駐在員・事務局員日記

隠れた魅力がいっぱい!ハイチのお勧めポイント

2016年02月12日  ハイチ
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執筆者

ハイチ事務所
嶋脇 武紀

2014年10月にAARに入職、12月よりハイチ駐在員。大学卒業後、国際物流の会社で5年間、緊急航空輸出の仕事に携わる。中国やロシアへの出張を重ねるうち、国際協力に関心を持つ。目的地までの供給ルートの構築、航空会社や現地税関との交渉などの実務経験を支援の現場で活かしたいと、英国の大学院で国際開発学を学び、AARへ。趣味はスノーボード。東京都出身

記事掲載時のプロフィールです

カリブ海に位置するハイチは、AAR Japan[難民を助ける会]が活動している国の中で、日本から一番遠い国です。2010年1月12日にハイチを襲った大地震を受けて、直後から緊急支援を実施してきました。被災した障がい者施設の再建支援などを経て、現在は障がいのある子どもたちの就学を促進する活動を行っています。西半球最貧国と言われるハイチですが、透き通るような美しい海や手付かずの自然、独特な伝統のアートなど、多くの魅力がある国です。日本人に馴染みのないハイチのお勧めスポットを、駐在員の嶋脇武紀がご紹介します。

カリブ海の美しい自然

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タイノビーチの青い海を見ていると、日ごろの疲れが癒されます(2015年10月11日)

タイノビーチは、ハイチの首都ポルトープランス市から車で約2時間の、サトウキビ畑が広がるところにあります。日々の過酷な仕事の疲れを癒しに、たまに訪れるお気に入りの場所です。こぢんまりとした遠浅の海岸には、小さなレストランが一軒だけあり、庶民的なハイチ料理をはじめ、宗主国であったフランスを思わせる料理などが堪能できます。タイミングが良ければ、漁師さんから獲れたての特大ロブスターを買い、その場で料理してもらうこともできます。ダイビングやウィンドサーフィンなどのマリンスポーツもできるようですが、私は、ワールドビアカップで2回金賞に輝いたハイチ唯一の国産ビールであるプレスティージを飲みながら、読書をしたり、音楽を聞くのが好きです。タイノビーチはハイチの中でも比較的治安のいい地域にあり、のんびりと過ごすことができます。

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タイノビーチの漁師さん。彼が手に持っている立派なロブスターを買いました(2015年10月11日)

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買ったばかりの新鮮なロブスターは、レストランでガーリックソテーにしてもらいました(2015年10月11日)

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ムラサキエノコロで一面赤く染まった風景(2014年12月7日)

また、ハイチ南東部の緑豊かなケンスコフ地方にはトレッキングコースがあり、現地語で「山の多い地」を意味するハイチの国名どおり、どこまでも続く山々の雄大な景色が楽しめます。このエリアも比較的治安がよく、空気がきれいなので、徒歩での外出が安全上制限されるハイチで、私にとって気分転換できる数少ない場所になっています。1月にはムラサキエノコロという野草が色づき、とても幻想的な景色になります。

ハイチの伝統・ドラムアート

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ハイチ事務所入口に飾っている伝統的な絵画とドラムアート。夜に見ると少し不気味です。左は筆者(2016年1月22日)

自然だけではなく、ハイチの芸術もお気に入りです。 カリブ諸国特有の鮮やかな色を使った絵画や金細工はどれも非常に個性的で、2つと同じものはありません。ドラム缶の蓋や側面などを切り取って作るドラムアートはハイチを代表する芸術作品の一つです。ハイチ事務所の入口には絵画とドラムアートを飾っています。

そんなハイチは今、5年に一度の大統領選挙の決選投票が延期になり、デモが起きるなど不穏な空気が漂い、政情の安定しない日々が続いています。選挙の結果によって、少しでもハイチの人々の生活や社会が良くなって欲しいと思います。その一方で、綺麗な海や手付かずの自然、のんびりした気のよいハイチ人気質は、いつまでも変わらずにいてほしいと切に願います。

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