駐在員・事務局員日記

多民族国家ミャンマー(ビルマ)でカレン州のお祭りに行ってきました

2013年12月19日  ミャンマー
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執筆者

ミャンマー・パアン事務所
角田 由美子(かくだ ゆみこ)

国内のベンチャー企業やカンボジアでの銀行勤務を経て、2013年8月よりAARミャンマー・パアン事務所駐在。視覚障がい者のガイドやグループホームでの作業補助など多数のボランティアを経験。趣味は旅行。兵庫県出身

記事掲載時のプロフィールです

ミャンマー(ビルマ)には、大きく分けて8つ民族が存在し、それぞれが独自の文化を持っています。AARパアン事務所があるミャンマー南東部のカレン州には、カレンと呼ばれる民族が住んでいます。そのカレンも、スゴー、ボー、ブエなどいくつもの人々に分かれています。
毎年11月7日から10日はカレン州のお祭りが行われます。今年で58回目を迎える同州最大のイベントで、パアンの街が一年で一番賑やかになります。その様子を、駐在員の角田由美子がお伝えします。

一年で一番盛り上がるお祭りです

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「カレン州の日」に先立ち、張り子の人形が大通りを練り歩きました(2013年11月1日)

私が駐在するカレン州の州都パアンは、昭和の日本の雰囲気が漂う素敵な街です。大通り以外は車はほとんど通りませんし、大型スーパーはなく、みんな市場で買い物をします。人々は親切かつ勤勉で、地域のつながりが強く、ご近所同士が助け合って暮らしています。飼い主のわからない犬や猫が多いのですが、人間と同様、穏やかでのんびり暮らしています。

そんなカレン州が一年で一番盛り上がる4日間が、「カレン州の日」と呼ばれるお祭りです。ダンスや音楽が披露されるほか、カレンに属するさまざまな人々の文化が紹介されます。開会式では、各学校の成績優秀者や、大きな大会でメダルをとったスポーツ選手たちが次々に表彰されます。国歌が流れるとき、軍の関係者は敬礼し、一般市民はお辞儀をするのがミャンマー式のようです。

開会式終了後、イベント会場前の通りにウ・ゾウ・ミン カレン州首相をはじめ州大臣が登場し、風船が真っ青な空に放たれると、「カレン州の日」の幕開けです。

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カレンに属する人々が、それぞれの衣装を着て開会式に臨みます(2013年11月7日)

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イベント会場前の通りは大賑わい。青い上着を着たカレン州の首相をはじめ、大臣たちも登場しました(2013年11月7日)

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イベント開始の合図とともに、カラフルな風船が空高く舞い上がりました(2013年11月7日)

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「第58回カレン州の日」と書かれた、イベント会場の門の前で記念撮影をするダンスグループの皆さん(2013年11月7日)

各部族の伝統文化を満喫できます

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カレン州の伝統的なはた織り機。人種によって異なる模様を織り込んでいきます

イベント会場の門を入ると左右にカレン州の伝統文化を紹介するブースが並んでいます。カレン州で使われるはた織り機や、カレンの中でも人種によって少しずつ違う書き方をするカレン文字(ビルマ文字とは異なります)、これまた人種によって違う婚礼衣装などが紹介されていました。海外からの観光客も、興味深そうに見入っていました。

日が暮れると街のメインストリートでトゥンベイン(オートバイの後部に客席がついた三輪タクシー)の運転手が「パエ・ゴー、パエ・ゴー!」と叫びます。これは、「お祭り行き」という意味で、「イベント会場への直通タクシーが出るよー」といったところ。AARパアン事務所から乗り合いトゥンベインで20分ほどの会場まで、ひとり250チャット(約25円)でした。

沿道の両側にはびっしりと屋台が出現。軽食に果物、布地に食器や家電、カバンや雑貨など、ありとあらゆるお店が並び、大変な人出です。

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カレンの中でも人種によって少しずつ違う書き方をするカレン文字

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カレンが着る婚礼衣装も、人種によって微妙に模様が異なります(左から、ツークリッパオ・カレン、タリープア・カレン、カレンピューの人々の婚礼衣装)

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イベント会場へは、トゥンベイン(オートバイの後部に客席がついた三輪タクシー)を使って

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沿道の両側には果物屋や屋台などがずらりと並びます

人気バンドの登場や、外国人観光客の姿も

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ミャンマーの人気バンド「アイロン・クロス」が登場。若者たちが大喜びでした

この夜最大のイベントは、ミャンマーでトップの人気を誇るバンド「アイロン・クロス」のチャリティ・コンサートです。カレン州のシンボルであるズウェガ ビン山の麓から頂上にある僧院まで、ミャンマー初のケーブルカーを通す計画があり、その寄付金分がチケットに含まれています。チケットが高額なため、若者たちはほとんどが一番安い(10,000チャット=約1,000円)立ち見席で音楽を堪能していました。もちろん私も立ち見です。

この4日間のイベント中は、毎晩カレンの各人種による舞踊の競技会が行われます。入場料は500チャット(約50円)です が、2日目に私たちが行ったときにはもう席がなく、ここでも立ち見。一般市民にはこちらの方が関心が高いようです。ほかに、ミャンマーでの人気スポーツであるボクシングの試合も行われる日もあります。

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夜はカレン州の各人種による舞踏競技会が行われています(2013年11月8日)

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舞踏競技会。こちらは女性チームによる、息の合ったしなやかな動きのダンスでした(2013年11月8日)

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カレン州のシンボル・ズウェガビン山を背に、カレンの各衣装を着てパアン事務所スタッフ全員でパチリ!(後列右から3人目が駐在員の角田由美子。左端は同・中川善雄)

普段は若者でも男女ともにほとんどの人が「ロンジー」とい う巻きスカートをはいていますが、このイベント会場ではジーンズやパンツ姿でした。アイロン・クロスのような人気バンドのコンサートが今年は初めて開催されたり、外国人の観光客が目につくなど、昨年とはだいぶ違う雰囲気だったようです。独自の文化を保つパアン州も、経済の成長とともに、これから猛スピードで変わっていくのではと実感した「カレン州の日」でした。

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