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フィリピン台風緊急支援:レイテ島で被災状況の調査を行いました

2013年11月20日  フィリピン緊急支援
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フィリピン政府によれば、11月8日にフィリピンを襲った猛烈な台風30号による被災者は11月19日時点で1,320万人に及び、440万人以上が避難を余儀なくされています。AAR Japan[難民を助ける会]の五十嵐豪と杉澤芳隆は11月14日に現地入りし、障がい者団体などと協力しながら、被災者の支援活動を進めています。以下は甚大な被害を受けたレイテ島タクロバン周辺の調査報告と、現地からの写真です。

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ヤシやバナナの木が折れ、がれきが積み上げられた道

レイテ島オルモック

レイテ島オルモック。がれきが山になっています(2013年11月19日)

11月18日の夜中にセブ島をフェリーで出発し、19日朝5時ごろレイテ島のオルモックに到着しました。オルモックの町なかも被害が大きく、道の脇にはたくさんのがれきが寄せられており、東日本大震災直後に訪れた仙台市内のようです。

オルモックから車で3時間ほどのタクロバンでは、港周辺はコンクリートのしっかりした建物が多く、比較的被害は少なく見えました。しかし、市街地にはがれきが積み上がり、車では通れない路地もあります。街中ではがれきの処理や、遺体の収容作業が進められていました。

タクロバン市内の図書館の集会所に避難している女性は、台風の最中は「水の中を泳いで逃げました」と言います。現在は家族と親戚とともに避難生活を送っており、段ボールの囲いを指さして「ここが今の私の家よ」とさびしそうに話してくれました。

タクロバン市内図書館集会所

タクロバン市内の図書館の集会所に避難している家族。左は東京事務局の五十嵐豪(2013年11月19日)

タクロバン市街地

タクロバンの市街地。がれきや折れたヤシの木が積み上がっています(2013年11月19日)

タクロバン市街地

タクロバンの市街地。倒れた木や家に自家用車が下敷きになっています(2013年11月19日)

タクロバン市街地

タクロバンの市街地。被災状況を調査する東京事務局の杉澤芳隆(2013年11月19日)

タクロバンの空港では、各国軍や国連のテントが並んでいます。空港のターミナルビルも崩れていましたが、滑走路には軍用機、民間機やヘリコプターなどがひっきりなしに発着し、支援物資も運ばれています。空港周辺では物資配付の列に多くの人が並んでいますが、一人が受け取れる物資の量は少なく、あらゆるものが不足している状況です。

タクロバンの空港

空港のターミナルビル。屋根は骨組みしか残っておらず、半壊状態です(11月19日)

タクロバンの空港近くで

子どもが9人いるという女性は、孫を抱いて「物資をもらいに行きましたが、米2キロしか受け取れなかった」と嘆きます(11月19日)

安否の分からない障がい者の方々

アルビン・ムリートさん自宅周辺

地域の障がい者の状況について教えてくれたアルビンさんの自宅周辺。地面には大きく「SOS」の文字が(2013年11月19日)

タクロバンと同じく大きな被害を受けた南隣りの町、パロで、障がい者に関する情報収集を行いました。脚に障がいのあるアルビン・ムリートさんは、「台風の最中はひどい雨と風をしのぐため、一家でトイレの便槽の中に逃げた」と言います。「地域のほかの障がい者は連絡がつかず、状況の分からない人がたくさんいます」。

AARは、被害を受けた島々で現地の協力団体とともに食料等の緊急物資を配付すべく、調達を進めています。配付に際しては、災害時に特に困難な状況におかれがちな障がい者の方に特に配慮してまいります。引き続き、皆さまのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

※この活動は皆さまのご寄付に加え、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の支援を受けて実施しています。

緊急募金にご協力ください

被災者支援のための募金の受付を開始しました。どうぞご協力をお願いいたします。

郵便振替: 00100-9-600 加入者名: 難民を助ける会
*通信欄に「フィリピン台風」とご記入ください。*領収証が必要な方はその旨お書きください。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 杉澤 芳隆

AARシニア・コーディネーター。2010年5月より東京事務局勤務。主に国内事業を担当。大学卒業後、民間会社に勤務した後、AARへ。パキスタン洪水(2010)、東日本大震災(2011)で緊急支援活動に従事。茨城県出身

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