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東日本大震災(41):避難所に行けない障害者の方々とその家族たち

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難民を助ける会では、東日本大震災で甚大な被害を受けた被災地の一つ、宮城県石巻市でも活動しています。以下は、緊急支援チームの安田あゆみからの報告です。

以前、物資配付で訪問した石巻市の斎藤みやこさんから、「近所の避難所に障害のあるお子さんを持つ3組の家族が避難していて、物資が足りなくて困っている」と電話がありました。そこで、翌日の4月22日、食料や日用品などをもって、彼らが身を寄せている知的障害者更生施設「ひたかみ園」の敷地内にある一軒家を訪れました。3家族とも自宅が全壊し、被災直後は避難所に身を寄せていたものの、お子さんに重度の知的障害があるため共同生活が難しく、社会福祉法人石巻祥心会の紹介でここに移り住んできたそうです。身を寄せ合い、ひっそりと暮らしていました。

避難所にも行けず、買い物もままならず…

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爪切りや耳かきをお渡しすると、「こういう日用品が実はなかったんです」と齋藤祐子さん(中央)。息子の和也さん(右)はダウン症です(左は緊急支援チームの安田あゆみ、2011年4月22日、宮城県石巻市)

齋藤さん宅は、母親の祐子さん(58歳)、息子で重度の障害がある和也さん(21歳)、和也さんのお兄さんの3人暮らし。被災直後は、避難所となった高校で生活していました。ここに移り住んだ当初はストレスからか何もしゃべらなかった和也さんでしたが、最近やっと言葉を口にするようになったそうです。お母さまと話をしていると、和也さんが隣で、「おうち、バイバイ」と、家がなくなってしまったことを一生懸命伝えようとしてくれました。
祐子さんは和也さんの面倒をつきっきりで見なくてはならず、なかなか外出できません。食品の他に、頼まれた爪切りや耳かきをお渡ししたところ、「緊急に必要な物は支援物資として届くのですが、地震前の生活では家庭に当たり前のようにあった細々としたものが、実はないんです。そういうものがないと、いずくてねぇ(すっきりしない、落ち着かないといった様子を表す仙台弁)」と、うれしそうな表情を見せてくださいました。

「大声を出す娘の口をガムテープでふさごうと思った」

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「ここにもいつまでいられるかわからない」と不安そうな新田さん(右)。娘のちひろさん(右から2人目)は重度の知的障害があります(2011年4月22日、宮城県石巻市)

新田初枝さん(69歳)は重度の知的障害がある娘のちひろさん(39歳)と2人、齋藤さんと同じ一軒家に身を寄せています。避難所で布団と毛布はもらったけれどシーツとカバーがないとのことなので、お届けしました。震災直後に身を寄せていた避難所は、ちひろさんが夜ごと大きな声をあげるために出ていかざるをえませんでした。「娘の口をガムテープでふさごうかとも思いました」という新田さんの言葉に、計り知れないご苦労を感じました。
新田さんご自身も病み上がりで、お子さんの世話をしながらの避難生活はとても大変だと言います。「障害を持つ者がいる家族は、そうでない家族の何十倍も大変です。大勢の人がいる避難所では暮らせず、といってほかに行く場所もありません。この家にもいつまでいられるかわからないし、毎日ハラハラしています」。そうおっしゃる姿に、返す言葉が見つかりませんでした。

外出できない方たちのもとへ、迅速に物資を届けたい

私はこの1ヵ月近くいろいろな避難所を回っていますが、公共の大きな避難所では障害のある方を見かけません。避難所から結果的に追い出されたり、半壊の自宅に戻ったり、肩身の狭い思いをして親せき宅などに身を寄せるしかない状況です。家族はお子さんから目を離せず、支援物資を受け取りに行ったり買い物に出かけたりすることもままなりません。
こうした方々へこそ、難民を助ける会がしっかり支援を届けていくことが必要だと痛感しています。これからも、障害のある方々やそのご家族の声に迅速に応えられるよう、活動を続けてまいります。

※「障害者」の表記については様々なご意見がございますが、難民を助ける会では、現在のところ、「障害者」「障害を持つ」「障害のある」の表記を使用しています。今後も、専門家のご意見や社会情勢を参考にしながら、積極的に見直しを行ってまいります。

※支援活動にあたっては、企業や団体、学校、個人の皆さまよりご寄付や物資のご提供などのご協力をいただいて行っております。すべての方々をご紹介することができませんが、何卒ご容赦ください。皆さまのあたたかいご協力に心より感謝申し上げます。

緊急募金にご協力ください

皆さまのお気持ちを、被災された方々に確実にお届けします。どうぞご協力をお願いいたします。

郵便振替: 00100-9-600 加入者名: 難民を助ける会
*通信欄に「東日本大震災」とご記入ください。*領収証が必要な方はその旨お書きください。

最新情報はTwitter、メールマガジンでもお知らせしています

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

難民を助ける会 緊急支援チーム 安田 あゆみ

大学卒業後、青年海外協力隊員としてネパールに滞在。その後、難民を助ける会へ(宮城県仙台市出身)

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