駐在員・事務局員日記

ラオス:非日常に見出した、大切なもの

2020年12月24日  ラオス事務局員日記
RSS
執筆者

ラオス・ビエンチャン事務所
久保田 和美

2014年9月より現職。在カンボジア日本大使館勤務を経て、AARでミャンマー・サイクロン被災者支援などに携わり、政府系開発援助機関勤務の後、再びAARへ。千葉県出身

記事掲載時のプロフィールです

雨季が明け、ラオスではつかの間の乾季を迎えた12月初旬、首都ビエンチャン市内は建国記念日や国際障がい者デーのイベントで賑わいをみせていました。少し前まではマスクを着けていないと入場制限を受けたショッピングセンターも、一部では解除され始めました。一方で、国境封鎖は続き、周辺国との往来が日常に溶け込んでいたラオスにおいてこれまで通りの生活はかないません。今の生活をよりよく過ごすための、3つのポイントを紹介します。

日常生活が一変

3月中旬、周辺国で次々と新型コロナウイルスの感染が拡大したことを受け、ラオスも国境を封鎖。3月末に初の国内感染者が確認されると、瞬く間に全国に厳しい外出禁止令が発令されました。県境だけでなく郡をまたいだ移動を規制するチェックポイントが各地に設けれ、地方では村を出ることさえ許されなかったそうです。その対策が功を奏してか、国境を接する5ヵ国の中国、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマーと比べて感染者数は非常に少なく、現在も続く厳しい出入国制限による水際対策により、国内での感染拡大は食い止められています。 しかし、日用品、救急医療サービス、仕事にいたっても、ラオス人の多くが周辺国をより所にしています。国境封鎖は、日常生活を脅かす事態なのです。

噴水や厳かな建造物のある広場"

12月2日はラオスの建国記念日で、国民の休日

仮設ステージやテントが連なっている 数十名の人々がマスクを着けて集まっている

12月3日の国際障がい者デーのイベント。多くの人が集まり、賑わいをみせている

見ていて幸せになる空間、それから...

私たち駐在員の生活も大きく変わりました。救急医療サービスに容易にはアクセスできないため、普段以上に気を引き締めて体調管理に努めています。先の見通しがつかない状況が続くなかで、どのようにリフレッシュしたり休暇を取るかも頭を悩ませます。こうした中でいきついた、3つのストレス解消法があります。

植物の葉っぱや花をテーブルに置いてる 右側の壁に、絵葉書が貼られている

厳しい外出制限下、自分の部屋に作ったお気に入りのスペース。道端で拾った花を用いた一輪挿しや植物を置いたり、壁には美術館で買った絵ハガキを貼っている

1つは、自分の部屋に、好きなものを集めたスペースを作ること。ラオスで厳しい移動制限が敷かれていた約6週間の期間、隣接する事務所のほかは外出できませんでした。そこで、1日の多くを過ごす部屋の一角に「見ていて幸せになる空間」を作りました。道端で拾った花を用いた一輪挿し。旅行や美術館で買った絵はがき。これらを机に置いたり壁に貼っただけですが、好きなものがよく目にする場所にあるだけで、同じ空間で長時間過ごすことが苦ではなくなったように感じます。

赤、黄色と色鮮やかなピクルス

自宅で手作りしたピクルス

2つめは、健康的な食事の作り置きです。いつまた外出禁止令が敷かれても困らないよう、買い出しの回数を少なく抑えながら、免疫力を高める保存食を自宅で作る練習を重ねています。例えば、疲労回復に効きそうなキムチやピクルス。食べることで免疫が高まると考えるだけで、元気が湧いてくるような気がします。

それから最後に、この現状を受け入れてポジティブな面をみるようにすること。多くの外国人観光客によって経済的に支えられていたビエンチャン市内も、今では市民だけの活動で少しずつ活気を取り戻しています。「この状況でできることをやっていくしかない」というラオス人の強さが見えるような気がします。そうしたなか、私もラオス国内で作られているものを手に取ってみるようになりました。メイド・イン・ラオスのオーガニック食材、天然素材が原料の石けんや洗剤、森の恵みをふんだんに使うラオス料理にも挑戦しています。

楽しそうに笑顔で料理をしている久保田

ラオス料理の教室に参加する久保田。自宅で過ごす時間が多い今、さまざまなラオス料理に挑戦中

当たり前にしていたことができないのはもどかしく、ストレスの一因になりますが、意識的に見方を変えてみることで、得られるものがあると感じています。外に出られない時間は、好きな空間で好きなことをじっくり取り組むことができます。体調管理の強化が求められるこの時期は、普段後回しにしがちな自分の体調と向き合う時間をたっぷり取るようになります。コロナ禍は、当たり前の生活がいかに素晴らしいものだったかを教えてくれると同時に、自分にとって大切なものを浮き彫りにしてくれたような気がします。

< 駐在員・事務局員日記トップに戻る

ページの先頭へ
難民を助ける会
特定非営利活動法人
難民を助ける会(AAR Japan)
〒141-0021
東京都品川区上大崎2-12-2
ミズホビル7階
フリーダイヤル0120-786-746
Tel:03-5423-4511
Fax:03-5423-4450
月~土、10時~18時(日祝休み)