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活動報告
タイトル
障害者のやる気に変化。今、車いすバスケットがラオスで熱い!
報告者
ラオス ビエンチャン事務所駐在 岡山 典靖
報告年月日
2006年11月
難民を助ける会では、ラオスの首都ビエンチャンで、2000年より国立リハビリテーションセンター内の車いす工房にて、車いす製造などに関する支援活動を行っています。今回は、車いすバスケットボールに目覚めた現地の障害者の方たちの奮闘ぶりを、岡山駐在員がご紹介します。
ほぼ全員が初心者!果たしてどうなるラオスチーム…
 難民を助ける会のラオス事務所では、今年に入ってから本業の車いす普及支援事業の傍らで、障害者スポーツ、とりわけ車いすバスケットボールの振興を支援しています。

 ことの起こりは2006年4月。「この夏、
タイで車いすバスケットの国際試合が開かれる。ラオスも参加しないか?」との打診があり、さっそく首都ビエンチャンにいる身体障害者の人たちへ声をかけたところ、当会の現地スタッフを含めて13名の男女が集合。以前、車いすバスケットを少しやったことがある人もいたものの、ほとんどは初心者でした。

日に日に練習に熱が入るようになりました
毎日猛練習に励む、ほぼ初心者の選手たち
 私も20年以上前、高校時代にバスケットボールをやっていたことから、それなりにコーチを務めようとしましたが、やはり車いすバスケットは従来のバスケットと異なる動きやルールがあります。
  果たしてこんな指導で良いのかと迷いながらも、まずは大会に向けて6〜7月は毎日猛練習を実施。
 そして、大会直前の8月には日本から筋金入りの車いすバスケットのコーチも来られ、3日間の特訓も受けました。
競合相手に女子チームが大健闘
結果は負けでしたが、その過程で大きなものを得たラオスチーム
いざ本番。日本チーム相手にがんばりました

 国際試合への出場となると、経費もそれなりにかかります。日本人の有志から協力を募り、陸路でタイの国境を越え、列車で開催地のパタヤまで行く旅費を何とか工面しました。

 そして迎えた大会当日。他の出場国は、タイ、マレーシア、日本、中国、シンガポール、イラン…。いずれも車いすバスケットの歴史を持つ国ばかり。数点でもシュートが決まれば御の字という気持ちで試合に臨みました。

上下のジャージはラオス・パラリンピック委員会からのご支援
終了式典にて。清々しい表情のラオスチーム

 結果、男子チームの対戦相手は強豪揃いで太刀打ち出来ず。ところが、意外にも女子チームは4試合中、対チェンマイ(タイ)戦で26対20と初勝利。皆で拍手喝さいして喜びました。

 さらに嬉しいのは、この国際大会だけで終わることなく、8月以降も新入りのプレイヤーが増え続けたことです。

  現在では、20名ほどの車いすバスケットチームの輪が出来ました。彼らはその後も毎日練習を続けており、まずは定期的にラオス国内で対抗試合をやることになっています。

車いすバスケットが、彼を心身ともに変えました
きゃしゃだったサムニエンさんですが、車いすバスケットを始めてから、こんなに筋肉がつきました
障害の有無は関係なし、車いすバスケットの魅力
 勝敗はともかく、このバスケットの活動を通じてとにかく感心したのは、選手たちが自ら練習時間の30分前から集まりだし、いつもやる気満々でいることでした。

 難民を助ける会ラオス事務所スタッフ、サムニエンさん(26才・男性)も熱血選手の1人です。小さい頃からサッカーが好きで、それがそのまま彼のニックネーム(“テェ”=「蹴る」の意)となったほど。しかし小児マヒ(ポリオ)で左足が不自由になって以来、友だちとサッカーをすると、いつも自分だけが地面を這いずるようで、いつも恥ずかしい思いをしていたそうです。

 けれども、そんなサッカーと違い、この車いすバスケットをやっていると、「障害という垣根が消え、とにかく皆と一緒にプレーできる。新たな仲間の輪が出来たことが嬉しい」、と話してくれました。

 私も時々車いすに乗り、みんなと一緒に練習試合をしましたが、何といっても車いすバスケットという競技自体がとてもスリリングで奥深く、サムニエンさんの言うとおり、障害のある者もない者も、一緒になって楽しめるスポーツであることを実感しました。
回転しやすいように、車輪に角度がついています
当会が支援する国立リハビリテーションセンターの車いす工房で作った、バスケット用の車いす(右はサムニエンさん)
彼らの熱意で障害者スポーツ興し
 車いすバスケット用の車いすは、日本では20〜30万円もする高価なものです。けれども、難民を助ける会が支援する国立リハビリテーションセンターの車いす工房でも、有限会社大分タキの上野茂会長のご指導を得て、バスケット用の車いすを作れるようになりつつあります。

 また10月には、その国立リハビリテーションセンターの敷地内に、ADDP(アジアの障害者活動を支える会)支援による障害者スポーツ用の体育館も完成。
 ラオスの障害者スポーツ協会も出来つつあり、そうした障害者スポーツ関連の組織作りも期待されています。

 これまでスポーツをする機会も限られていたラオスの障害者たちに、「車いすバスケットボール」が大きな変化をもたらしてくれました。タイでの国際大会出場をきっかけに、彼ら自身が熱意を持って、車いすバスケットボール振興の気運を高めています。
  そんな彼らの変化を、嬉しく感じている今日この頃です。
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