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活動報告
タイトル
 2005年度の報告 職業訓練校と車イス工房
報告者
カンボジア事務所駐在 加藤 美千代
報告年月日
2006年8月
難民を助ける会では、カンボジアの首都プノンペンで二つの支援活動を行っています。障害者が手に職をつけるための職業訓練校(キエンクリエン障害者支援センター)と、車イスを製造・配布する工房の運営です。では、どのような人びとが職業訓練校のコースに参加し、車イスを受け取ったのでしょうか?今回は、2005年度の成果を皆様に報告します。
■時代に合わせて職業訓練コースを実施
プノンペンにあるキエンクリエン障害者支援センターのスタッフ(右端が加藤美千代駐在員)
プノンペンにあるキエンクリエン障害者支援センターのスタッフ(右端が加藤美千代駐在員)
センターも今年で13年目を迎えました

1993年に障害者のための職業訓練校を開始してから2005年度までの卒業生総数は約500名。現在は 縫製・バイク修理・テレビ・ラジオ修理の3コースで訓練を実施しています。過去には、すず細工、皮細工、籐家具製作、養鶏コースなどを実施したこともありました。時代や市場ニーズに合わせてコース内容も変化してきました。

2005年度は37名が職業訓練コースを終え、卒業していきました。そのうち女性は8名のみ。前年に比べても女性の受講生が少なくなってしまいました。1年間家を空けることが難しい女性が多いこと、バイク修理やテレビ・ラジオ修理という分野はカンボジアの文化で「男性の仕事」とされていること、女性の障害者に情報が届きにくいこと、など女性にとって訓練を受けにくい背景があります。この結果を受けて、女性への情報伝達を強めること、優先して入学できるようにすること、女性にも受け入れられやすい職業訓練を考えることを決めました。
2005年度卒業生の男女比(男性78%、女性22%)


2005年度訓練生コース別内訳は、バイク修理が16人、テレビ・ラジオ修理が12人、縫製が9人でした。
■障害の原因と訓練生の卒業後
訓練生の障害の原因については、毎年ばらつきがありますが、傾向として地雷・不発弾被害をうけた訓
障害の原因(ポリオ後遺症51%、地雷・不発弾16%、事故19%、先天性14%)
練生が減り、ポリオ後遺症や交通事故などが原因で障害を負った訓練生の数が増えていることがあげられます。とはいっても、カンボジアの地雷被害者は年間800名以上といわれており、まだまだ地雷の脅威が減ったとはいえない状況です。

2005年度の卒業生は、自分で店を開いたり、縫製会社に就職したりしました。店を開いた場合、顧客が安定し軌道にのるまでに3年はかかるといわれています。店主となった卒業生をスタッフが定期的に訪問し、アドバイスをしたり情報を提供したりという支援も行っています。


ボートを使って交通の不便な地域にも車イスを運びます
ボートを使って交通の不便な地域にも車イスを運びます
■車イスの生産・配布は手厚く
車イス工房は1993年に設立され、車イス、長距離の移動に適している三輪タイプの車イス、特別仕様の車イスなどを製造しています。2005年度は、8名の障害者を含む10名のスタッフが毎月25台の車イスを生産・配布しました。難民を助ける会の車イス工房は配布前の査定を充分に実施して身体にフィットする車イスを届けたり、配布後のサービスに力をいれたりして、生産数はそれほど多くはないけれど手厚いケアで利用者に喜ばれています。

2005年度に製造した300台の車イスの配布地域は、ターゲットにしているプノンペン周辺の9つの州です。ボートで川を渡らないとたどり着けないような交通不便な場所にも出向いて、車イスを配りました。

 

■引き続き生活再建の努力が必要です
2005年度に車イスを配布した場所(各地)
2005年度に車イスを配布した場所(黄色の点)
ここ数年、海外から寄贈される車イスが急増して問題になっています。台湾製、アメリカ製、日本製などの中古車イスが1,000台単位でカンボジアに流れ込んでいます。これらの輸入車イスは無料で障害者に配布されますが、配布時の査定が不十分で身体に合わない場合や、悪路の多いカンボジアで壊れても直す部品が見つからず使い物にならない場合もあります。また、無料で配布される中古車イスが増えると、これまでの車イスの配布経路が混乱してしまい、カンボジア国内の車イス工房は打撃をうけます。

このような大きな問題にもカンボジアのほかの障害者団体と協力して解決に向けて取り組みつつ、2006年度もひとりひとりのニーズにあった車イスを生産して配布しています。
 
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