駐在員・事務局員日記

パキスタンの国民的スポーツ、クリケット

2012年06月01日  パキスタン
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執筆者

パキスタン事務所
澤井 信明

2011年よりパキスタン事務所駐在。海外営業などを中心に20年間民間企業で勤務したあと、子どものころから関心のあった国際協力に携わりたいと難民を助ける会へ。

記事掲載時のプロフィールです

今年2012年は日本とパキスタンの国交樹立60周年にあたります。パキスタンがイギリス領インドから独立したのは1947年ですから、その5年後に日本との国交がスタートしたことになります。そのパキスタンに駐在する澤井信明が、大人気のスポーツ「クリケット」についてお伝えします。

春のイスラマバードで流行るもの

私がパキスタンに赴任したのは昨年の12月下旬。約11時間のフライトを終え首都イスラマバードの空港に降り立った際、凍りつくような寒さだったことを良く覚えています。季節は巡り、最近はすっかり暖かくなりました。青い空から注がれる陽射しはまぶしく、事務所の周りの木々は我先にと生い茂り、毎朝鳥たちのにぎやかな話し声で目を覚まします。

暖かくなったイスラマバードでよく見かけるのが、「クリケット」に興じる人々です。ちょっとした空地、車のあまり通らない路上、市場の駐車場、公園などに、4、5人の人が集まるとそこでクリケットが始まります。クリケットはパキスタンの国技でもあり、日本のアニメ「巨人の星」がクリケット少年を主人公にしてリメイクされる話が進んでいるほど、大人気のスポーツなのです。

町中でクリケットに興じる子どもたち

街角で「草クリケット」を楽しむ子どもたち。今の季節、この光景をよく見かけます(2012年4月、イスラマバード)

「クリケット」のルールをご存知ですか?

道路わきでクリケットを楽しむ子どもたち

道路沿いのこんなところでも草クリケット(2012年4月、イスラマバード)

このクリケット、名前は聞いたことがある、あるいは海外旅行中にテレビで見た、でも詳しくは知らない、という方が多いのではないでしょうか。もともとはイギリスで生まれたスポーツで、パキスタン以外にも、インド、オーストラリア、南アフリカなどで今も盛んです。紳士淑女のスポーツとされており、4年に1度ワールドカップも開かれています。パキスタンは1992年のワールドカップで優勝、1999年にも準優勝しています。

パキスタンで暮らすからには、このクリケットについて知らないわけにはいかないと思い立ち、色々な人にルールを教えてもらいました。大枠は野球に似ているのですが、違うところもずいぶんあります。簡単にルールをご説明してみます。

基本のルール

広場での本格的なクリケットの様子

運動場での本格的な試合のようす。フィールドは直径100m以上あるだ円形です

野球でいう投手をボウラー、打者/走者をバッツマンと呼びます。バッツマンはフィールドに2人いて、一人は打者(ストライカー)、一人は走者(ノンストライカー)です。ボウラーの投げた球を打者が打ち、ボールが外野から返ってくるまでの間に2人のバッツマンが入れ換わるように走ると1点入ります。

打者がアウトになるのは、1)空振りして、ウィケットと呼ばれる3本の柱にボールが当たったとき、2)フライが捕球されたとき、3)走っている間にボールが戻ってきてウィケットが倒されたとき、などなどです。投手チームはボールでウィケットを倒すことを目指し、打者はバットでそれを防いでいるわけです。1チームは11人で、全員がアウトになるとようやく攻守交代です。

不思議なフォームで投球するボウラー

クリケットの投手

投球するボウラー。肘を曲げてはいけないルールなので、独特の投球フォームになります

ボウラー(投手)は肘を曲げてはいけないことになっているので、助走を付けスナップを利かせて投球します。速球派のボウラーには時速150キロの球を投げる人も! テレビ中継ではスピードも表示されるので要注目です。球はバッツマンの手前でワンバウンドさせるのが普通で、ボールにバットを当てるだけでも大変そうです。

アウトになるまで何点でも取れる

三本の細い棒が立てられたウィケット

これがウィケット。投手側はこれにボールを当てることを目指し、打者はそれをバットで防ぎながら走って得点を狙います

外野で打球を待ち構える野手たちはグローブをしておらず、素手で捕球しています。ボールは野球の硬球と同じくらいの固さなので、とても痛そうです。また野球と違ってファールがなく、360度どこへ打っても良いのです。打球がフィールドの柵を越えると、「ホームラン」となって走らなくても得点が入るのですが、何と1ホームランで6点も入ります。ホームランを打った後も、打者は交代せずに引き続き打席に立ちます。これまでの記録では1人で何と400点を稼いだ選手がいるそうで、一体何本ホームランを打ったのでしょう。

目指せクリケットデビュー!

クリケットのバットを構える澤井信明

フォームだけは一人前?

今回クリケットのことを知るために、現地スタッフ、屋台で食事をしているパキスタン人カップル、ドライバーやその友人たち、そして小学生と、たくさんの人たちに質問したのですが、皆さん、まるで国を背負っているかのようにとても真剣に教えてくれ、またとにかく嬉しそうに話をしてくれたのが印象的でした。クリケットのルールを知って少しパキスタン人に近づいた私、近々公園でクリケットデビューをもくろんでいます。

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