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活動報告
タイトル
神さまと地雷(地雷回避教育の様子・その1)
報告者
アンゴラ事務所駐在 吉田 克弥
報告年月日
2005年2月
難民を助ける会では、2002年4月の停戦を受け、アンゴラ難民の母国帰還を支援。現在は、首都ルアンダにてマラリア予防事業を、ルンダスル州にて地雷回避教育事業を行っています。ルンダスル州は首都から遠く離れ、地雷対策事業がほとんど行われておらず、多くの人々が地雷の被害に遭っています。難民を助ける会は地雷や不発弾から身を守るための教育(地雷回避教育)を行うと同時に、地雷の埋設場所を特定するための聞き取り調査も行っています。 以下は、吉田克弥駐在員からの報告です。
サウリモ郊外のモジ村
サウリモ郊外のモジ村
今まで一度も地雷が見つかったことがないというのどかな村だが、安心はできない。

■「地雷を踏むか否かは神さまの決めること」

「どうしたら地雷の被害に遭わなくて済むかって?地雷を踏むか踏まないかなんて神さまがお決めになることだ。どうしようもないじゃないか。」

ここはサウリモから1時間ほど離れたモジ村。幸い今までに地雷が見つかったことがないというのどかな村ですが、地雷の危険性がある場所へ村人が出かけていかないとも限りません。
このような村にも、難民を助ける会の地雷回避教育チームは地雷の危険性を伝えるためにやって来ます。


地雷について、熱弁をふるうジョゼ氏。
地雷について、熱弁をふるうジョゼ氏。
「地雷を踏ませるのは悪魔の仕業だ。踏んでしまえば、それでおしまいさ」

そして先ほどから熱弁をふるっているのはジョゼ・ カルディード氏。ジョゼ氏の言葉に対して地雷回避教育員のイタラが問いかけます。
「それじゃ、地雷を踏んでしまっても、神さまのご意思があれば怪我ひとつせずに済むのかしら?」

「いやいや。地雷を踏む踏まないの運命は神さまが決めることだけど、実際に地雷を踏ませるのは悪魔の仕業だ。だから地雷を踏んでしまったら、ボンッ!それで終わりさ。」

地雷の恐ろしさについてわかりやすく村人に説明する教育員たち。
地雷の恐ろしさついてわかりやすく村人に説明する教育員たち。
どういった場所が危ないか、地雷を見つけたらどうすべきかなど、具体的に教えていきます。

■分りやすい垂れ幕や歌などで地雷回避教育
地雷回避教育はまず、村々を訪れて村長や役員の了解を取り、後日地雷に対する村人の知識・意識・行動・考え方についての調査を行うことから始まります。

ジョゼ氏の言うところの「地雷を踏むのは神さまの意思」というのは調査をする中で、もっとも多く聞かれる地雷についての認識のひとつです。

調査後、改めて日にちを決めて村人に集まってもらい、地雷回避教育員が歌やポスター、垂れ幕を使って「地雷とはどのようなものか」・「地雷をみつけたらどうすればいいか」・「どういった場所が危ないか」などのメッセージを伝えていくのです。

一層充実した支援を目指します
参加型ゲームで、地雷の危険とそれを回避するための知識を学んでいきます。
参加型ゲームで、地雷の危険とそれを回避するための知識を学んでいきます。
一方的な講義ではなく、村人に参加してもらいながら、地雷を踏まないように行動するための知識を身につけてもらうのが狙いです。

その際に重要なことは、こちらから一方的に講義をするのではなく、ゲームや寸劇に参加してもらうことによって双方向のコミュニケーションをはかり、「地雷を踏むのは危険な場所に近づき、危険な行動を取るから」というメッセージを聴衆の側から引き出すことです。

それが「地雷を踏むのは神さまの意思」という認識から「地雷の危険のある場所でも、自分が気をつければその危険を避けながら暮らすことができる」という認識の変化につながっていくわけです。

冒頭のジョゼ氏にセッション後、改めてインタビューをしてみました。
「そりゃあ、地雷がありそうだと分かってるような場所には最初から近づいたりしないよ。でもそれがどんな場所なのか、今まで誰も教えてくれなかったからね。さっき話してたような場所が危ないんだろ。注意するよ。」
「やはり神さまが地雷を踏むか踏まないか決めると思いますか?」
「地雷に近づかなければいいんだから・・・、必ずしもそうとは限らないかもしれないな。」

長年抱いてきた認識というものは一朝一夕で変わるものではありません。
まずは地雷を踏まないためにはどうすればいいか、受益者にきちんと理解してもらうこと。そしてそれが意味する「地雷を踏むのは神の意思ではなく、自分の行動次第でその危険を避けながら暮らすことができる」というメッセージは、時間をかけ、その村の伝統的慣習をふまえつつ、理解していってもらう必要があります。

そのためにも、地雷回避教育は1回の訪問では終わりません。2回・3回・4回と繰り返し訪問して、人形劇やグループ別のディスカッションなど様々な方法でメッセージを確認していきます。

様々な教材を携えて、地雷回避教育チームは今日も元気なエンジン音を響かせて出発していきます。

地雷回避教育の様子・その2へ

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