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スーダン:地雷・不発弾の恐ろしさを伝える、ラジオドラマを放送しています

2014年02月10日  スーダン地雷対策
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スーダン駐在員・川越による報告会を開催します。ぜひお越しください。

紛争中に埋められた地雷や、爆発せずに残った爆弾(不発弾)は、紛争が終結した後も人々の命を危険にさらしています。AARは除去が完了するまでの間、地雷などが埋められた地域に暮らす人々が被害に遭わないための教育をスーダン、アフガニスタン、ラオスの3ヵ国で行っています。事故に遭わないためには日常生活でどのようなことに注意しなければならないのか、地雷や不発弾を見つけた場合どのように行動するべきかなどを、各国の習慣や文化に合わせて伝えています。スーダンでの活動の様子を駐在員の川越東弥(はるみ)が報告します。

多様な文化に適応した教材作り

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「ヤシールがどうなってしまうのかどきどきしたよ」ラジオドラマの試作品を聴いてくれた子どもたち。内容は好評でした(カッサラ州・2013年2月)

20年以上にわたる内戦の影響で、多くの地雷や不発弾が残るスーダン。AARは2006年から、ポスター、紙芝居、歌など独自の教材を作り、村々を回って地域住民に講習会を実施、これまでに88,483人の方々に正しい知識を伝えました(2014年1月31日現在)。講習会の内容をよりよく理解してもらうため、その土地の生活習慣や文化に合わせた教材を作っています。講習会を行う地域の村の人たちや子どもたちに、生活習慣や地雷・不発弾に対する意識などについてインタビュー調査を行い、結果を教材作りに反映させています。

2013年10月には現在講習会を行っている東部カッサラ州向けのリーフレットを作り直しました。以前活動していたスーダン南部の南コルドファン州に住む人々を対象に作ったリーフレットをもとに、カッサラ州の人々に合わせてイラストの登場人物を少し変えました。例えば、カッサラの人々と同じように肌の色を明るく修正しました。また着ている服も、シャツとズボンから、村部の人々が日常的に着ている伝統衣装のジャラビアという丈の長いゆったりとした衣服に変えました。より自分たちの身近にいる人として、登場人物をとらえてもらうためです。

AAR制作の紙芝居をもとに、ラジオドラマを作り、放送を開始しました

さらに、AARスタッフが訪問できない地域に暮らす人々にも地雷や不発弾についての正しい知識を伝えるため、2013年10月からはこれまでの教材をもとにラジオドラマを作成し、放送を開始しました。制作にあたっては村の人たちや小学校の子どもたちに試作品を聴いてもらい、感想や意見を内容に反映させました。スタッフが登場人物を演じていましたが、「(ドラマの)子ども役の声が不自然」などの意見が出て、声優に録音し直してもらったこともあります。カッサラ州ではアラビア語のほか、AARが活動している地域ではハデンダワ語を話す人々が暮らしているため、ドラマは両方の言語で作りました。2013年10月から12月まで、アラビア語版は毎朝、ハデンダワ語版は週1回のハデンダワ語放送の日に放送されました。2014年2月からはさらに5言語追加して放送を再開します。

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小学校の児童にドラマの台本についての意見を聞いています(2013年2月)

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スピーカーを使ってドラマを流して、感想を聞き、内容の分かりやすさを確認します(2013年2月)

AAR制作ラジオドラマ「ヤシールとハナンの物語」
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「学校に遅れそう!」近道をしようと、森の中を通ろうとするヤシールを止める妹のハナン。「危険だから森には入るなってお父さんが言ってたよ」と反対します。しかしヤシールは、遅刻して先生に罰せられることを嫌がり、森の中を抜けて行こうとします。

森の中で見慣れない金属片を見つけたヤシール。ハナンは、見慣れないものには近寄ってはだめと忠告しますが、ヤシールはハナンを弱虫となじって、手に取ろうとします。

父親にヤシールを止めてもらおうと来た道を引き返すハナンは、その途中大きな爆発音を聞きます。「ヤシール!」・・・泣きながら家に走って帰り、父親に何が起きたか伝えるハナン。父親は村長を通して政府の地雷対策機関に事件を報告。救助隊がやってきてヤシールを救出し、病院に搬送しますが、ヤシールは片足を失います。

最後のシーンでは、退院したヤシールが「大人や妹の言うことを聞かないで僕がどうなったかわかった?足を失ってしまったんだ。人の言うことをちゃんと聞いて、見慣れないものには近づかず、触らないこと。いつも通り慣れている道を使うこと。見慣れないものを見つけたら大人に知らせるんだよ」と語りかけます。

ラジオ番組で地雷クイズ!

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ラジオ番組に出演中のAARスタッフ(右)。少し緊張した様子でした(2013年11月24日)

このラジオドラマを放送しているカッサラ州のラジオ局が、地雷・不発弾の危険性をもっと知ってもらおうと、AARスタッフを45分間の生放送番組に招待してくれました。番組の司会者がAARのスーダンでの地雷対策活動について質問し、スタッフが説明していくという内容です。クイズコーナーもあり、11月24日の放送では、地雷や不発弾の危険がある場所を示すサインがわかりますか?という質問が出されました。スーダンには以下の4種類のサインがあり、このうち2種類を答えられれば景品がもらえます。

(1)(ドクロマークと「地雷危険」という言葉が書かれた)赤くて四角い標識

(2)(ドクロマークと「地雷危険」という言葉が書かれた)赤くて三角の標識

(3)赤と白に塗られた石

(4)赤と白のテープ

番組のリスナーはラジオ局に電話をかけて答えます。電話がつながると、自分だけでなく家族全員やお隣さんの名前まで言いたがる人がいたり、楽しそうに答えてくれました。

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ラジオ番組出演後のラジオDJ(中央前列)とAARスタッフ。後列左から地雷回避教材開発担当のサナ、講習会を担当しているユーシフとアマエイム(2013年11月24日)

十数人のリスナーがクイズコーナーで回答しましたが、正解者は2人でした。地雷・不発弾の危険を示すサインについては、まだまだ知識が浸透していないと分かったので、今後の講習会や教材作りでもっと強調していきたいと思います。

※この事業は、皆さまからのあたたかいご支援に加え、UNOCHA<国連人道問題調整事務所>が管理する共同人道基金の助成を受けて実施しています。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

スーダン事務所駐在 川越 東弥(はるみ)

2012年6月より東京事務局勤務。2013年1月よりスーダン事務所駐在。英国の大学院で障がい学を学び、高齢者福祉施設などの勤務を経て、パレスチナで児童支援に約4年携わる。その後AARへ。趣味はサッカー観戦と合気道。北海道出身

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