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「ナッジ的SDGs体感セミナー」第1回を開催しました

2018年08月18日  日本
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9/11(火)4つの視点を通して見る SDGsが目指す世界「ナッジ的SDGs体感セミナー」第2回 午後7時~(東京・薬樹株式会社 青山オフィス)

「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」が2015年に国連で採択され、国内でのSDGsの認知度は少しずつ上がってきています。しかしながら、各企業や団体からは既存の事業にSDGsをどう関連付ければよいかわからないといった声も聞かれます。そこで、主にそうした企業や団体を中心として幅広い方々にSDGsに具体的に取り組むためのヒントを得てもらおうと、AAR Japan[難民を助ける会]は、「NGO」「企業」「行政」「社会起業家」の4つの視点でSDGsについて学ぶ、4回連続の「ナッジ的SDGs体感セミナー」と題したイベントを開催しています。企画・構想の段階から薬樹グループに相談させていただき、実施においても全面的にご協力をいただいているセミナーで、第1回目は2018年7月11日、薬樹株式会社の青山オフィス(東京都港区)で行いました。企業関係者や学生など、合計45名の方々が参加くださいました。

※「ナッジ」(nudge)とは、「ひじで軽くつつく」という意味。強制せずに対象者を自発的に好ましい方向に誘導する仕掛けや手法のことで、経済学者のリチャード・セイラー博士が提唱した、行動経済学の概念です。

SDGsとは?

日本におけるSDGsの認知度は14.8%であり(2018年4月4日電通調査)、海外(20ヵ国平均で51.6%)に比べて高いとは言えません。そこで、セミナーの前半ではAAR渉外担当の木下聡が、SDGsは2030年までの達成を目標に、「質の高い教育を」「安全な水とトイレを世界中に」など17の目標と169の細分化されたターゲットから構成されている、概要を説明しました。また、SDGsの目標やターゲットなどSDGsのイロハに加え、SDGsを含む「持続可能な開発のための2030アジェンダ」策定までの経緯や、SDGsの理念や考え方、取り組み方が書かれている前文や宣言の部分についても紹介しました。

スライドの前でマイク片手に説明する木下

SDGsにはさまざまなステークホルダーが取り組むことが重要であると説明するAARの木下聡

NGOの活動とSDGs

SDGsでは17の目標を設定したために、世界の課題が17通りに分類されることもありますが、実際には17分野に切り分けることはできません。例えばAARがパキスタンの女子小学校で実施している事業の主眼は、子どもたちへの教育支援で、SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」に相当します。しかし実施しているプロジェクトが取り組む課題は女子の就学率の向上であり、その点では目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に関連します。また、その課題の解決のために実施している事業内容は衛生的なトイレや手洗い場の整備であり、目標6「安全な水とトイレを世界中に」に関連していますし、そこから得られる効果は就学率だけでなく下痢の予防にもつながるため、目標3「すべての人に健康と福祉を」にもつながります。そして、この事業では「教育」よりも、「衛生改善」の視点で企業との連携が実現しています。このように、本来SDGsの目標に横断的である現地の課題について、教育だからといって安易に目標4に関連づけるのではなく、まずは課題の本質を捉え、その上でSDGsとの関連性を丁寧に読み解くことが重要であるとお伝えしました。

会場全体の様子 正面のスライド以外にも、会場中央部にいくつものテレビ画面が天上に設置されており、後方の参加者も発表のスライドがよく見える

SDGsとAARの活動の関連性についてAARの木下聡(奥)がご説明しました。

日本の取り組み

セミナー後半は、SDGs市民社会ネットワークの新田英理子氏とAARの木下が対談をしました。新田氏からは、SDGsを日本で定着させていくために行われている取り組みについてのご紹介があったほか、身近な取り組みとして、SDGsの知名度を高めるためのSDGsバッジや、環境問題に着目してSDGsの目標達成に取り組む企業や団体の活動事例が挙げられました。一方で、SDGsの目標を早期に達成することにはこだわりすぎず、2030年に向けて達成することを念頭に置きながらも、まずは身近にある課題に取り組んでいくことから始めていけばよいのではないかというお話しがありました。すべての企業や団体が、SDGsの目標8「すべての人々のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する」に取り組むことが大切であり、職場環境の改善が大前提であるというお話しもありました。

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セミナーの後半は、SDGs市民社会ネットワークの新田英理子氏とAARの木下聡(右)。「SDGsを達成するにはまず目標8の達成が大前提である」という新田氏のお話しに、参加者は真剣に耳を傾けていました。

照井氏と木下が会場正面で対面しながら話している

実施にあたり、企画段階から全面的にご協力いただいた薬樹HD株式会社代表の吉澤靖博氏(写真左奥)、NPO法人Liko-netの照井敬子氏をはじめ、社員の皆さまの臨機応変なご対応のおかげで、セミナーもスムーズに開催できました。

ご参加いただいた皆さまからのアンケートからは「今までわかったつもりになっていたSDGsが腑に落ちた」「あっという間だった。次回はもっと時間を長くしてほしい」などの嬉しいコメントを数多くいただきました。

セミナー開催日は西日本豪雨による災害が発生した直後でもあり、当日会場で被災者支援のための緊急募金をお願いしたところ、26,151円が集まりました。ご協力くださった参加者の皆さまに心より御礼申し上げます。

次回のSDGs体感セミナーは、2018年9月11日(火)午後7時より、1回目と同じく薬樹株式会社 青山オフィスで開催します。「企業」の視点からエーザイ株式会社ESG推進部の飛弾隆之氏を講師に、一般財団法人CSOネットワーク事務局長の黒田かをり氏をゲストにお迎えします。たくさんの皆さまのご参加をお待ちしています。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 北 朱美

2012年2月より2014年12月までミャンマー事務所駐在、その後2017年5月までパキスタン駐在を経て、現在は東京事務局で主にスーダン事業を担当。臨床検査技師として病院に勤務した後、カナダとタイで公衆衛生を学ぶ。帰国後、AARへ。長崎県出身

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