■地雷回避教育用冊子に、子どもたちの未来図を
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地雷回避教育用冊子『ラディパ』表紙
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| 写真右は女優のマリナ・ゴルバハーリさん。彼女が主演に抜擢された映画『アフガン零年』は、多数の国際映画賞を受賞。彼女は「アジア最高女優賞」を受賞しました |
NGOの仕事は何か? それは「未来を設計すること」だと僕は考えています。大げさな言い方ですが、どの国、どの場所であろうと、そこで生活する人々に関係する限り、彼らの未来にも影響を及ぼさざるを得ません。
難民を助ける会カブール事務所の活動も、他のあらゆる活動と同じように、アフガニスタンの未来に多かれ少なかれ、光なり影を落とします。本当に大切な問いは、「どうやったら地雷、地雷被害者を減らせるか?」だけではなく、「地雷がなかったら、どんな未来が描けるか?」だと僕は考えています。
今年の2月からカブール事務所は、国連アフガニスタン地雷対策センター(UNMACA)および国連児童基金(unicef)との共同事業として、子ども向けの冊子を作成しています。国連からの依頼を受けて、カブール事務所は冊子の企画、制作、印刷までを受注。18万部をUNMACAとunicefの流通経路に乗せるまでを行っています。
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採用された裏表紙
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| 将来、表紙の女の子とともに、同じ教室で自由に学べるようにという願いを込めました |
この教材は地雷回避教育に使われます。しかしそれを地雷回避教育教材以上のものにすること、アフガニスタンの未来図をそこに組み込むこと。これらの想いと必要がともにありました。
まず冊子の題名とコンセプト(概念)。子どもが走り回る姿を見ながら、「ラディパ(足跡)」という題名とロゴ(文字)を思いつきました。現地語が右から左へ流れるため、右から左へ、先へ未来へ進む、一組のシンプルな足跡を提案し、国連の承認を得ることができました。
そして表紙(写真上)です。学校が冬休み中だったため、子どもたちに特別に集まってもらい、実際の学校で写真撮影を行いました。
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残念ながら不採用となった表紙案
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| 男女共学をイメージして撮影しました |
実は表紙を作る際、国連担当者とずいぶん議論しました。「男女別々の写真を表紙と裏表紙に並べる案」と「男女が机を並べる案」のどちらにするか? 現在、子どもたちは小学校に入って間もなく、完全に男女別々の部屋で教育を受けています。
意見は真っ二つに分かれました。ほぼ半数が「共学のイメージで」、残りの半数が「別々で」。結局、国連側の結論で後者のイメージになりました。しかしもし数年前、写真そのものが禁止されていた時代ならば、このような議論すら受け入れられなかったでしょう。
■未来への歩みを、確実に重ねています
アフガニスタンは重い歩みですが、少しずつ少しずつ、「ラディパ」を前に重ねています。
昨年から難民を助ける会カブール事務所の活動に協力してくれている女優のマリナ・ゴルバハーリさん(彼女が主演に抜擢された映画『アフガン零年』は、多数の国際映画賞を受賞。彼女は「アジア最高女優賞」を受賞しました)は、今回も冊子の表紙を飾ってくれました。彼女は元ストリートチルドレンで文盲でしたが、この一年で冊子制作目的の調査票処理を手伝ってくれるまでになりました。
また、2ページに渡って登場する不発弾被害者のナデル君(不発弾により右眼と両腕を失う)は、以前はまったく英語が話せませんでした。しかし難民を助ける会の支援により、1年半ほどでほぼ問題なく英会話ができるまでに成長しました。
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冊子制作を担当したカブール事務所のスタッフたち
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| 右から3人目が宮崎巧治。左端は同じくカブール駐在・大西清人 |
■子どもたちが将来に望むものは、「平和」と「勉強」
アフガニスタンに必要なのは、「地雷のない土地」だけではありません。真に必要なのはその土地で色彩豊かな将来の絵が描けることです。
冊子制作に先立ち、子どもたちに実態調査を行いました。質問の一つは、「アフガニスタンの将来に何を望みますか?」ほとんどの子どもの答えは次の二つに絞られました。「平和」と「勉強」。
それにほんの少し手をかすこと。それは価値あることだと思っています。
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