障がい者支援

AAR Japan[難民を助ける会]では、設立時から、難民の中でも特に困難な状況におかれることが多い、障がいのある人々を支援してきました。
障がいのある人々の経済的・精神的・社会的自立を支援する活動を通じて、障がい者権利条約にある、「障がいがあってもなくても、共に支えあうことのできる」社会の実現を目指しています。

活動内容

教育支援

「インクルーシブ教育」とは、障がいの有無や、人種や言語の違いなどにかかわらず、すべての子どもたちがそれぞれの能力やニーズに合わせて受けられる教育のことをいいます。AARは現在、カンボジア、タジキスタン、ハイチの3ヵ国でこのインクルーシブ教育を推進しています。

障がいがあっても学びやすい環境作り

学校の階段にスロープができ、車いすで通えるようになったサルーン君。友達が車いすを押してくれます(2013年11月カンボジア・カンダール)

AARでは車いすなどを利用する子どもが通いやすいよう、学校の階段にはスロープを設置、トイレも使いやすく作り直しています。また弱視の子には眼鏡を、手が不自由で足を使って文字を書く子には、書き物用のいすなど、ひとりひとりの障がいに応じた補助具を提供しています。

教員研修~さまざまなニーズに応えられる体制作り

知的障がい児支援を実施している現地団体の講師による教員研修。参加者は熱心に講義を聞いています(2016年8月ハイチ・ポルトープランス)

教員が障がいに関する知識や指導方法を知らなければ、障がい児の学力や学ぶ意欲を伸ばすことはできません。AARでは教員や教育関係者を対象とした研修を実施しています。

障がい者に対する差別や偏見をなくす~地域社会全体での取り組み~

支援学級に興味を持った生徒が障がいがある子どもたちの勉強を見てあげたり、支援学級でのイベントを生徒たち自ら計画してくれるようになりました(2015年12月タジキスタン・ドゥシャンベ)

地域や文化によっては、障がいが前世の悪行の結果と見なされたり、「障がい者=できない人」と考えられるなど、差別や偏見が根強く残っています。そのような地域では、本人も親も学校関係者も、障がい児に教育を受けさせても仕方がない、と思ってしまいがちです。AARでは、障がいがあっても工夫次第で一緒に学べること、仕事もできること、その権利があることを、地域のイベントや教員への研修、家庭訪問などで粘り強く伝えています。

就労支援

職業訓練~障がいに合わせてさまざまな工夫が~

はさみの使い方を学ぶ受講生。卒業生が講師も務めることで、受講生が自分の未来像をイメージでき、希望を抱くことにもつながります(2013年9月ミャンマー・ヤンゴン)

AARがミャンマーで運営している障がい者のための職業訓練校では、洋裁、理容・美容、コンピューターの技術指導をしています。障がいのある人も作業がしやすいこと、ミャンマーではオーダーメイドの服が一般的であることなど、地域性や障がいの特性を考慮してコースを作りました。これまで多くの卒業生が就職や起業を達成しています。

研修を通して所得が得られる活動を支援

障がい者が仕事を見つけることが難しい村でもコオロギの養殖なら自宅で自分たちでできる、と自立への一歩を踏み出したメンバーの家族とAARの大城洋作(左)(2016年5月24日)

ラオスでは、障がい者が自分たちのグループを作り、収入が得られる小規模な活動ができるよう、きのこ栽培やナマズ、コオロギの養殖事業を行っています。少ない投資で始められ、それほど重労働を必要としないため、障がい者も無理なく取り組むことができます。

生活支援

一人ひとりに合った支援を

無理のない姿勢で、しっかり座れるようになったリン・レイ・ヘ・マン・コーちゃん(左)は勉強に取り組みやすくなり、椅子をとても気に入っています。(2013年3月ミャンマー・ヤンゴン)

ミャンマーでは、家庭の経済的状況や障がいの程度によって学校や地域のリハビリテーション施設に通うことができない子どもたちに対して家庭訪問を行い、一人ひとりの障がいの状態、生活環境を調査して適切な支援方法が何かを考えて支援をしました。
脳性まひのため右半身に障がいがあるリン・レイ・ヘ・マン・コーちゃん(11歳)には、調査の結果、体の変形が進まないよう身体に合った補助椅子が役立つとわかり、地元の大工の協力を得て作製し、提供しました。

