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活動報告
タイトル
カンボジア人による、カンボジアの障害者のための障害者の支援事業
現地法人に移行
報告者
東京事務局 加藤 美千代
報告年月日
2006年11月
難民を助ける会では、設立当初よりタイ・カンボジア国境の難民キャンプにて障害者支援を行ってきました。また、1993年からは首都プノンペンにて障害者支援センターを運営。障害者の職業訓練と車イスの生産・配布を実施してきました。一昨年より、カンボジア人職員によって事業を運営するべく、決定権の移行を徐々に進め、今年(2006年)10月、ついに2つの事業をカンボジアのNGOとして登録しました。ただし、当面は当会が資金的にも企画運営についても支援を継続していきます。
2つのカンボジアNGOが誕生!
現地スタッフが考えたステキなデザイン
「カンボジアNGO/発展への車イス」の新しいロゴマーク。スタッフが考えたという素敵なデザインです

カンボジア事業では、カンボジア人職員が主役となって、事業の方向を考え、舵を取り、将来にわたって障害者への支援を続ける体制を築くために、事業の自立を目指しています。これまでは日本人の駐在員が現地代表として事業を引っ張ってきましたが、今後はカンボジア人が代表となり、事業を推進していきます。
 組織は、カンボジアのNGOとしてあらたに登録しなおしました。国際NGO「難民を助ける会」から、2つのカンボジアNGO「障害者のための職業訓練」と「発展への車イス」へ生まれ変わったのです。
 これは、難民を助ける会にとって喜ばしい変化です。13年間にカンボジア人職員が着実に能力を伸ばし、自立できる力がついてきたことを意味するからです。


■「できない」から「やってみよう」に変わるまで
やる気いっぱいのカンボジア人職員たちです
新生「カンボジアNGO・障害者のための職業訓練」のメンバーたち(右端は加藤美千代。右から4番目がソチェット校長)
しかし、カンボジア人職員にとって、初めはこの動きは必ずしも嬉しいニュースとして受け止められませんでした。2005年8月に私がカンボジアに赴任した頃は、「自分たちだけでは運営できない」「これからも難民を助ける会に今まで通り引っ張っていってほしい」「初めてだからわからない」、という不安の声が多く聞かれました。
 今までのように指示を待つだけでは物事が進まないので、「自分たちで積極的に考えて提案する」ことや、カンボジアでも運営資金を獲得することなど、彼らにとって新しい挑戦が多くなりました。その分、仕事も責任も、不安の種も増えるわけです。それに耐えられないと感じたのか、3人の職員が去っていきました。
 駐在員として一番苦労したのは、カンボジア人職員の気持ちを変化させることでした。「やったことがないからできない」という後ろ向きな姿勢を「初めてだけど何とかしてやってみよう」とするまでに半年かかりました。
 カンボジア人職員の気持ちを変えるために最初にしたことは、自分たちのNGOだということを実感してもらうように、目に見える変化を起こすことでした。組織図のトップに位置していた日本人駐在員の名前を取り外し、組織の意思決定システムを変更しました。また、駐在員専用の部屋を無くし、両NGOのリーダーの隣に駐在員の机を設置するなど、事務所の模様替えもしました。
 日々の業務では、私が仕事をしないように気をつけました。一つの小さな仕事をするにも、やり方をカンボジア人職員と一緒に考え、わからないところを説明し、実際に実行してもらい、できなかったことを見直し、修正して再チャレンジということを繰り返しました。自分がやれば1時間で終わることが、3日以上かかることもあり、ひたすら私の忍耐力が試される日々でした。
給料を減らしても良い車イスを作りたい、と熱心なスタッフたちです
「カンボジアNGO・発展への車イス」のメンバーたち(左端がヨック所長)

■変化は、徐々にやってきた
ある日、「資金が足りなくなった場合は、僕の給料を減らしてもいいから車イスを作りたい」という言葉を一人の職員から聞きました。このときが、駐在員として組織の移行に関わって一番嬉しい瞬間でした。
「カンボジアの事業はカンボジア人である自分たちが発展させていく」という自覚を持ったカンボジア人職員の変化は、このように、徐々にその言葉や行動に表れてきました。
 事業の将来や自身の能力に対する不安と責任感にさいなまれ、時に眠れない夜を過ごしたこともあるという職業訓練校のソチェット校長や車イス工房のヨック所長を筆頭に、難民を助ける会で活躍してきたカンボジア人職員は、本当によく頑張っていると思います。そして、困ったことがあってもユーモアを忘れずに対応する彼らの力を何度も目の当たりにし、私自身も励まされてきました。

■引き続きご協力をお願いいたします
 
2006年10月、カンボジアNGOの2団体が正式に誕生し、形の上では現地組織としての登録が完了しました。しかし、誕生したばかりのこのNGOが、本当に大変な時期を迎えるのはこれからです。
 難民を助ける会による支援はまだまだ続きます。出張を通じて、あるいは東京から、本当の自立が実現する日まで、資金的にも企画運営についても支援を継続していきます。
 最後になりましたが、カンボジア人職員一同からのメッセージを紹介いたします。「いつもカンボジア事業を支えていただき感謝しています。カンボジアにはまだ職業訓練や車イスを必要とする障害者が大勢います。今後は私たちが中心となって活動を続けます。一生懸命頑張りますので、これからも応援を宜しくお願いします。」

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