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カンボジア:洪水の被災者に支援物資を届けています

2011年12月14日  カンボジア緊急支援
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洪水被災地で750世帯に食料や日用品を届けました

難民を助ける会は、水害に見舞われたカンボジアで緊急支援活動を行っています。11月15日に実施した一回目の物資配付に続き、今回はシェムリアップ市にて、12月1日に367世帯、12月8日に383世帯に、食料や日用品などの支援物資を配付しました。

シェムリアップ市は、東南アジア最大の湖、トンレサップ湖の北に位置し、世界遺産のアンコール遺跡群があることでも知られています。住民の方々によると、今年の9月ごろから水位が高くなり、場所によっては1mくらいまで浸水したそうです。トンレサップ湖は毎年雨季(5月から9月ごろ)には水が流入し、その面積が大きく拡大するのですが、今年は例年になく広範囲で水没の被害が出ていることがわかりました。収穫間近だった田んぼの被害がひどく、農家の人々は半年かけて育ててきたお米を失ってしまいました。また、湖で漁をしていた人々は、水位が上がったことによって定置網が使えなくなったり、舟を失ったりしています。

ラオス駐在員の岡山典靖と東京事務局の園田知子は、トンレサップ湖周辺で被災状況の調査を行い、これまで一度も支援物資を受け取っていなかった世帯を対象に、支援物資を配付しました。主食である米や、食品の保管にも使えるバケツなどの支援物資は、被災者の方々に大変喜ばれました。しかし、生活の基盤である田畑や漁具に大きな被害を受けたカンボジアの人々の暮らしは、今後も回復に時間がかかることが予想されます。難民を助ける会では、引き続き支援の行き届いていない人々に物資配付を行ってまいります。皆さまのあたたかいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

支援物資の配付地


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今回支援物資を配付した4つの村

12月1日 シェムリアップ市クラベイリエル 231世帯
12月1日 シェムリアップ市サンブオ 136世帯
12月8日 シェムリアップ市チョン・クニエ 242世帯
12月8日 シェムリアップ市チュリュウ 141世帯

1世帯あたりの配付物資

米 25kg、塩 1袋(1kg)、調理用油 1本(1リットル)、醤油 1本(0.5リットル)、魚醤*1 1本(0.5リットル)、缶詰(魚) 10缶、即席麺 1箱(50袋)、ビスケット 1袋、蚊帳 1枚、毛布 1枚、石けん 4個、洗剤 1袋、バケツ 1個、洗濯用タライ 1個、女性用腰巻布(サロン)1枚、万能布(クロマー)*2 1枚

*1:12月8日のみ。 *2:頭に巻いたり、肩にかけたり、タオルとして使ったり、様々な用途に使われる布です。

水の残る田んぼの前で

サンブオ村周辺で被害の状況を確認する岡山典靖(左)(2011年11月25日)

物資を持って配付会場の寺院から出てくる人々

チョン・クニエ村で物資を受け取る人々(2011年12月8日)

配付を手伝ってくれたカンボジアの人々と並んで

クラベイリエル村の物資配付会場で。右前列は岡山典靖(2011年12月1日)

タライをかぶって笑顔を見せる子ども

サンブオ村にて、配付物資のタライをうれしそうに運ぶ子ども(2011年12月1日)

自転車に受け取った物資を積んだ女性

ルワン・ナムさん(中央、42歳、女性)(クラベイリエル村、2011年12月1日)右は東京事務局の園田知子
田んぼと畑を持っていますが、洪水でどちらも浸水しました。田んぼではナムさんの首あたりまで浸水したそうです。「これまでも雨季に水がたまることはありましたが、田畑がこれほど被害を受けたのは初めてです。これまでどこからも物資などをもらっていなかったので、今回支援をいただき、とても嬉しいです。」

物資の入ったバケツを受け取る男性

コッ・ナックさん(右、40歳、男性)(サンブオ村、2011年12月1日)
軍隊にいたときに地雷で左足を失いました。稲作と投網漁で家族を支えています。洪水のときは水が最大1mくらいの深さになり、収穫前の稲がすべてだめになってしまったとのことです。また、水位の高い間は投網漁もできませんでした。

物資を受け取る3人の家族

ミン・カシアさん(左から2番目、47歳、女性)(チョン・クニエ村、2011年12月8日)
八百屋を営んでいます。ご主人(右端)は漁師です。「9月中ごろから洪水になり、自宅に住めなくなりました。しばらくは子ども6人と一緒に、親類の家に身を寄せていました。洪水の間は、野菜も仕入れられず、漁もできなかったので大変困りました。また、漁に必要な船が壊れてしまいました。今回の支援は大変助かります。でも、子どもが多いので、お米は1週間くらいでなくなってしまうかもしれません。」

自宅で姪っ子と過ごす妊娠中の女性

サム・ルンさん(28歳、女性)(クラベイリエル村、2011年12月6日)
洪水で田んぼの稲は全滅し、飼っていた鶏もおぼれて死んでしまったそうです。農業ができなくなったため、ご主人は市街に出稼ぎに行っています。「まだまだ問題は残っていますが、いただいた物資は本当に助かりました。蚊帳も毛布も、大変役立っています。」

※この活動は、皆さまからのご寄付に加え、ジャパン・プラットフォームの助成を受けて実施しています。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

ラオス事務所 岡山 典靖

2004年6月よりラオス駐在。大学卒業後、青年海外協力隊としてバングラデシュへ。その後水産庁の外郭団体で水産分野でのODA事業を担当。その後農村開発NGOの駐在員としてネパールで5年勤務後、難民を助ける会へ。

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