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西日本豪雨:「水を飲むのも疲れた」「1日でも早く子どもたちの支援を再開したい」物資提供や調査で聞く被災者の声

2018年07月17日  日本緊急支援
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岡山県倉敷市真備町では、連日の暑さで瓦礫やゴミのにおいが悪化。自衛隊や行政が街中のゴミを処理をするその何倍ものスピードで、廃棄物が増しているようです。既存の処理場だけでは回収も処理も追いつかないため、幅の広い道路の両脇に人の高さ以上の瓦礫が積み上げられています。

非常に高く積み上げられた瓦礫やゴミ

積み上げられた土嚢袋や瓦礫(2018年7月15日)

長袖、長ズボン、長靴に加え、粉塵を吸い込まないようマスク着用で泥かき作業をしなければならないため暑さが倍増し、猛暑が気力も体力も奪っている様子が伺えます。AAR Japan[難民を助ける会]の緊急支援チームは物資集積所や福祉作業所を訪問した結果、不足していることがわかった冷却材、洗剤、タオル、女性用長靴、扇風機などを購入し、避難所などに配付する予定です。

見たこともないような瓦礫が積まれています

ゴミが日増しに増える岡山県倉敷市真備町(2018年7月15日)

家屋から廃棄物などを取り出す男性

多くの人びとが瓦礫などの撤去作業にあけくれます(2018年7月15日)

瓦礫が積み上げられています

街のいたるところにゴミが積み上げられ、人の通行を妨げています(2018年7月15日)

緊急支援物資を車に積み、配布します

現地で不足している洗剤や冷却材などを配ります(2018年7月15日)

被災した方々に話を伺うなかで聞かれたのが「水を飲むことに飽きた」という言葉です。発災以降、届けられる飲料の多くが水です。この猛暑のなか飲む水は相当な量に及びます。水を摂取することにも疲れ、水分補給の量や頻度が減るのは大変危険なことです。そのため、粉末タイプのスポーツ飲料やカルピスも福祉施設にお届けしました。

被災した福祉作業所を一軒づつ訪問

地震や豪雨などの災害が発生した際、AARが重視しているのが、高齢者や障がいのある方への支援です。真備町の障がい者就労支援団体、「いちごの家・ナップ」を訪問すると、ボランティアの方々と一緒に代表の内藤ももよさんが施設内の掃除をしていました。内藤さんは、濡れた長椅子の上に乾いた綺麗な土嚢袋を敷いて、私たちの訪問を迎え入れてくれました。

ガランとした1階

1階は梁しか残っていませんでした(2018年7月15日)

職員の話を真剣に聞くAARの職員

「いちごの家・ナップ」の職員(左側)話を聞くAARの古川千晶(奥)と田中晴子(2018年7月15日)

内藤さんたちは被災当時、急に水かさが増したために家に帰れなくなりました。3階建ての作業所の2階玄関まで水が押し寄せ、利用者の方2名、職員1名、内藤さんの4名で救助を待ったとのことです。近隣の建物に自衛隊の救助が来たとき、自分たちの存在を伝えようと持っていたライトを必死に振ったそうです。「自分のことより、預かっている利用者2人の命があることに責任を感じ、必死だった」とおっしゃっていました。

話を聞く様子

家財が流されたため座るものがなく、収納かごなどを椅子代わりに使いました(2018年7月15日)

花や野菜の販売事業をする障がい者の就労支援団体「みんな農園」は、野菜を育てるための資機材は流されずに済みましたが、収穫間近だった夏野菜が全滅しました。スタッフの方は、収穫や販売など従来の仕事を失ったため、この先当面の間、障がいのあるの方々の仕事がなくなってしまうことを心配されていました。一方で、今は瓦礫や泥の撤去で精一杯で、今後のことは考えられないという様子が伺えました。

7月16日には、真備町内の福祉事業所を訪問し、職員の方々の話を聞き必要な支援を探りました。そのなかで、障がいのある子どもたちを預けられる場所の再起が急務であることがわかってきました。障がい者の教育支援をする放課後等デイサービス「ホハル」には、障がいのある小学校1年生~高校3年生までの子どもたち13名が所属しています。豪雨により、施設は3.8メートル浸水したため、現在は利用できなくなっています。

建物の前には瓦礫が広がります

ホハルは、3カ月前に活動を開始したばかりでした(2018年7月16日)

多くの備品が泥まみれです

屋内から撤去された備品(2018年7月16日)

「この災害に適応するのに困難な子どもたちも多い。大声を出してしまったりするため体育館などの避難所にはそういった子どもたちの居場所はないし、家庭で子どもに付き添っている保護者は家の片づけもままならない。『早くホハルに行きたい!』と言っている子どももいると聞き、1日も早く再開させたい」と話すスタッフの滝沢さん。再開したい一心で復旧作業にあたっておられました。ホハルには、今後も必要とされるであろうゴム手袋や洗濯洗剤、スポーツ飲料水などをお渡ししました。

互いに励まし合いながら

倉敷市立二万小学校の避難所では、着替えがなかったりお風呂に充分入れないため、あせもに苦しむ方々の姿も見られます。ユースキン製薬株式会社よりあせもシートを680個(ダンボール10箱分)ご提供いただき、二万小学校にお届けしました。同避難所の責任者である二万地区町づくり推進協議会の神崎均様は、「これはすぐ使える」と喜んでくださいました。また7月14日には、株式会社虎玄にご提供いただいた、和菓子の老舗・とらやの羊羹400個を倉敷市にお渡ししました。

いい笑顔で記念撮影

二万地区町づくり推進協議会の神崎均様(左)と大原真一郎(2018年7月15日)

7月15日の炊き出しでは、昼にそうめんともろきゅうを250食、夜は夏野菜牛カレーとそうめんを250食提供しました。7月10日から続けている避難所の炊き出しは、地元のボランティアの皆さんもご協力くださいます。「友人が被災して、いてもたってもいられなくて」という方、自宅のご飯を多めにつくって被災した友人に届けている方など、支え合う姿が見られます。

連日猛暑日が続きますが、三連休に全国から駆け付けた大勢のボランティアに励まされたようで、疲れが見られるものの、少し心が軽くなったように見える被災者もいます。避難所には、大規模災害リハビリテーション支援関連 団体協会(JRAT)主導で定期的な体操が行われるほかマッサージ師も入るなど、生活環境は少しづつ改善されています。AARは引き続き、被災者の方々の声に耳を傾けながら、必要な支援を届けてまいります。皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。

この活動は皆さまからのご寄付に加え、調査活動はジャパン・プラットフォームの支援を受けて、炊き出しはMercy Reliefの支援を受けて実施しています。

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    (トクヒ)ナンミンオタスケルカイ

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