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対人地雷禁止条約第3回再検討会議に参加しました

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アフガニスタン事務所のバシール・バーセル、スーダン事務所の川越東弥駐在員、東京事務局の本多麻純

マプトサミットに参加した3人。右からアフガニスタン事務所のバシール・バーセル、スーダン事務所の川越東弥駐在員、東京事務局の本多麻純(2014年6月23日)

2014年6月23日から27日にかけて、モザンビークの首都マプトで「対人地雷禁止条約(オタワ条約)第3回再検討会議」(以下、マプトサミット)が開催され、AAR Japan[難民を助ける会]から3名の職員がICBL(地雷禁止国際キャンペーン)のメンバーとして参加しました。

オタワ条約は、対人地雷の使用、貯蔵、生産、移譲等を全面的に禁止し、締約国の貯蔵地雷の廃棄や埋設地雷の除去を義務付けています。この条約が1999年に発効してから、2014年7月現在までに日本を含む161ヵ国が批准または加入しています。再検討会議は、条約が規定する事項についての成果や進捗を確認し、次の会議までの行動計画を採択するために、5年に1度開かれています。今年は条約発効から15年目にあたり、第1回目のナイロビサミット、第2回目のカルタヘナサミットに続き、第3回目の会議でした。

AARからは、地雷対策活動を行っているアフガニスタン・カブール事務所現地スタッフのバシール・バーセル、スーダン・ハルツーム事務所の川越東弥駐在員、東京事務局の本多麻純が参加しました。会場には政府関係者に加え、オブザーバーとして国際NGOや市民団体、地雷被害者らが集い、熱気にあふれていました。

開催国モザンビークはどんな国?

会議の開催国に選ばれたモザンビークは、1960年代から続いた独立戦争や、1974年の独立後まもなく勃発した内戦の結果、地雷被害がもっとも大きかった国の一つです。モザンビーク政府が地雷対策を開始した1993年には、すべて取り除くのは不可能と思われるほどおびただしい数の地雷が各地に埋まっていましたが、2014年末には地雷除去を完了する予定であることを宣言するなど、地雷対策が成功した模範例として、まだ深刻な地雷問題を抱える国々に希望を与える存在になっています。

2025年までに「マイン・フリー(地雷のない世界)」!

会議場

会議場の様子(2014年6月23日)

マプトサミット開催に際し、ICBLは締約国に対して貯蔵地雷の廃棄や地雷除去、被害者支援等の条約義務を10年以内に完遂し、2025年までに新たな地雷被害者をゼロにすることを提案しました。本会議で採択されたマプト宣言には、この提案通り2025年が条約義務完遂の期限目標として盛り込まれ、締約国や国連機関を含む会議参加者がこの宣言に署名をすることで、条約に対する責務遂行の決意を新たにしました。

外務大臣政務官の石原氏と

日本派遣団代表としてスピーチを行い、マプト宣言に署名した外務大臣政務官の石原宏高氏(右から2番目)と。その他右からAARスーダン事務所の川越、JCBLの清水俊弘氏、AAR東京事務局の本多(2014年6月26日)

地雷被害の深刻な国の多くは途上国であり、経済的にも苦しい状況にあります。地雷除去や被害者支援などの地雷対策には、長い年月と、多額の資金、人手がかかります。そのため、被害のない先進国を含む、国際社会の協力が鍵となります。日本は1998年にオタワ条約を批准し、地雷被害もなく、研究・訓練用を除いた全ての貯蔵地雷の廃棄を完了していますが、他国の地雷問題の解決に向け、多額の資金協力やさまざまなプロジェクトを通じた技術協力も行っています。

162ヵ国目となるオマーンが加入を宣言、アメリカも加入の意思を表明

前回カルタヘナで開催された第2回再検討会議以降、新たに5ヵ国が条約に加入し、28ヵ国が、条約で義務付けられている、地雷敷設地域における対人地雷の廃棄を完了しました。また、オマーンは今回の会議で、今年7月にも条約に加入することを発表し、歓迎されました。これで締約国は162ヵ国となります。しかし、アメリカや中国を含む36ヵ国はまだ条約に加入しておらず、未加入国の多くがアジアにあります。アメリカは地雷対策の最大の資金提供国である一方で、地雷を使用する権利を保有し続けているため、これまで国際社会から批判されてきました。今回の会議にはオブザーバーとして参加し、明確な日程は示さなかったものの、条約に加入する意思があること、また対人地雷を生産しないことを宣言しました。

ジェンダーと地雷回避教育について発表しました

サイドイベント

サイドイベントで発表するスーダン事務所の川越とアフガニスタン事務所のバシール(2014年6月25日)

会議3日目にAARが行ったサイドイベントでは、アフガニスタンとスーダンで実施している地雷回避教育を、ジェンダーの視点から報告しました。

アフガニスタンでは、男性が講師を務める講習会には成人女性が参加できません。そのためAARでは女性2人を講師とした新しい地雷回避教育チームを形成しました。しかし、訪問するコミュニティーのリーダーは男性であるため、講習会を開くための交渉や調整は男性職員が行うなど、アフガニスタンのジェンダー文化に合わせた工夫をしています。

スーダンでも、一部保守的な地域においては女性と男性の居住区域が完全に分かれているため、女性の村には女性教育員しか訪問できない場合があります。女性職員が彼女たちの文化や習慣を最大限尊重することで、住民の信頼を勝ち得ることができています。また、これまで女性であるという理由から教育を受けられなかった村の女性たちが地雷回避教育を受けることで、自分や家族の安全を守るための情報を得る権利が自分たちにもあることを知り、それが彼女たちの未来を切り開く力にもつながっているということを発表しました。

今回のマプトサミットでは、この15年間に達成された成果を評価する一方で、条約未加入国が残っていることや、地雷が新たに使用された事例、貯蔵地雷の廃棄期限が守られていない事例など、多くの課題も確認されました。マプトサミットで採択された行動計画や宣言に沿って、今後締約国がさらに地雷対策に力を入れることを願いつつ、AARも地雷被害のある現場での支援活動を進めていきます。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局  本多 麻純(ほんだ ますみ)

2011年9月より東京事務局勤務。現在は主にスーダン事業を担当。米国の大学で文化人類学を専攻し、民間企業勤務を経てAARへ。神奈川県出身

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