だと、ぼくの家ではとっくに夜ご飯食べ終わってるよ!」、「シリアには給食がないんだね~」と、声が上がりました。自分の身近な話として考えてくれた様子で、みんな身を乗り出して話を聞いています。

紛争が起きると?

その後、ラガドの話はシリアで起きている紛争の話へと移っていきます。さっきまで楽しそうだったシリアの生活が徐々に変わっていく様子に、みんな驚きの表情を隠せません。美しい街並みが、がれきの山と化してしまった写真をみて、「本当に同じところ?」と聞いてくる子もいました。ずっと住んでいた街から出ていかなければならない状況に子どもたちは困惑しながらも、こうした現実があることがわかったようです。

紛争により瓦礫と化した祖国を説明するラガド

変わり果てた街並み。衝撃的です

子どもたちはラガドの話に真剣に聞き入っています

ラガドの説明に真剣なまなざしをむける子どもたち

チームに分かれて「難民」を体験

祖国に帰りたいおじいちゃんとおばあちゃんを説得し、しばらく隣国で暮らす、など子どもたちの家族観がわかります

チームに分かれて、難民となったらどうやって生きていくかを考えます。子どもたちからはいろんな意見が出ました(左が筆者)

シリアの苦しい現状を知ってもらったところで、子どもたちには「もし自分が難民になったらどうするか」を実際に考えてもらいました。4~6人ごとにチームに分かれ、それぞれが一つの家族だと仮定して、どうしたいかをみんなで話し合います。シリアにはいられなくなり、隣国トルコに逃れたという設定で、まずはじめに「難民キャンプに入れるチーム」をじゃんけんで決めます。実際トルコの難民キャンプの収容人数は、難民全体の1割にも満たないためです。1チームだけがキャンプに入ることができ、残りのチームは街の中でアパートを借りるなどして生きる道を探します。さらに今後どうするかをめぐって、3つの選択肢を与えられます。選択肢は、「トルコに残る」、「違う国に移動する」、「シリアに戻る」の3つ。それぞれのメリットとデメリットの説明を聞いて、この中からどれを選ぶかを各チームで話し合ってもらいました。子どもたちは「キャンプに入れたから、このまま安全に暮らしたい」、「本当は祖国に戻りたいけど、危ないから違う国に逃げるしかない」「自分の国と言葉が違う国でも一生懸命勉強してその国の言葉を覚える」など、いろんな意見を出していました。

家族としてチームの意見をまとめる

一つの家族としてチームの意見をまとめるのが大変ですが、それも学びです

このチームの「ご事情カード」には、家族のうち一人だけヨーロッパに住むおじさんが受け入れてくれるとありました。家族としての決断は?

それぞれのチームが考えをまとめて発表した後、実はチームごとにいろいろな事情を抱えていたことが発覚します。ランダムに「ご事情カード」が配られ、家族構成や、抱えている問題、それぞれの思いがあることが分かるのです。その事情をもとに、もう一度どうしたいか話し合います。例えば、「足に障がいのある兄がいる。車いすを使用したいけれど、長距離の移動が大変になってしまう」という事情を抱えたチームもあれば、「祖父母、父母と子ども2人で逃げてきたが、祖父母は長引く避難生活に疲れて祖国で一生を終わりたいと言っている」というチームもありました。こうした事情は、実際に多くの難民の家族が抱えています。話し合いが進んでいく間に、「お金はどのくらい持ってるの?」、「ほかの国に行くのにどのくらい時間がかかるの?」といった疑問が出てくるようになりました。みんなが自分のこととして真剣に考えはじめたのです。議論はかなり白熱し、決められた時間に収まらないほど。最後にそれぞれのチームが決めた、一つの家族としての結論と、その理由について発表してもらいました。イベント終了後には、シリアのお菓子とお茶をみんなで食べながら今日の感想を話す時間もあり、ラガドに質問をしにくる子どももたくさんいました。

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話し合いで分からないことはラガドさんに聞いてみよう。想像がどんどん膨らみます

いろんな意見をひとつにまとめるのは大変でした

チームで話し合った結論をみんなの前で発表。緊張するけれどがんばりました(左が筆者)

参加された子どもたちと保護者の方々の感想

子どもたちの感想

    • 自分もなんみんだったらと考えて、友だちと話し合うのが楽しかったです。
    • 良かった。なんみんの人の気持ちがよく分かったし、もっと支援したいという気持ちになれたから。
    • 難民が避難したあと、どのような生活をしているのか知らなかったので、いい機会になりました。
    • みんなの意見をまとめるのが難しかったけれど、勉強になった。

保護者の感想

    • 座学だけでなく、実際に経験してみることで支援がぐっと身近に感じられたと思います。
    • 難民の方のお話をニュースできくと、悲しいという印象が残りそこから思考が停止してしまっていました。今日は、明るく具体的に考えることができ、子供にもとても分かりやすかったと思いました。
    • 日本人にとって全く身近でない世界の社会問題について考える良い機会になりました。子供たちにとって良い勉強になりました。今平和で生きている日本だからこそ考えてほしいトピックでした。世界のニュース問題を他人事でなく考えてほしかったです。
    • とても有意義な内容でした。ラガドさんの話もとても興味深かったですし、そのあとのグループワークもすごく良かったです。ラガドさんの日本語、とても上手で聞きやすかったです。

本イベントの参加費、チャリティグッズの純益は、当会が行う支援活動のために大切に活用させていただきます。お越しいただきました参加者の皆さま、 当日お手伝いいただいた頌栄女子学院高等学校の皆さま、心から御礼申し上げます。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 インターン 相川 賢太郎

大学3年生。埼玉県グローバル人材向けインターンシップを利用して、2017年7月から2ヵ月間AARでインターン。

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