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活動報告
タイトル
手こぎ三輪車で、ラオス障害者の行動範囲が広がっています
報告者
ラオス事務所駐在 岡山 典靖

ラオス事務所駐在 岡山 典靖  2004年6月よりラオス駐在。大学卒業後、青年海外協力隊としてバングラデシュへ。その後水産庁の外郭団体で水産分野でのODA事業を担当。その後農村開発NGOの駐在員としてネパールで5年勤務後、難民を助ける会へ。趣味は魚釣り。
報告年月日
2008年2月
難民を助ける会では、ラオスの首都ビエンチャンの国立リハビリテーションセンター内で、国際協力機構(JICA)と連携し、車イスの製造と配布を行っています。今回は、同工房で作られた手こぎ三輪車(長距離移動用)を受け取った2人の障害者を紹介します。 (ラオスの活動についてはこちらをご覧ください ラオスの地図
詳細
■2年前、突然原因不明の病気で歩行が困難に
長距離用車イス(手こぎ三輪車)に乗るビエンビライさん
長距離用車イス(手こぎ三輪車)に乗るビエンビライさん
これで隣村の職場まで通えます

ビエンビライさん(40歳・男性)は、首都ビエンチャンの市街から車で北へ2時間行ったところにある、ビエンチャン県バンキ村に住んでいます。

彼は長年、隣のタオタン村の小学校で教師として働いてきました。しかし、2年ほど前、突然原因不明の病により足が動かなくなりました。何度か病院へ行きましたが症状は改善されず、仕事も休職せざるをえなくなりました。
毎日隣村まで通勤していたのが、一転して、一日の殆どを家で過ごさなければならなくなったビエンビライさん。以前入手した歩行器を使い、家の周囲なら何とか動くことができますが、長距離の移動となると困難です。

そこで、本人の依頼により難民を助ける会が運営する車イス工房で、手こぎ三輪車を製造。先日、その三輪車を彼のもとに届けに行きました。
「これを使って、先ずは何をしたいですか」と尋ねたところ、 「早く学校に戻ってまた子どもたちに教えたい」。私たちも、この手こぎ三輪車によるビエンビライさんの一日も早い復職を願っています。

■今後は、手こぎ三輪車で子どもたちの待つ小学校へ 

ビエンビライさんは偶然にも、2001年に難民を助ける会が建設したタオタン小学校の先生でした
ビエンビライさんは偶然にも、2001年に難民を助ける会が建設したタオタン小学校の先生でした
ところで、今回は思いがけない偶然が伴いました。
ビエンビライさんが長年教えているタオタン村の小学校は、難民を助ける会が2001年に建設した小学校だったのです。建設時に入り口をスロープにしたので、車イスでも楽々入ることができます。
現在は、1〜5年生までの約150人の児童が通い、当時の校長先生も変わらずにお元気でした。みんな、ビエンビライさんが戻ってくるのを心待ちにしていることでしょう。
■「これで隣村にも出向き、鍛冶の仕事を請け負えます」
鍛冶屋のギーリーさん。今後は受け取った手こぎ三輪車で他の村へも出向き、仕事を広げたいそうです
鍛冶屋のギーリーさん。受け取った手こぎ三輪車で、今後は他の村へも出向き、仕事を広げたいそうです

ギーリーさん(男性)は、前述のバンキ村から更に北へ1時間以上行ったソムサヌック村の住人で、ハンセン病を患っています。
ハンセン病は、主に末梢神経と皮膚に異常が起こることにより、知覚障害、運動障害、自律神経障害などの症状を引き起こします。そのため、足なども麻痺し、筋肉が正常に動かなくなったりします。
このソムサヌック村は、別名「ハンセン病の村」とも呼ばれ、1970年頃にカトリック教会の神父が、ラオス全土のハンセン病患者をこの村へ集めたことが始まりとされています。1,200人ほどが暮らし、現在も、らい菌保有者が約150名住んでいます。そして村の入り口にはハンセン病治療のためのクリニックがあります。

この村には小高い丘が幾つもあり、家々は丘の上や斜面に建てられています。日頃、坂道をゆっくりと上り下りはできるギーリーさんですが、長距離の移動には、やはり弱った足では困難が伴います。

ギーリーさんは鍛冶屋です。鍛冶の仕事以外にも、竹を加工した屋根の材料も作ります。今後は、手こぎ三輪車を使って他の村々へも出掛け仕事を広げていきたいと、希望を語ってくれました。ギーリーさんの行動範囲が着実に広がることを期待しながら、村をあとにしました。

難民を助ける会が運営する、ラオス国内で唯一の車イス工房。月間約30台の生産量では、約5万人と言われる車イスの需要にはなかなか追いつくことはできません。また、個々の障害に合った車イスの製造には、まだ多くの課題があります。それでも、こうして車イスを受け取った人々が、それにより行動範囲が広がり、就労、就学、社会活動への参加ができる。そのお手伝いができることは、大きな喜びです。
これからも難民を助ける会は、1人ひとりの需要に応える車イスづくりを目指します。

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