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東日本大震災(40):「お風呂は最高!」被災地へ温泉を運ぼうプロジェクト

2011年04月29日  日本緊急支援
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鬼首温泉の湯を避難所に

天との中に浴槽を二つ用意しました

テントの中には浴槽が二つ。奥はかけ湯用、写真手前の浴槽はゆっくりつかる用。その手前は脱衣スペースになっています(宮城県東松島市、2011年4月27日)

万葉倶楽部株式会社(神奈川県横浜市) や株式会社アセンディア(東京都品川区)などとの共同で実施している、「被災地へ温泉を運ぼうプロジェクト」。4月12日からは、宮城県東松島市の宮戸島にある、宮戸小学校にも配湯しています。

宮戸小学校の体育館には、地震直後は島の住民900人ほどが避難していましたが、今は宮戸島の集落のひとつ、大浜の住民約20人が避難生活を続けています。2日前からようやく、電気が24時間来るようになりました。
ここでは自衛隊が校庭に設営したお風呂に、地元宮城の鳴子温泉郷の鬼首温泉のご協力で、日曜をのぞく毎日、温泉からタンクローリーでお湯を運んでいます。お風呂に入れるのは、午後4時から午後8時まで。男湯と女湯が1日交替です。

お風呂で少しでもくつろいで

温泉を利用した被災者の方

「湯加減は最高!」毎回自転車でお風呂に通う桧山さん(宮城県東松島市、2011年4月27日)

4時になるとさっそく、お風呂に人が集まりだします。宮戸小の避難者に限らず、どなたでも入っていただけるので、徒歩で、自転車で、車で、住民が集まります。利用者は一日80名ほど。
今日は男湯の日です。桧山利昭さんは、1kmほど離れた自宅から自転車で入浴にきました。入れる日は毎回来ているそうです。「この風呂に入るためなら、いくらでも自転車こぐよ!」。一人暮らしで、食事は自衛隊の炊き出しや、配給されるお弁当を食べているそうです。「お店がないから、買い物しようと思うと小さなものでも遠出をしなくてはいけなくて大変ですが、自分は家もあるし、みんな大変なのだから、文句は言えません」

お風呂上りにお土産を持って帰る被災者の方

「お風呂は最高。すっきりするよ」宮戸小で避難生活を送っている小野さん。おみやげのコーヒー飲料などを持って(宮城県東松島市、2011年4月27日)

入浴の後は、テントの前で配っているコーヒー飲料やビスケット、ポップコーンといった支援物資をもらって帰ります。

厳しい避難生活が続いていますが、お風呂から出てくる人はみんな、くつろいだ穏やかな表情をしています。「被災地へ温泉を運ぼうプロジェクト」は、ゴールデンウィーク明けまで続ける予定です。

※本プロジェクトは、万葉倶楽部株式会社、宮城県大崎市、株式会社アセンディア、鳴子ツーリズム研究会、山学校協議会、難民を助ける会との共同で行っています。

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温泉を運ぶ特殊タンクローリー(左)は、神奈川県の万葉倶楽部株式会社の提供。お湯の温度がしっかり保たれます(2011年4月27日、宮城県東松島市、写真提供:鬼首山学校)

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テントの外の容器にもお湯をため、足し湯にしたりします。お風呂の管理や設営は自衛隊の方々が行っています。奥が宮戸小学校(2011年4月27日、宮城県東松島市、写真提供:鬼首山学校)

※支援活動にあたっては、企業や団体、学校、個人の皆さまよりご寄付や物資のご提供などのご協力をいただいて行っております。すべての方々をご紹介することができませんが、何卒ご容赦ください。皆さまのあたたかいご協力に心より感謝申し上げます。

緊急募金にご協力ください

皆さまのお気持ちを、被災された方々に確実にお届けします。どうぞご協力をお願いいたします。

郵便振替: 00100-9-600 加入者名: 難民を助ける会
*通信欄に「東日本大震災」とご記入ください。*領収証が必要な方はその旨お書きください。

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【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 杉澤 芳隆

2010年5月より東京事務局勤務。主に国内事業を担当。大学卒業後、民間会社に勤務後、難民を助ける会へ。2010年パキスタン洪水緊急支援活動に従事。(茨城県出身)

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