緊急支援

障がい者が支援から取り残されないために

「両手で地面を這ってしか移動できなかったけれど、車いすがあれば悪路でも外出できる」とマ・チン・サンさん(2015年10月、ミャンマー・ヤンゴン)

ミャンマーでは2015年7月以降降り続いた大雨で洪水が発生し、少なくとも117人が死亡、約38万世帯が避難を余儀なくされ、被災者は163万人に達する大きな被害を生みました(ミャンマー社会福祉救済復興省)。 AARでは、現地団体の「MILI」と協力し、ヤンゴン地域やラカイン州など10ヵ所で、障がい者のいる計1,200世帯に対し、飲料水や食料、緊急に必要な生活物資、松葉づえなどの補助具を配付しました。MILIは障がいのある人たちの自助団体で、障がい者のニーズを的確に把握することができました。

紛争から逃れてきた人へ

「家族に抱っこされて外に出るのが恥ずかしくて家の中にいた」というユセフ君(13才)は車いすを受け取って自分で動けるようになり喜びいっぱい(2013年3月トルコ・ハタイ)

2011年より長期化している内戦で、シリアから近隣国へ避難した障がい者の中には、必要な補助具を持ち運べなかった人もいます。慌てて避難した方々が、慣れない土地で生活ができるよう、AARではその人に合った補助具を調べて、車いすや松葉杖を支援しました。

国内外の会議への参加

CBR会議ではカンボジアでの事業について駐在員の向井郷美が発表しました(2016年9月29日)

AARは、地域レベルで開催される障がい者の権利や自立を促進するための国際会議等に参加し、現場での活動経験の共有や各国政府への政策提言を行っています。2016年9月にはマレーシアで「第2回CBR会議」が開催され、AARのカンボジアでの活動について報告しました。

2016年

2月 カンボジア、タジキスタン、ハイチでのインクルーシブ教育推進事業の報告会「すべての子どもたちのために...インクルーシブ教育・現場からの報告」を開催(ECOM駿河台2階)

4月 鎌倉市葉祥明美術館でカンボジアでのインクルーシブ教育推進事業の報告会「みんなでいっしょに学べるって楽しい-カンボジアの学校現場から」を開催

9月 イオンモール株式会社が全国のイオンモールで「障がい者ものづくり応援写真展」を開催

9月 「第2回CBR世界会議(マレーシア・クアラルンプール)」に東京事務局の大室和也、カンボジア事務所の向井郷美、カンボジア現地職員のラタナ・イェンが参加

2015年

6月 ラオス・ビエンチャンで障がい者スポーツの振興を通じて障がい者の社会参加を促すために車いすバスケットボール普及支援事業を開始(2016年5月終了)

8月 現地協力団体CIL(Independent Living Center for Persons with Disabilities)を通じ、ネパール地震で被災した障がい者への支援を開始

9月 「第三回アジア太平洋CBR会議(CBRアジア太平洋ネットワーク、障害分野NGO連絡会、公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会共催)(京王プラザホテル)」に東京事務局の大室和也とタジキスタンの現地職員ハリモフ・フィルズが参加

2014年

2月 イオン株式会社と一般財団法人イオン1%クラブが、東北の復興・活性化の一環としてグループ60社約8,000の店舗・事業所で「障がい者ものづくり応援募金」を実施

4月 タジキスタンの普通学校の校長、障がい者教育に取り組む民間2団体(ルシュディ・インクルージャ、イローダ)代表ら4名が研修のため来日。上菅田特別支援学校(横浜市)を訪問するなど、特別支援教育の現場で研修を実施

4月 「地雷被害者と障がい者の権利に関する会議」(コロンビア・メデジン)に東北事務所長の加藤亜季子と東京事務局の古川千晶が参加

 

7月 ラオスで新たな障がい者の小規模起業支援を開始。ラオス障がい者協会(LDPA)と連携し、ビエンチャン市、ビエンチャン県、サヤブリ―県の合計300人を対象に、障がい者が自宅でできる、ナマズ養殖、キノコ栽培、裁縫の3事業を支援

 

9月 JICA九州主催「長崎から世界に羽ばたいた若者と話そう!途上国の障がい者とともに。~私にできるコト~」にミャンマー事務所駐在の北朱美が登壇(長崎県出島交流会館)

 

11月 世界盲人連合アジア太平洋ブロック中期総会(中国・香港)に田畑美智子理事、東京事務局の野際紗綾子とラオス駐在員の岡山典靖が出席

 

