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陸前高田の商店街再興に向けてコンテナハウスを設置

2011年12月09日  日本緊急支援
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難民を助ける会では、国際ジャーナリスト菅原出氏を発起人として、組み立て式で設置の容易なコンテナハウスを被災地に届けるプロジェクトを行っています。これまでに宮城県女川町で30棟が設置され、その一部は「おながわコンテナ村商店街」として活用されています。コンテナハウスを求める声はその後も東北の各地から難民を助ける会に寄せられていました。今回、株式会社ローランド・ベルガーのご協力を得て、岩手県陸前高田市の商店街に8棟のコンテナハウスがおくられることとなりました。

みんなの集まる商店街を取り戻したい

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震災後の陸前高田の街を見下ろす「希望の一本松」(2011年10月20日)

陸前高田市は岩手県沿岸の最南端、宮城県との県境付近に位置しています。日本百景のひとつ、ゆったりと弧を描く「高田松原」は県内屈指の海水浴場であり、その背後には多くの人々が暮らす家々、職場、学校、そして活気のある商店街がありました。

しかし、3月11日の大津波で、海岸から最大で約3km離れた地点までが浸水。高田松原の7万本と言われた松林は根こそぎ流され、高田の街は壊滅状態となりました。80cm以上の地盤沈下もあり、震災から8ヵ月以上経った現在でも、水の引かない地域があります。高田松原で唯一残った「希望の一本松」が、点在する瓦礫の山を見下ろしています。

そんな状況の陸前高田に、この10月、「なつかしい未来創造株式会社」が設立されました。これは、地元の商店経営者が業種を超えて集まり、復興に向けて協力して活動する会社です。その事業の一つとして、食品の卸を営む橋勝商店の橋詰真司社長が「なつかしい未来商店街プロジェクト」を立ち上げました。事務所や倉庫、車を津波で失った橋詰社長ですが、活き活きとしたコミュニティの一つであった商店街をコンテナハウスを活用して復活させ、地元のお年寄りから子どもまでがふれあえる憩いの場を生み出したいと奔走されています。

コンテナハウス商店街誕生への第一歩

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皆で協力してコンテナハウスが立ちあがって行きます(2011年11月2日)

コンテナハウスプロジェクトの発起人である菅原さんと難民を助ける会がこの事業にご協力いただける方を探していたところ、ドイツに本拠地を置く国際的なコンサルティング会社、株式会社ローランド・ベルガーが、橋詰社長をはじめとする地元商店の方々の想いに共感してくださり、ご支援いただけることになりました。30ヵ国にある事業所の社員から集められた募金で、商店街に8棟のコンテナハウスをご寄贈くださることになったのです。

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完成した2棟のコンテナの前で、贈呈式が開催されました(2011年11月2日)

11月2日、まずは2棟のコンテナが陸前高田に到着しました。組み立て作業の中心となってくださったのは、女川でのコンテナ設置もお手伝いいただいた、仙台のプレハブ会社「東北グレーダー」のスタッフの皆さまと、仙台大崎八幡宮の方々です。ローランド・ベルガーの社員の皆さまも現場を訪れ、組み立てを手伝ってくださいました。コンテナは2時間ほどで完成し、引き続き贈呈式が開かれました。式典には、陸前高田市副市長の久保田崇様、ローランド・ベルガー代表取締役日本代表の森健様、なつかしい未来創造株式会社代表取締役社長の田村滿様、橋詰真司社長、そして商店街の方々など、50人以上の関係者の方々が集まりました。難民を助ける会からは東北事務所長の野際紗綾子が参加し、皆でテープカットを行いました。

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贈呈式会場でさっそく手作りクッキーなどを販売するあすなろホームの方々(2011年11月2日)

この日寄贈された2棟のコンテナは、お好み焼き屋の「しんのすけ」と、障害者授産施設の「あすなろホーム」が使用することになりました。あすなろホームは難民を助ける会が駐車場の修繕などの支援を行ってきた障害者施設で、パウンドケーキやヤーコン茶などを作って販売しています。贈呈式の後には商品の販売会も行われ、あすなろホームの手作りクッキーは飛ぶように売れていきました。地元の商店街に障害者施設の販売所も参加するこの取り組みは、障害者が取り残されない復興の好例と言えるのではないでしょうか。

「なつかしい未来」に向けて

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「なつかしい未来商店街」第一期完成イメージ(クリックで拡大します)

11月15日には、ローランド・ベルガー会長の遠藤功様が陸前高田を訪れ、地元の商店の方々との懇談会が開催されました。「コンテナハウス商店街」の完成予想図を囲んで、地域の復興計画、商店街の構想、コミュニティ再生などについて話が弾みました。遠藤様はその後もさらなる支援を呼び掛けてくださっています。

12月中に到着予定の6棟を加えて、全8棟からスタートする「なつかしい未来商店街」。目標はコンテナハウス30棟の設置です。まだまだ未完成な状態ですが、震災以前のように地域の人が集まり、ふれあい、笑いあえる、憩いの場の再生はそう遠くはないと感じます。難民を助ける会では今後もこの商店街を応援していきたいと考えています。皆さまのあたたかいご支援を、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

盛岡事務所 小原 一夫

2011年9月より盛岡事務所勤務。大学卒業後、産学官連携研究員、民間会社、高齢者福祉施設(ショートステイ)での勤務を経て難民を助ける会へ。現在、通信制大学で社会福祉について学んでいる。(岩手県出身)

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