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東日本大震災(35):支援物資が届かない―在宅避難者が直面する困難

2011年04月14日  日本緊急支援
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難民を助ける会では、支援の届きにくい在宅避難者の方々への支援にも力を入れています。4月11日、自宅で避難生活を送る石巻市内の方々に支援物資を届けた、安田あゆみからの報告です。

救援物資を取りに行けない

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細川とみよさん(右)は、「このおむつを待っていました。小さなお子さんを連れて牡鹿半島から避難してきた方たちもたくさんいるんです」と喜んでくださいました(左は難民を助ける会の安田あゆみ)

石巻市大街道では、石巻栄光教会付属栄光幼稚園に通う約30人の園児と、自宅で避難生活を送る近所の方たち向けに、子ども用のおむつ20箱やおしりふき10箱をはじめ、離乳食、おもちゃ、子ども服、牛乳、ジュース、高圧洗浄機や長靴などを届けました。

細川とみよさんは、津波によって車や家財道具が流されました。ガスも前日(10日)にやっと復旧したものの、細川さんのお宅ではお風呂が壊れてしまっているため、無事だった近所のお宅のお風呂を借りています。この地域には、牡鹿半島から親類宅を頼って着のみ着のまま逃れてきた方もたくさんいます。震災から1カ月が経ち、店が再開したり避難所に物資が届いたりと、町に食料は入ってくるようになりました。しかし車がなくて物資を受け取りに行けなかったり、食材が手に入っても調理器具もないという状態が続いています。

今はひとりひとりが自分のことで精一杯です

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牛乳はずっと品薄状態。「長期間常温保存のきくタイプの牛乳はとても助かります」と笑顔を見せてくれた斎藤みやこさん(4月11日、宮城県石巻市)

石巻市不動町で小学校教諭を務める斎藤みやこさん宅には、依頼のあった牛乳やジュース、ごみ袋、洗口液(歯磨きの代わりに用いられる薬品)、消毒用ジェル、保湿クリームなどを届けました。同じように自宅で避難生活を送っている近所の方たちで分け合います。
不動町は河口近くにあるため被害も大きく、電気や水道はやっと復旧しましたが、ガスはまだ通らず、お風呂は自衛隊の仮設風呂を利用するという状況が続いています。

斎藤さんは、「在宅避難をしているひとり暮らしの高齢者はどうしても孤立しがちなのが問題です。そうした方は困っていてもそれを伝える手段がありません」と言います。斎藤さんたちは地域をいくつかの班に分け、班のリーダーが町の避難所に物資をまとめて取りに行き、高齢者宅にも配るようにしています。「本来なら近隣の住民がもっと気をかけてあげなくてはいけないのですが、今はみんなが自分のことで精一杯」。そんな中でも、できる限り助け合い、支え合っている様子がうかがえました。

在宅避難されている方はもとより、自宅は直接的な被害を受けられなかった方も、インフラの寸断や不十分な物資配付など、大変困難な状況にいます。難民を助ける会はこうした方々へも確実に支援を届けていきます。

※支援活動にあたっては、企業や団体、学校、個人の皆さまよりご寄付や物資のご提供などのご協力をいただいて行っております。すべての方々をご紹介することができませんが、何卒ご容赦ください。皆さまのあたたかいご協力に心より感謝申し上げます。

緊急募金にご協力ください

皆さまのお気持ちを、被災された方々に確実にお届けします。どうぞご協力をお願いいたします。

郵便振替: 00100-9-600 加入者名: 難民を助ける会
*通信欄に「東日本大震災」とご記入ください。*領収証が必要な方はその旨お書きください。

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【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

難民を助ける会 緊急支援チーム 安田あゆみ

宮城県仙台市出身

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