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活動報告
タイトル
平和な祖国を築く手助けをしていきたい(その1)
報告者
アンゴラ事務所前駐在 平野敏夫
報告年月日
2005年3月
難民を助ける会は、1984年以来ザンビアのメヘバ難民定住地において、アンゴラ難民等への支援を実施して参りました。2002年のアンゴラにおける停戦を受けて難民の母国帰還が順調に進み、2004年3月にメヘバ難民定住地での活動を終了。現在は難民の帰還先であるアンゴラで、地雷回避教育、地雷被害者移送支援、およびマラリア予防キャンペーンを行っています。以下は2002年2月より3年間、ザンビアおよびアンゴラ駐在を勤めた平野敏夫前駐在員と、その後任・吉田克弥駐在員からの報告です。
■日本では、当たり前のことが幸せに感じます
地雷回避教育を行う村で発見された地雷を爆破するため、打ち合わせをする平野(中央)。
地雷回避教育を行う村で発見された地雷を爆破するため、打ち合わせをする平野(中央)。
左は東京事務局の大屋直久。右は英国地雷除去団体MAGのスタッフ。
いやぁ、帰ってきましたよ。
アンゴラから日本に帰ると、いつも安心して暮らせることの幸せを感じます。いつでも外出できること、キョロキョロせずに堂々と道を歩けること、いつでも買い物に行けること、ビザの心配をせずに滞在できること、誰とでも言葉が通じること、いつでも食べたいものが手に入ること、安心して眠れること…そんな当たり前のことを幸せに感じるのです。

 2002年8月、私は初めてアンゴラの首都ルアンダに降り立ちました。アンゴラで活動する地雷関連のNGOや国連機関を訪問してアンゴラ国内での復興支援の必要性を調査するための出張でした。その後は隣国ザンビアのメヘバ難民定住地(以下メヘバ)でアンゴラ難民のために地雷回避教育事業やポルトガル語(アンゴラ難民の母国語)教育事業を行いながら、アンゴラに度々出張し、事務所開設と援助事業を開始するための準備に追われる日々が続きました。

■仮の事務所はネズミが走り回るホテルの一室
 1年半後、ついにザンビアに別れを告げ、アンゴラ事務所駐在員として首都ルアンダに赴任しました。事務所はまだ仮のもので、住まいもネズミが走り回るホテルでした。夜には、古びたエアコンの騒音の中で、ホテルの2階の窓から、次々と眼下で起こる車の衝突、子どものひき逃げ、ビール瓶を投げあう喧嘩、逃げる車に発砲する警官を眺めながらアンゴラの地ビールを飲んでいました。夜が明けると、そんな危険な街中を歩いて事務所までいくのが日課でした。

首都の治安の悪さは今でも変わらず、現地に残してきた若杉優子駐在員は、事務所から買い物に出ることもできず、不便で不安な日々を送っているようですが、そんな状況の中でも役に立ちたいと手を上げてくれた彼女には、感謝の念でいっぱいです。

2004年4月に地雷の被害者輸送、6月にはマラリア予防事業、そして遂に8月から念願の地雷回避教育事業を開始することができ、12月には後任の吉田駐在員が赴任し、私の任務が終ったのでした。

■事務所開設を手伝ってくれた、「難民を助ける会の子どもたち」
心残りは、ジョセフに電気配線の仕方を教えられなかったことです。
ジョセフとは、メヘバ事務所で働いていたアンゴラ難民の一人で、アンゴラ事務所を開設する際に事業を手伝ってもらいました。彼は幼いときにメヘバに避難し、当会で働くこと15年以上になるベテランで、メヘバで建設や熔接の技術を習得、今やその道のプロです。

アンゴラでの地雷回避教育は、首都から遠く離れたコンゴ国境の州で始めることにしたので、そこに現場事務所を開きました。その事務所の電気配線を私がしたのですが、ジョセフは自分の将来のために電気配線を教えて欲しいと言っていました。任期が終る前に教えてあげようと思いながらも、結局、二人とも忙しい日々が続いたので、果たせませんでした。
 
 嬉しかったのは、すでにメヘバから現地に帰還していた元難民を助ける会の作業員たちや、当会が訓練した大工さん、当会の奨学金で学校を出た元難民たちが、事務所の設立に協力してくれたことでした。自分たちは「難民を助ける会の子ども」なんだと言ってメヘバの話を懐かしそうにするので、メヘバでの20年間の当会の援助が役立っているんだなあと実感するとともに、現場に一人でいる私の心を和ませてくれました。

■帰還民が無事社会に溶け込めるよう力尽くして
アンゴラ事務所の優秀なスタッフ・ジョセフ(左)。市場で水道管を吟味中です。
アンゴラ事務所の優秀なスタッフ・ジョセフ(左)。市場で水道管を吟味中です。
溶接の際の紫外線で眼を傷めて以来日中はサングラスを着用。でも、はずすと優しい目です。
後任の吉田駐在員には、赴任したばかりの時に街へ連れ出して二人で警察に尋問されたり、強盗に襲われたりして、はからずも日本人としてアンゴラに住むことの難しさを、いきなり実地で体験させてしまいましたが、どうか安全には充分注意を払って、帰還した「会の子どもたち」が無事に社会に溶け込めるように、平和なアンゴラを築くために力を尽くして欲しいと思います。

その2・吉田克弥駐在員からの報告へ続く
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