駐在員・事務局員日記

理事長ブログ第3回 「東日本大震災から4年~相馬で思うこと」

2015年03月10日  日本理事長ブログ
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執筆者

AAR理事長 長 有紀枝(おさ ゆきえ)

2008年7月よりAAR理事長。2009年4月より立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授。2010年4月より立教大学社会学部教授。

記事掲載時のプロフィールです

AAR理事長、長有紀枝のブログです。

東日本大震災から4年となりました。改めましてお亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、大切な方々を亡くし、また被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。

AAR Japan[難民を助ける会]では3月15、16日の両日、福島県相馬市において、防災イベントを開催します。

2日目16日は、相馬市と共催で行う、防災シンポジウムです。私が司会・コーディネーターを務めさせていただきますが、また、康京和(カン・キョンファ) 国連事務次長補(人道問題担当)兼 緊急援助副調整官がご来賓としてご登壇・お話くださいますが、それ以外の登壇者はすべて相馬や南相馬の方々、あるいは相馬で医療活動に従事する地元の方々です。AARの活動報告は毎年東京で行ってきましたが、今回は、仙台で開催される国連防災世界会議に併せ、福島県相馬市で、相馬の方々に、東日本大震災と原発事故からの学びや教訓、防災・復興に向けての取り組みを世界に向けて発信していただこうとする試みで、消防団や旅館組会、障がい者団体、語り部など地域の代表の方々が震災の経験と教訓、防災への取り組みなどを報告されます。同時通訳付きです。

冒頭で基調講演をしていただく、立谷秀清相馬市長とは、2011年の4月に、相馬で初めてお目にかかりました。消防団の法被(はっぴ)を羽織って陣頭指揮を取っておられた姿が今でも目に焼き付いています。相馬では、津波が襲った地域の人口約5千人の内、458名もの方々がお亡くなりになりました。あまりに大きな被害ではありますが、それでも被害を人口の1割の方々にとどめることができたのは、最前線で避難誘導にあたった地元の消防団の方々のご尽力があったからと言われます。しかし、10名の方々が夜になっても戻ってはこられませんでした。立谷市長は、しばらくの間、津波で流された消防団員たちが夢枕に立つ、とおっしゃり、彼らの働きに報いるためにも相馬市の復興をやり遂げるのだと消防団の法被をきておられました。10名のうちのお一人、稲山正弘磯部地区分団長のご子息のことを書いた市長のメルマガ「頑張れ大輝!君の未来に万歳!」を以下で読むことができます。「万歳!」に込められた、ご家族と市長の万感の思いがつづられています。ぜひ、ご覧下さい。

東日本大震災での支援活動を経て、また相馬市の復興顧問会議の委員をさせていただき、学んだことは数知れずあります。しかし言えるのは、私たちがどのような援助をしても、3月11日以前の世界には戻れないということ、被災者の方々が一番望まれるものを、私たちは決して提供することはできないということです。そのことを肝に銘じつつも、しかしだからこそ、予防や防災の取組が絶対的に必要なのだと、今、改めて思います。

東日本大震災の発生以来、4年がたつ今日まで、毎月月末に、東日本大震災の被災者の方々へと多額のご寄付をお送りくださる支援者のご夫婦がおられます。一月も欠かさずに、です。世界的にも高名な方で、たぶん日本でその名を知らない人はおられないのではないでしょうか。震災後、毎月決まった額のご寄付をいただくようになり、知ったのですが、奥様がAARの長年の支援者の方でした。そのご縁で私たちをご信頼くださったようです。このご夫婦をはじめ、毎月ご寄付を預けてくださる方々が全国にいらっしゃることに、本当に大きな責任を感じます。

AARでは、企業様や団体様からのご寄付はすべて実名で公開しておりますが、個人情報の観点から、個人の寄付者の方々のお名前は公表しておりません。従ってお名前も公開することはできないのですが、そういう方々がいる、ということをこの場をお借りしてこのブログをお読みいただく皆様にもご紹介したいと思います。

このご夫妻をはじめ、皆さまからいただいているご寄付を、東日本大震災の被災者の方々への支援とともに、防災の視点からも大切に使わせていただきたいと思います。また、私自身が専門としている「人間の安全保障」の視点からも、被災者の方々の格差が少しでも小さくなるような支援も心掛けてまいりたいと思います。

改めまして、被害にあわれた方々のご冥福をお祈りいたします。(2015年3月10日、3月11日修正)

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