駐在員・事務局員日記

ぼくがスーダン南部で出会ったトポサの人々

2010年12月28日  南スーダン
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執筆者

スーダン・カポエタ事務所駐在
豊井 彰一

2010年6月よりスーダン・カポエタ事務所駐在。大学卒業後、民間企業に勤務。その後、青年海外協力隊員としてウガンダでの村落開発に携わり、帰国後難民を助ける会へ。(兵庫県出身)

記事掲載時のプロフィールです

アフリカで最も国土が広いスーダンでは、数多くの民族が暮らしています。難民を助ける会が活動するスーダンの南部だけでも、67の民族がいるというデータもあります。今回はそのひとつ、トポサの人々をご紹介します。

トポサは「乾燥した牛の肉」?

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「トポサの人々から多くを学んでいます」(左が豊井彰一)

「トポサ」の名前の由来は、彼らの暮らしに深く根ざしています。トポサの人々にとっては、昔からお金よりも何よりも牛が最も大切なものとして扱われてきました。男性は、貨幣が町で流通するようになった今でも、結婚するときには妻となる女性の両親へ、自分の牛を何十頭も捧げることで、自分の誠意を示します。
また、彼らは古くから生活に必要不可欠な牛の肉を、長期間大切に保存できるよう乾燥させて利用してきました。その乾燥した牛の肉を意味する「アトサ」が転じて「トポサ」となり、民族名になったと言われています。

体に刻むファッション

顔に模様を刻んだトポサの女性たち

頬にひっかき傷のような模様をつけるトポサの女性たち(クリックすると拡大します)

トポサの人たちは、性別を問わず10歳を過ぎると自分の肌に模様を彫ります。といっても、模様を彫るか彫らないかは本人の自由。強制ではないようです。
模様はさまざま。民族固有の模様もあれば、民族を問わず使えるものもあります。彫る部位は、頬やおでこ、腕や背中など。男性には腕に銃の模様を彫るのが好まれます。ちなみに難民を助ける会カポエタ事務所で働くトポサの女性職員の頬には、ひっかき傷のような模様があります。彼女が子どものころ、近所の友達に彫ってもらったそうです。
かつては、民族間の争いにより家族が離散した際、顔の模様で我が子を識別できるようにという意味合いもあったようですが、今では、おしゃれに近い感覚のようです。

マサイと同じくらい飛びます!?

伝統的な踊りを披露するトポサ族の男性たち

トポサの男性たちによる迫力あふれる踊り(クリックすると拡大します)

東アフリカのケニア、タンザニアで生活する「マサイ」の名は、皆さんも一度は耳にしたことがあるかもしれません。トポサの人々も、マサイの人々と同じく牛を家畜とする遊牧民です。そして、よく飛び跳ねることでも知られるマサイと同様、トポサの人々もよく跳ね、よく踊ります。
踊りはお祝いごとがあるときに披露され、大地を力強く踏みならす音、勢いよく飛び跳ねる姿は、見る者を圧倒します。先日も、難民を助ける会が建設した給水施設の完成式典で、祝福の気持ちを、素晴らしい踊りで表現してくれました。

町で様々なものが手に入るようになった現代では、彼らの衣装も少しずつ変化しました。以前は身につけていなかったブラジャーをつけたり、顔にはサングラス、そして口には笛をくわえながら踊るようになりました。

そして、トポサの人々がお祝いをする際に欠かせないのが牛の生贄です。生贄と聞くと、怖いイメージがありますが、この地では魔除けの意味があり、牛を神に捧げ、その上をまたぐことで、邪気が払われると言われています。

牛を大切にする暮らし。そして、躍動感あふれるダンス。彼らを知れば知るほど、その魅力に引き込まれます。そんなトポサも、スーダンに暮らす多くの民族のうちの、ほんのひとつに過ぎません。スーダンは広い。そして奥深い。あらためてそう感じるこの頃です。

伝統的な踊りを披露するトポサ族の女性たち

サングラスに下着姿で踊るのが現代風?トポサの女性たちによる踊り(クリックすると拡大します)

生贄とする牛を殺すトポサ族の人々

生贄として神に捧げた牛の上を飛び越えると邪気が払われると言われています

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