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スーダンで、地雷回避教育と助産師の育成を行います
東京事務局 紺野 誠二・高崎 紀子
2005年12月
アフリカのスーダンでは、2005年1月に包括和平合意が締結され、21年にわたる南北の内戦が終わりました。その間、犠牲者は200万人以上、戦火を避けて逃れた人は、周辺国に50万人、国内に400万人以上といわれています。難民を助ける会は、2ヵ月半にわたり現地調査を行いました。スーダン難民・避難民が安全に故郷に帰還するため、また、戦争で破壊された町に残された人々のために、支援を開始します。
スーダンの地図
南部の町カポエタでは内戦中激しい戦闘が行われ、すべてが破壊された
やっと平和になったスーダン。しかし、難民たちが帰還し、生活を営むにはまだまだ長く厳しい道のりが待っています。
■地雷に汚染された土地
内戦中には、政府軍も、南スーダンを本拠地にするスーダン人民解放戦線/軍(SPLM/SPLA)も、多くの地雷を使用しました。
地雷の数や埋設場所に関する正確な数字はありませんが、2005年3月の時点で1,751人の被害が報告されています。
また不発弾も多く、スーダンにある26州のうち、21もの州が地雷と不発弾によって汚染されているといわれています。
平和になると、人の往来も増えます。難民や避難民は故郷へ向けて帰還。支援物資も周辺国から車で運び込まれます。内戦中南スーダンに留まっていた人々も、以前は出来なかった町から町への移動を始めます。
地雷の説明を受けるトラックの運転手たち
説明するのはMAG(英国の専門NGO)のスタッフたち (C)MAG
しかし、帰還民はもちろん、現地に留まっていた人々でさえ、自分の住む町のどこに地雷が埋まっているか、おぼろげにしか知りません。一旦知らない町に来ると、地雷の在り処は全くわかりません。支援物資を運んでくるトラックの運転手もそうです。
■4人に1人は5歳未満で死亡
やせ細り肋骨が見える赤ちゃん
南スーダンにて(C)DIOCESE OF TORIT
スーダン南部の町カポエタは、内戦中に政府軍とSPLMに交互に占領され、激しい戦闘が行われました。
多くの建物が破壊され、学校もなければ病院もありません。戦火を避けて建てられた小さな小屋が、周辺住民130,000人の頼る唯一のクリニックです。住民は、10〜20qも離れた村から病気の子どもを抱いて歩いてきます。
食糧不足も深刻です。内戦中の不足に加え、数年に1度の水不足が食糧難に拍車をかけました。家族の中でも優先順位が低く、食事の順番も後回しにされがちな女性や子どもは、現在も慢性的な栄養失調に苦しんでいます。
栄養失調に加え、マラリアと下痢が、病気の主な原因です。安全な水源がないため、人々はよどんだ水溜まりや乾いた川底を掘って飲み水とします。昨年クリニックを訪れた患者のうち、60%がマラリアと思われる症状、25%が下痢や寄生虫など水に起因する体の不調を訴えていました。このような要因から、南スーダンの子どもたちは、せっかくの生を得ても、4人に1人は5歳になれずに死んでいくのです。
■高い妊産婦死亡率
町で唯一あるクリニックの前では、診察を待つ人々の列が続いていた
ここが周辺住民が頼る、唯一の医療機関だ
カポエタをはじめとする南スーダンの女性は、誰の助けも借りずに自宅で出産します。
95%の妊婦は事前に検診を受けず出産に臨みますが、慢性的な栄養失調が引き起こす貧血や、妊娠中の病気などが原因で、お産の時に亡くなったり、障害を持つことも少なくありません。
出産にかかわる根強い迷信や、病院、医者、看護師などの不足なども相まって、スーダンは妊産婦死亡率が世界でも最も高い地域の一つとなっています。
国連の推計によると、出生10万につき1,700人の妊産婦が死亡するとされますが、最近のUNICEF(国連児童基金)の調査によると、実際には3,000人に上るとも言われます。これらの多くは、妊産婦検診を実施したり、適切な処置を行えば防ぐことのできる死です。
■助産師の育成が急務です
クリニックの関係者と話し合う高崎(右)
助産婦の育成のほか、乳幼児や妊産婦を対象に栄養補給指導も行う
帰還する難民・帰還民、そして南スーダンに生活する女性や子どもが健康に暮らせるために、これからやらなければならないことはたくさんあります。
政府や国際機関が支援計画を立てる一方、内戦終結後10ヵ月が経つというのに、住民には一部の地域を除いて、まだ実感できる支援が届いていないのが現状です。せっかく合意された和平もその基盤は脆く、今こそ迅速な、人々の目に見える支援が必要です。
そこで難民を助ける会は、現地のNGOであるDOT(DIOCESE OF TORIT)と協力し、早急に必要とされる助産師の育成を行います。これにより、自宅での安全な出産を行えるようにするほか、事前検診により母体や胎児の発育状態を予知し、必要に応じてクリニックや病院での出産を勧めることなどを実施します。
またクリニックでは、極度の栄養失調に悩む乳幼児や妊産婦を対象に、栄養補給も行います。
ゼロ、いえマイナスからのスタートですが、皆さまの温かいご支援をお願い申し上げます。
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