11月 APDF(アジア太平洋障害フォーラム)(ベトナム・ハノイ)に東京事務局の五十嵐豪とカンボジア駐在員の園田知子が出席

2013年

2月 イオン株式会社と一般財団法人イオン1%クラブが、東北の復興・活性化の一環としてグループ60社約8,000の店舗・事業所で「障がい者ものづくり応援募金」を実施

3月 トルコ・ハタイ県内の障がいのあるシリア難民に車いす、松葉杖などを配付

4月 カンボジアに駐在員事務所を開設(再開)。障がい児のためのインクルーシブ教育事業を開始

11月 「スマイル・プロジェクト」第3弾として、トルコ東部ワン市内のシェーリヴァン特殊教育リハビリセンターに診察用ベッド、歩行器、教材やおもちゃなどを支援

2012年

3月 ラオスの首都ビエンチャンで障がい者の社会参加促進支援事業を開始

6月 トルコ東部ワン市内の聴覚障がい児が通うドゥユシュ教育・リハビリセンターへ教材を配付。以後2013年11月末まで「スマイル・プロジェクト」として実施

10月 APDF会議(アジア太平洋障害フォーラム)(韓国・仁川)に東北事務所長の野際紗綾子、東京事務局の加藤亜季子が参加

11月 「スマイル・プロジェクト」第2弾として、トルコ・ワン市内のタハ教育リハビリセンターの車いすを必要とする23名の子どもたちに車いすを配付。同センターにリハビリ用の機器を届けた

11月 「地域に根差したリハビリテーション(CBR)国際会議」(インド・アグラ)に、東京事務局の北朱美と山本祐一郎、ミャンマーの現地職員へ―・マー・アウンが参加

2011年

10月 タジキスタン南西部のバクシュ郡にある国内で唯一の車いす工房「ディルショッド」への支援を開始

2010年

7月 ハイチ・ポルトープランス市およびその近郊で、障がい者を中心とする地雷被災者への教育・医療支援事業を開始

11月 CBRガイドライン会議(クアラルンプール)に東京事務局から野際紗綾子と林早苗、ミャンマー事務所寄り現地職員2名が参加

12月 タジキスタンで最大の障がい当事者組織である障がい者連盟本部の施設を整備し職業訓練コース、障がい者(児)ケア講習会、社会福祉セミナーを開催

2009年

スリランカの障がい者や地雷被害者への車いすや松葉杖の供与を実施

2008年

ミャンマー職業訓練校を現地スタッフのみで運営

アフガニスタンのクリニック事業をスウェーデンのNGO・SCAに移行

ラオスで障がい児のための福祉施設「バンセンスックセンター」の支援を開始

2007年

タジキスタンで障がい者家庭の栄養改善と収入創出を目的に養蜂事業を開始

NGOカンボジア・障がい者のための職業訓練校でITコースを開始

アフガニスタンのカラフガン郡クリニックで女性診療科を開設

2006年

ミャンマーで障がい者による栄養改善事業を実施

タジキスタンで地域住民への健康改善事業を開始

カンボジアへのスタディツアーを実施

カンボジアでの職業訓練校と車いす工房の事業を、2つの現地NGOとして登録

2005年

アフガニスタンのホジャガ郡クリニックで女性診療科を開設

タジキスタンで障がい者連盟の強化支援事業を開始

2004年

タジキスタンで医療機材を供与

ラオスでJICAの草の根技術協力事業として車いす普及支援を開始

2003年

タジキスタンの障がい者連盟が行う食糧支援計画に必要な農機具(トラクター、ミニコンバイン、小麦粉)を供与

タジキスタンの障がい児施設に暖房器具を供与

タジキスタンでヘルスセンター再建支援を開始

2002年

アフガニスタンにて、地雷被害者やポリオ患者などのためのリハビリ施設を2ヵ所開設

2001年

ミャンマーにて、障がい児への里親プログラム「ミャンマー子どもの未来(あした)」を開始

2000年

ミャンマーにて、障がい者の職業訓練校を開設

1999年

ラオスにて、NRC(国立リハビリテーションセンター)内の車いす工房の再建(国際協力事業団の委託事業として実施)

1994年

同障がい者支援センター内に車いす工房を設立

1993年

カンボジア首都プノンペンにて、キエンクリエン障がい者支援センター(職業訓練校)を設立

1991年

カンボジア・タイ国境キャンプ サイトⅡにて職業訓練を開始

1989年

カンボジア・タイ国境キャンプ サイトⅡにて車いすを配付

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