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活動報告
タイトル
カンボジアで障害者のリーダーを育成中です
報告者
カンボジア事務所駐在 鷺谷 大輔
報告年月日
2005年5月
概要
難民を助ける会では、カンボジアの首都プノンペン郊外で、キエンクリエン障害者支援センターを運営し、職業訓練(バイク修理、テレビ・ラジオ修理、縫製)を行っています。当センターでは、障害者が技術を習得し経済的に自立するだけでなく、社会貢献もできるような人材の育成を目指しています。
 今回は、その人材育成のための取り組みについて、鷺谷大輔が報告します。
詳細
■自信と自立心を身に着けようと、「生徒会」活動
訓練生のリーダー、チャンシタさん(中央)
訓練生のリーダー、チャンシタさん(中央)
一見コワモテ?な彼ですが、訓練生から絶大な信頼を得ています。落ち着いた雰囲気で、技術訓練も人一倍熱心です。

 難民を助ける会カンボジア事務所では、人材育成の一環として、2004年から「生徒会」なる活動を行っています。
 ここでは、障害者である訓練生たちが、さまざまな問題について彼らだけで考え、話し合い、学び、解決へ向け努力します。
 それを通して彼らが自信を持ち、自立意識を高め、援助への依存意識を薄めていければ、こんなに嬉しいことはありません。

 「生徒会」の具体的な活動内容ですが、月1回2時間程、訓練生のリーダーを中心に、訓練生だけでさまざまな議題について話し合います。
 例えば「障害者の直面する問題」や「自分の村での問題とその解決方法」などなど。これらについてグループ毎に話し合い、その後意見やアイデアをまとめて発表したりします。

 また、外部の方を招いて講演会を行うこともあります。
 先日は、 CDPO(Cambodian Disabled People’s Organization)のンギン・サオラットさんを招き、障害者の啓発活動や意識改革を目的とした講義を行いました。
 サオラットさん自身も障害者であり、成功して社会で堂々と生きる彼から学ぶことは多く、訓練生は彼の講義を通じて将来への希望を持つことが出来たようです。

グループでの話し合いの様子
グループでの話し合いの様子
信頼するリーダー(右から2番目)を囲み、訓練生の間からは活発な意見もたくさん出てきます

■話し合いは訓練生だけで進行、日本人駐在員もスタッフも口出しなし
 「生徒会」の進行は、訓練生のリーダーを中心に行いますが、話し合う議題の内容は訓練生全員で決めます。私もスタッフも、一切手助けはしません。
 議題が決まった後は、いくつかのグループに分かれて話し合います。グループ分けし、少人数にすることにより全員に発言の機会を与えます。
  グループ内でまとまったアイデアや意見を紙に書き出し、グループ毎に代表が皆の前で発表します。
  最後にリーダーは各グループから出てきたアイデアや意見などを集約し、総論を述べ、皆に問題の核心を再認識させたり、問題解決に向けた今後の行動を促したりします。

■仲間から絶大な信頼を得るチャンシタさん
さて、その話し合いのリーダーを務めるのは、ヘン・チャンシタさん(42歳)。
彼は16歳のとき、タイへ出稼ぎに行く途中で地雷を踏み、右足を失いました。以前は、障害者ということだけで差別を受け、仕事を得ることも難しかったそうです。
当センターに来てからは、人一倍熱心かつ積極的に技術訓練に取り組んでいます。

皆 の推薦でリーダーに選ばれたチャンシタさんは、ちょっと強面?ですが、他の仲間から大きな信頼を得ています。
その瞳は、なにか既に悟りを開いたかのよう。また、しっかり将来を見据えているようで、引き込まれます。
日々の暮らしもままならない障害者がカンボジアにはまだたくさんいるにも関わらず、チャンシタさんには地に足がついたような、落ち着いた雰囲気があります。

生徒会で訓練生の先頭に立ち、皆を引っ張る姿を見ていると、将来、障害に関係なく多くのカンボジア人を引っ張っていくリーダーになっていくのではないか、という希望を抱かせてくれます。

そんなチャンシタさんの将来に、大いに期待しています。

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