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レバノン危機 停戦後の復興支援を開始
東京事務局次長 馬場先 ゆきの
2006年11月
2006年の7月に、イスラエルの兵士が、レバノン南部でイスラム教シーア派のヒズボラに拉致されたことをきっかけに始まったイスラエルによるレバノン空爆。激しい戦闘が1ヶ月続いた後、8月14日に国連の調停により停戦しました。停戦合意から約2ヶ月後の10月1日、イスラエル軍の撤退がほぼ完了するその日に難民を助ける会は、レバノンの被災状況の確認と、復興支援へ向けた調査を実施するためにスタッフを派遣しました。 11月半ばにベイルートに事務所を開設し、支援にあたっています。
■
避難先から帰ってきても
南部に広がるタバコ畑。この畑のどこかにも不発弾があるかもしれません。(レバノン南部 アイタシャーブ村)
地中海に面した岐阜県ほどの国、レバノンは南にイスラエル、北と東にシリアと接しています。イスラエルによる空爆は主に南部地域、またベイルート市内南部のイスラム教シーア派の居住区、主要道路にかかる橋、石油タンク等を狙って行われました。今回の空爆は一般市民を巻き込み、空爆による死傷者数は5000人を超え、避難民は一時100万人とも言われました。
停戦後、避難民は徐々に帰還していますが、停戦の直前に多数ばらまかれたクラスター爆弾等が不発弾として残っています。帰還後、自分の家や畑に入り、瓦礫撤去の作業中に被害にあうケースが多発しています。
■生活再建を阻む不発弾
空爆によって崩壊した民家(レバノン南部 アイタシャーブ村)
イスラエル国境が近いレバノン南部地域では、住宅の8割近くが攻撃によって崩壊しています。主に農業で生計をたてる南部の人々にとって、農地の再整備が生活再建のための最優先事項です。しかしオリーブ畑やぶどう畑に残る不発弾は、生活再建を阻む大きな障害です。
今回の空爆では、これまでとは違う新しいタイプの爆弾も使われています。爆弾や地雷には様々な形があり、大人だけではなく、好奇心の強い子どもが拾い上げ、大怪我を負うことも少なくありません。レバノンの国連地雷対策コーディネーションセンター(UNMACC)によると、レバノン全土に残る不発弾は、35万個といわれています。
難民を助ける会は、これまでアフガニスタンやアンゴラで、地雷や不発弾の被害にあわないための教育(地雷回避教育)を実施してきました。レバノンでは、
ジャパン・プラットフォーム
の資金を活用し、南部ナバティエ県アイタ・シャーブ村において不発弾・地雷回避教育を実施します 。
村の役人たちに被害状況などを確認する柴崎大輔駐在員(左端)
■自らの手で被害を減らしていこう
具体的には、以下の事業を実施する予定です。
◆不発弾・地雷の危険地図作成
宗派を超えた参加者を募り、自分たちの生活する地域の地雷や不発弾の知識を共有できる住民ネットワークを組織化する。
◆講習会の実施
住民ネットワークを通じて、レバノン国内で地雷や不発弾の回避教育に実績のあるランドマイン・リソースセンターや国連機関等の協力を得て講習会を実施。
◆教材の作成・配布
住民ネットワークが主体になり、地域の地雷や不発弾の情報を収集し、写真やイラストで誰にも分かりやすい教材を作成し配布する。
事業の実施にあたっては、レバノンのNGO、国連機関、教育省、自治体との連携を図り、住民の自主性、文化を尊重しつつ進めます。11月8日には東京事務局から柴崎大輔が再度レバノン入り、ベイルートに事務所を開設し、事業を開始しました。
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