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インド洋大津波 スリランカからの活動レポート
 
難民を助ける会では、2月1〜3日にかけて、ジャパン・プラットフォームの補助金と自己資金を合わせて、スリランカ南部ゴール県ハバラドゥーワ地区の避難民3000世帯へ、生活用品、文房具、スポーツ用品を配布しました。現在も引き続き、現地に必要な支援を調査中です。
以下は、3月15日に現地入りした紺野誠二事務局員からのモニタリング報告です。

プロジェクトの概要
事業概要 難民を助ける会は、ジャパン・プラットフォームからの助成と自己資金とを合わせて、スリランカ南部州ゴール県ハバラドゥーワ地区において、セワランカ財団と協力して生活用品を配布。
支援物資の価格 745万5000スリランカ・ルピー
受益者 3,000 世帯
配布場所 23ヵ所の避難キャンプにて実施
配布物資 3,000世帯分。各世帯に配布された物資は以下のものを一セットとした。
ソースパン (3個)、鍋、 平鍋、 茶漉し、米とぎ、皿 (5枚)、 コップ (5個)、ナイフ(2 丁)、ココナッツ削り器、バケツ、 やかん、かまど


モニタリングの概要
日程 2005年3月16日〜3月18日
場所 スリランカ南部ゴール県ハバラドゥーワ地区
対象者 本プロジェクトの受益者の中で、生活用品をもっとも頻繁に使っていると思われる主婦層
回答者数 112人(23ヵ所の配布地で各5名ずつ回答してもらった)
インタビュー実施者 10名のボランティア(男性6名、女性4名)
手法 質問表による調査
モニタリング経費 35,000スリランカ・ルピー
当会自己資金にて、プロジェクト管理費を20,000スリランカ・ルピーをセワランカ財団に支払い、10名のボランティアに各1500ルピー、合計15,000ルピー支払った。ボランティアへの手当はジャパン・プラットフォームからの資金による。
モニタリング監督者 難民を助ける会 コーディネーター 紺野 誠二
通訳 松岡 直子(臨時雇用人役)

モニタリングの目的
1 配布した物資が適切に使用されているかどうかを確認する。
2 物資配布の有効性、物資の質、数、配布のタイミングなどを調査し、プロジェクトの妥当性を判断する。
3 今回のモニタリングで導き出された提言、教訓をジャパン・プラットフォームに報告し、今後の人道支援活動をよりよいものとしていく。

モニタリングのスケジュール
3月16日 (1)午前:プロジェクトの概況、モニタリングの目的、モニタリングの行い方、インタビューの仕方などについてボランティアに説明。

(2)午後:ボランティアは2人×5チームに分かれ、モニタリングを実施。
3月17日 モニタリングの実施
3月18日 3,000 世帯
配布場所 23ヵ所の避難キャンプにて実施
配布物資 (1)午前:モニタリングの実施

(2)午後:モニタリングの成果を集計。ボランティアに対してのモニタリング実施後ワークショップを実施。

モニタリングを行う上での注意事項 - 行って欲しいこととすべきでないこと -
行って欲しいこと 受益者に対しての自己紹介。どの団体から何を目的にモニタリングを行うか。
インタビューを行う際には丁寧な言葉遣い、誠実な態度で行うこと。
受益者の情報は個人情報なので外部に対して秘密にしておくこと。
インタビューを行う際には、受益者が心地よいと感じる場所で実施すること。
受益者に、受益者が思っていることを自由に話してもらうようにする。
インタビュー終了後には「ありがとう」と言おう。
行うべきでないこと 受益者にこちらが期待しているような答えをさせるように誘導すること、「分からない」という回答でも、まったく問題はない。
回答を急がせないこと。十分に時間を与えて回答してもらおう。
受益者に対して間違った情報を与えたり、失礼な対応をしないこと。
更なる支援を行うような期待を抱かせないこと。
集めた情報を他の目的で利用しないこと。

モニタリングの結果
1.人口動態 インタビューを実施した受益者の平均年齢は 42.84才。
インタビューを実施した受益者の各世帯の人数は4.6人。
世帯の人数は4人ないし5人が最も多い。
プロジェクト開始時の1世帯あたりの想定人数である5人はきわめて妥当であったと考えられる。
2.配布物資の使用頻度 92%のインタビュー対象者が「毎日使用」と回答。
「1週間に3-4回使用」と回答したのが2.7 %。
3.6 %が「まったく使用していない」と回答。
集めた情報を他の目的で利用しないこと。
3.有効性 80%以上のインタビュー対象者が「とても役に立った」と回答。
約18%が「役に立った」と回答。
「役に立たなかった」と回答した人はいなかった。
配布物資はインタビューした世帯にとって、有効であったといえる。
4.配布物資の質 「とてもよい」と「よい」を加えると約90%。
8 %のインタビュー対象者が「まあ、まあ」と回答。
「質がよくない」と答えたのは全体の1%にとどまった。
インタビュー対象者は配布物資の質に満足している。
5.配布物資の量 39 %が量に満足している一方で、58%が満足していない状況にある。
配布物資の中でどの物資がより必要かを次回に配布を行う際には検討する必要がある。
6.どの物資がより必要であったか? インタビュー対象者から要求が高かったのは、下記の物資。
( )内は希望した人数。
鍋 (88)
皿 (81)
かまど (84)
約50%のインタビュー対象者は下記の物資を希望。
ソースパン(56)
平鍋(50)
コップ (59)
やかん (50)
ほとんどの対象者が茶漉しとココナッツ削り器はこれ以上必要でないと回答。
スリランカの新年(毎年4月13日、14日に設定)には新しい鍋やかまどを用意することから、そのために多くのインタビュー対象者が鍋やかまどを必要と回答した可能性もある。
(参考:澁谷利雄、高桑史子編著『スリランカ 人々の暮らしを訪ねて』段々社 19ページ)
7.物資配布のタイミング
(配布は2月中旬に行われた。これは被災後6週間以上経過していることを意味している。)
2/3以上の対象者が「予想より早かった」ないしは「ちょうどいい時期であった」と回答。
約25%が「予想したより遅かった」と回答。
3.5 %が「遅すぎた」。
インタビュー対象者には配布のタイミングは「許容しうる(acceptable)」。しかし、もう少し早く配布できれば、よりよかったと思われる。
 
結論
モニタリングの結果、下記の点を類推することができる。
1. 配布物資の使用頻度、有効性、質などの回答からすると、生活用品の配布は成功であったということができる。
2. 生活用品配布により、津波被災者の生活の一部分を被災前の状態に戻すことができた、と考えられる。
3. 鍋、皿、いろりなど、いくつかの配布物資はもう少し数を増やすべきであった可能性もあり、次回同様の配布を行う際には事前に検討する必要がある。
4. 物資配布のタイミングが「許容しうる(acceptable)」。しかし、早いにこしたことはないので、より早い物資配布が望まれる。
 
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