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活動報告
タイトル
地雷の被害者を絶対なくそう!
アフガニスタンの公立学校で地雷回避教育が本格始動
報告者
アフガニスタン カブール事務所駐在 宮崎 巧治

カブール事務所駐在 宮崎 巧治 福岡県出身。2003年9月よりアフガニスタンのカブール事務所駐在。大学卒業後、通信社の記者として3年勤務。その後世界各地を旅した後、難民を助ける会へ。
報告年月日
2008年3月
難民を助ける会では、アフガニスタンの首都カブール周辺にて地雷回避教育(地雷原に暮らす人たちが地雷の被害に遭わないための教育)を行っています。今回、難民を助ける会が作成した教材が、アフガニスタン教育省の正式教材に認定され、全国配布されます。2007年、アフガニスタンでは国として初めて、公立学校で本格的な地雷回避教育を国連と共同で行うことになりました。この教材ができるまでを宮崎巧治駐在員に聞きました。(アフガニスタンの活動についてはこちらをご覧ください)。 アフガニスタンの地図
詳細

みんなの興味を引くよう、構図やデザインにも工夫を凝らしました
みんなの興味を引くよう、構図やデザインにも工夫を凝らしました

■一枚の写真にメッセージを込めて

この教材の目的は、地雷の恐しさを知り、地雷の被害に遭わない方法を学ぶことです。そして地雷被害者も含め、障害者に対する意識を変えていくことを目指しています。

写真10枚が1セットになったパネル教材で、例えば、左の写真には2つのメッセージが込められています。ひとつは「地雷に近づかない」、もうひとつは「地雷に近づく人がいたら止める」です。この2つが地雷回避教育の基本となる重要なメッセージ。サッカーで遊んでいる場面や、土地の人がよく行っているクズ拾いの場面など、日常の様々な状況を想定してこのメッセージをわかりやすく伝えています。


カブール事務所現地スタッフと撮影(前列中央が宮崎駐在員)
カブール事務所現地スタッフと撮影(前列中央が宮崎駐在員)。チームワークは必須です
■チームワークで乗り切った2ヵ月間

事務所の現地スタッフ2人と私とでチームを組んで、企画を考えました。どんな写真がいいか、どんな言葉を使うか、皆で徹底的に議論します。

写真の半数以上は現地スタッフが撮影しました。モデルは、スタッフの友人などに頼みました。人がケガをしている写真は、ケチャップを使って血のように見せています。それらの写真を使って、私が事務所のパソコンでデザインをしました。地雷の話なんて、決して楽しいはずはありません。だからこそ、カラフルできれいなデザインにして、みんなの興味を引くように工夫しました。
 
試作版を作ったら、首都カブールや周辺の村の学校に出かけ、子どもたちにメッセージがきちんと伝わるかを調査します。全部で100人くらいに聞きました。次に「教材審査委員会」の審査を受けます。委員会のメンバーは教育省と国連、関連するNGOなどで構成されていて、全員アフガニスタン人です。そこで出たたくさんの意見をもとに、写真を撮り直したりデザインを変えたりしました。さらに国連とも何度も話し合いを重ね、ようやく完成。最終的には教育省から正式な教材として承認されました。

作成期間として与えられたのは、たった2ヵ月。これまでの経験とチームワークがあったからこそ、やり遂げられたと思います。
宮崎駐在員が撮影した女の子の写真。アフガニスタンの正式教材にこのような写真が載るようにこれからも交渉を続けます
地雷教育は男女の区別なく必要です。アフガニスタンの正式教材にも女性の写真が載る日が来るよう、これからも交渉を続けます
手にもっているのは、難民を助ける会が国連と共同開発した、地雷回避教育用小冊子(ラディパ=Footstep)の第一号です

女の子の写真は厳禁!

一番残念だったのは、女の子の写真を一切使えなかったことです。私は、女性の障害者も当然いるし、地雷の被害に遭う可能性もあるのだから、女性の写真も使うべきだと思っています。ところが、どんなに説得しても教材審査委員会から許可は出ませんでした。タリバンの時代に宗教的な理由もあって禁じられていて、一時は容認されるようになったのが、最近また厳しくなったようです。今回はあきらめざるを得ませんでしたが、これからも話し合いを続けていくつもりです。

これだけ短期間に教材を完成させるのは、私にとっても現地スタッフにとっても大変なことでした。しかし自分たちが力を注いで作ったこの教材が教育省や国連から正式教材として認められたことは、私たちにとって大きな自信と励みになっています。

教材は2万セット印刷され、まず危険地帯にある公立学校を優先して、これまで約9,000の学校に配布されました。今後、この教材を使った授業の様子などもご報告します。
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