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活動報告
タイトル
ザンビアの人たちが考え成功させた!世界エイズデーイベント
報告者
ザンビア・ルサカ事務所駐在 芦田 崇

ザンビア・ルサカ事務所駐在 芦田 崇  大阪府出身。2005年3月よりザンビア駐在。大学卒業後、国家公務員として社会保障政策の実務に携わり、その後大学院で社会開発学を学ぶ。NGOの一員としてジンンバブエやタイでエイズ問題に取り組んだ後、難民を助ける会へ。
報告年月日
2007年2月
難民を助ける会では、ザンビアの首都ルサカで、エイズ対策事業を行っています。今回は、2006年12月1日の世界エイズデーに行ったイベントについて、芦田駐在員が報告します。(ザンビアの活動についてはこちらをご覧ください ザンビアの地図
詳細
■ルサカでエイズデーにイベントを開催
まずは「ストップエイズ」などと書いた横断幕を持ち、地域を練り歩きます。その後、イベント会場の学校へ
まずは「ストップエイズ」などと書いた横断幕を持ち、地域を練り歩きます。その後、イベント会場の学校へ
  12月1日は世界エイズデー。毎年世界各地で、啓発を促すためのイベントや、エイズで亡くなった人を追悼する集会が開かれます。難民を助ける会が活動するザンビアの首都ルサカのチランガ地域でも、2006年12月1日、住民向けに啓発イベントを実施しました。
11月初旬から地域内で活動する団体と連絡を取り合い、実施体制について協議した結果、今年は3つの学校のエイズ対策クラブ及びHIV(エイズウィルス)に感染している人たちの互助グループと共同で実施することになりました。
 
対策クラブのリーダー。性感染症についてのセミナーを上手に進行中
難民を助ける会の研修を受けたエイズ対策クラブのリーダー。性感染症についてのセミナーを上手に進行中

■イベント開催に向けて、みんな意欲満々
 準備のための会議では、まず「効果的なキャンペーンの方法」について、みんなで考えました。その結果、地域を練り歩いて拡声器や歌でメッセージを流すような、一般的なキャンペーンの要素に加えて、住民一人ひとりに、より詳細かつ正確なメッセージが伝わるよう、学校の教室を使って小規模なセミナー形式で、エイズ教育を実施することになりました。
エイズ対策クラブのリーダーにとっては、難民を助ける会が主催した「エイズ教育の進行役を担うために必要なスキル習得トレーニング」を11月に受けたばかりだったので、学んだことを実際に活用する機会を得て、意欲満々でした。

その後も打ち合わせを続け、各自の役割分担とセミナーの内容を決定し、横断幕やポスターの作成を行いました。エイズデーの前々日と前日には、セミナーのリハーサルを行うとともに、広報活動を実施しました。
昨年のエイズデーイベントの際は大人の参加者が少なかったので、その反省を活かして、ポスターの掲示だけでなく、会場である学校周辺の地域で戸別訪問を行って、参加を呼びかけました。

オープニングセレモニーは、開催メンバーが得意のダンスを披露。大勢の人たちが集まり、盛り上がりました
オープニングセレモニーは、開催メンバーが得意のダンスを披露。大勢の人たちが集まり、盛り上がりました
■エイズについてもっと知ろう!テーマ毎にセミナー開催
 当日は、朝7時に出発して、まずは「HIVの感染経路を正しく知ろう!」などのメッセージを書いた横断幕を持って地域内を練り歩きました。地域内を行進したグループが会場に到着したら、オープニングセレモニーです。視察に訪れていた、チランガ地域を管轄するカフエ郡教育局の副局長の挨拶もありました。

その後、「エイズについてもっと知ろう!」という総合テーマのもと、分科会セミナーを実施しました。会場に来た参加者自身が、学びたいと思うテーマを選んでその教室に入る仕組みです。
テーマとしては合計4つ。そのうち3つはエイズ対策クラブによる「HIVの感染経路について」、「性感染症について」、「生殖機能と10代の妊娠について」。それに加え、HIVに感染している人々の互助グループメンバーは、「差別と偏見の軽減に向けて〜HIV感染者の経験から〜」というセミナーを開きました。
自分の経験を語るHIV感染者の女性の話に、参加者は熱心に耳を傾けていました
自分の経験を語るHIV感染者の女性の話に、参加者は熱心に耳を傾けていました
■参加者を巻き込む進行役、体験者同士励まし合いも
 エイズ対策クラブのセミナーは、難民を助ける会のアドバイスの下、事前準備がしっかり出来ていたことから、参加者が引き込まれるような内容に仕上がっていたと思います。
例えば、女性の生殖器の仕組みについて、男子生徒が絵を使って分かりやすく説明し、それに参加者の女性が質問するなど、会場は大変盛り上がりました。

HIVに感染している人たちが主導したセミナーでは、自分の夫が自分に感染の事実を打ち明けたときの気持ちや、その後どのようにショックから立ち直ったかなどの話もしてくれました。
また、自分だけでなく自分の娘もHIVに感染しており、更にその子も3人中2人が感染していて、今後どのように生活していけばいいのか分からない、という女性もいました。そうした問題を参加者同士で話し合い、痛みを分かち合うことを通して、しんみりした雰囲気ながらも一体感のある有意義な会合となりました。
次回のエイズデーでも、より質の高いイベントを目指します。各エイズ対策クラブ顧問の先生たちと(後列左から3人目が芦田崇駐在員)
次回のエイズデーでも、より質の高いイベントを目指します。各エイズ対策クラブ顧問の先生たちと(後列左から3人目が芦田崇駐在員)
■これまでのキャンペーンの内容を超えた!
 郡教育局の副局長は、学生が大人の前で堂々と進行役を務めて、性について話しているのを目の当たりにして、「これまでのキャンペーンの枠を超えた非常に有意義なイベント」と高く評価してくれ、私たちも嬉しく思いました。
その後は、エイズに関する○×クイズ、若者によるエイズをテーマにした寸劇や歌、詩、ダンスなどを披露。昼食後はスポーツイベントで盛り上がりました。

全体を振り返ってみると、今回は昨年の経験が随所に活かされた結果、準備や当日の進行がスムーズで、質的にも昨年より向上したイベントとなったと思います。大人の参加者は昨年を越える250人と、目標を達成できました。

個人的に嬉しかったことは、何よりも進行役を務めた生徒たちが、「緊張しつつも楽しめた」と口々に言っていたことです。これをきっかけに、今後さまざまな機会を活用して進行役に挑戦し、正しい知識を広めて欲しいと願っています。難民を助ける会は、引き続き彼らを応援していきます。

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