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活動報告
タイトル
「まさか自分が地雷を踏むとは」…レバノンの不発弾・地雷被害者の声
報告者
レバノン事務所駐在 柴崎 大輔

レバノン事務所駐在 柴崎 大輔  宮城県出身。2005年1月よりスリランカ事務所に駐在し、2006年10月よりレバノン・ベイルート事務所駐在。大学院では主に紛争国の復興について学ぶ。国際協力機構(JICA)理数科調査団としてスリランカに滞在後、難民を助ける会へ。
報告年月日
2007年4月
2006年7月のイスラエルによるレバノン空爆後、レバノン南部では今も復興活動が続いています。難民を助ける会ではジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成を受け、レバノン南部で不発弾・地雷回避教育を実施しています。(レバノンの活動についてはこちらをご覧ください)。 レバノンの地図
詳細
■生活のため入ったオリーブ畑で被害に
4人の子どもを抱える一家の大黒柱、シャミルさん(左)。生活のために入ったオリーブ畑で地雷の被害に。右はまだ幼い息子
4人の子どもを抱える一家の大黒柱、シャミルさん(左)。生活のために入ったオリーブ畑で地雷の被害に。右はまだ幼い息子

2007年3月28日、難民を助ける会が不発弾・回避教育を行うレバノン南部のハルタ村で、不発弾・地雷被害者へのインタビューを行いました。

ハルタ村に住む、サミル・アブドゥル・マリクさん、32歳。4人の幼な子を抱える一家の大黒柱です。5ヵ月ほど前、農作業のため入ったオリーブ畑で地雷を踏み、右足を切断。左足も全治半年以上の大怪我を負いました。現在は車イスで生活しています。
オリーブ畑に地雷があると知ってはいても、生活のために畑に入らざるを得なかったサミルさん。「まさか自分が踏むとは…。」それが、率直な思いだったそうです。
サミルさんは、レバノンが長年内戦下にあった影響で学校も十分に通えなかったため、これまで回避教育は一度も受けたことがなかったそうです。
今一番懸念していることは、「とにかく、治療費にお金がかかること」。現在収入のないサミルさん一家。子どもたちの教育費に加え、人里離れた村から街の病院に行くための移動費、病院での診察費や治療費は大きな負担となっています。まずは生活再建の手段を確保したいと、今後は現地NGOなどを通して職業訓練やリハビリテーション、小規模融資などのサポートを受けるそうですが、将来に対する大きな不安を募らせていました。

■学校の裏庭で不発弾を踏み、目の前で兄が即死
学校の裏庭で不発弾を踏んでしまったホドルくん(左)。心の傷は癒えず、多くを語ろうとはしません
学校の裏庭で不発弾に触れてしまったホドルくん(左)。心の傷は癒えず、多くを語ろうとはしません

同じく、ハルタ村に住むホドル・シブリくん、13歳。地元の学校に通っています。被害にあう前までは、休み時間や放課後になると、兄弟や近くに住む友だちと一緒にサッカーを楽しんでいました。しかし3ヵ月ほど前、学校の裏庭でいつものようにサッカーをし、ボールを取りに入った草むらに不発弾が潜んでいました。一緒にいたお兄さんは即死。ホドルくんも重症を負いました。

現在、身体は普段通りの生活を送れるまでに回復しましたが、精神的なダメージは未だ強く、私の訪問時にはあまり多くを語ろうとしませんでした。
兄を亡くし、自分自身も大怪我をしたホドルくん。彼が精神的に立ち直るには、まだまだ長い時間が必要でしょう。

レバノン南部に広がるオリーブ畑には、不発弾や地雷の危険が。被害を防ぐには、今後も継続的な回避教育が必要です
レバノン南部に広がるオリーブ畑には、不発弾や地雷の危険が。被害を防ぐには、今後も継続的な回避教育が必要です
■回避教育を繰り返し行うことで、防げる命がある
 被害にあった人たちは、怪我をするのみならず、社会的にも経済的にも苦しい立場に追いやられ、精神的にも追い込まれています。
しかし、もし彼らが身を守るための基礎知識を持ち、適切な行動を取るための教育を受けていたら、被害を防げたかもしれません。
包括的な被害者支援はもちろん必要ですが、今後第2のサミルさんやホドルくんを出さないためにも、不発弾・地雷回避教育を忍耐強く、繰り返し行う必要性を痛感しました。
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