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東日本大震災(34):支援が届きにくい在宅避難者へ早急に物資を

2011年04月12日  日本緊急支援
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半壊した自宅や、親類宅などで避難生活を送る被災者も

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かつてはサーファーが集った七ヶ浜のビーチも無残な姿に(4月11日宮城県七ヶ浜)

大震災の発生から1ヵ月が経ち、支援物資の供給は充足しつつある一方で、公式の避難所以外の場所で避難生活を送る方々には、まだまだ物資が十分に届いていない状況が続いています。被災者の約半分を占めるという在宅の避難者をはじめ、親類や友人宅に身を寄せている方、公式の避難所以外の場所にいる方など、支援の手が届きにくいこうした方々への物資配付にも力を入れています。

一人ひとりのニーズに応える支援を

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柱もなく今にも倒れそうな伊藤はちこさん(中央左)の自宅。東京事務局の小林通孝(右)が話を伺いました(4月11日宮城県七ヶ浜)

4月11日(月)、食料や生活物資が足りず困っているという情報を受け、宮城県七ヶ浜の在宅避難者や知人宅などに身を寄せている方30人向けに、米やみそ、みかん、牛乳、歯ブラシ、石鹸、衣類、副菜、ガスコンロ、高圧洗浄機などを届けに行きました。七つの浜が連なり、県外からもサーファーが集まる七ヶ浜。夏には海水浴客が集まるこの町も大きな被害を受けています。漁業関連施設や民家をはじめ、郵便局、コンビニエンスストア、飲食店など、すべて津波に飲み込まれ、町が丸ごとなくなっていました。田畑も津波の海水をかぶってしまっています。

破壊され、海水や泥にまみれた自宅を、疲弊した体で掃除したり、荷物を探し出して持ち運んでいる方たちを何人も見ました。地元の若者が、半壊した高齢者の自宅から大きなタンスを運んでいました。独り暮らしや高齢の方にとっては特に大変な作業です。比較的被災の軽かった親族や友人宅に身を寄せている方の中には、「食事は食べさせてもらっているけど、申し訳なくて」と言う声も聞かれました。

港の近くに建つ佐藤順子さんの自宅は、1階が冠水しました。妹宅に身を寄せながら、1ヵ月かけて自宅の泥を取り除きました。しかしまだ床下には泥や海水が残っていて、木造のため、このままでは腐ってしまいます。「業者さんにお願いはしているけれど、また住めるようになるのはいつになることやら」と、不安そうです。
被害がひどい七ヶ浜町代々崎浜の伊藤はちこさんの自宅は、倒壊しないのが不思議なほど、1階部分が破壊されていました。私が伺ったとき、わずかに残った床をタオルで拭きながら、思い出の品々を集めていました。家族からは危ないからやめた方がいいと言われているそうです。

避難所に避難していない方々も、大変な困難に直面していることに変わりありません。七ヶ浜への支援要請の連絡をくださった方に、物資を届けたことを報告すると、「いろいろなところに支援の要請をしたが、難民を助ける会が初めて物資を届けてくれた」とおっしゃっていました。難民を助ける会は引き続き、支援の届きにくい方々へ必要な物資を迅速にお届けしてまいります。

※支援活動にあたっては、企業や団体、学校、個人の皆さまよりご寄付や物資のご提供などのご協力をいただいて行っております。すべての方々をご紹介することができませんが、何卒ご容赦ください。皆さまのあたたかいご協力に心より感謝申し上げます。

緊急募金にご協力ください

皆さまのお気持ちを、被災された方々に確実にお届けします。どうぞご協力をお願いいたします。

郵便振替: 00100-9-600 加入者名: 難民を助ける会
*通信欄に「東日本大震災」とご記入ください。*領収証が必要な方はその旨お書きください。

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【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 小林 通孝

2010年より東京事務局にて勤務。大学卒業後、新聞社、広告会社で営業・編集・広告制作に従事。スリランカ緊急支援(2011年)、東日本大震災(2011年)を担当。34歳(東京都出身)

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