活動ニュース

国内災害:障がい者や高齢者、子どもへの支援に注力

2019年02月04日  日本緊急支援
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日本地図上で、支援活動を実施した地域を示しています

AARが支援活動を実施した地域

AAR Japan[難民を助ける会]は2018年7月に発生した西日本豪雨、9月の北海道地震のほか、2017年の九州北部豪雨、2016年の熊本地震の被災者への支援を継続しています。発災直後から炊き出しや生活必需品の配付などを行った後、特に支援へのアクセスが限られている障がい者や高齢者、子どもへの支援に注力しています。皆さまの温かいご支援への感謝とともに、最近の支援活動をご報告します。

福祉作業所の運営再開を目指して -北海道地震 被災者支援(2018年9月~)

2018年9月に北海道胆振地方中東部を震源として発生した地震は、最大震度7を観測。現在AARは、むかわ町と日高町の福祉施設への支援を継続しています。社会福祉法人「愛誠会」(むかわ町)が運営する「ほべつ就労支援センター」の作業所「緑竜アペラス」では、障がいのある方々がしいたけの栽培と加工を行っていますが、地震により2棟ある培養室が大きく被災し、菌床を設置する棚と換気設備が破損しました。AARは換気設備の支援を行う予定ですが、災害の影響で多忙な工事業者による着工を待っています。温度と湿度の管理が重要な菌床培養にはこれらの設備は欠かせないため、復旧に向けて現在調整を進めています。

棚の支柱が崩壊し、並べられたきのこの瓶が倒れている様子

地震によって大きく崩れた、作業所のきのこの培養棚(2018年10月19日)

炊き出しでカレーを提供する様子。地元も方にもお手伝いいただきました

発災直後から6日間実施した炊き出しでは、計980食を提供しました。上厚真小学校(厚真町)での炊き出しの様子。右からAAR 理事の加藤勉、職員の大原真一郎(2018年9月12日)

生活再建のための手続きを支援 -九州北部豪雨 被災者支援(2017年7月~)

2名がパソコンをのぞき込み、打ち合わせを行っている様子

朝倉市役所の被災者相談窓口で、同市の職員と支援の内容について調整するYNF 代表理事の江﨑太郎氏(手前)(2018年11月14日)

2017年7月に福岡県、大分県で発生した集中豪雨によって大規模な河川の氾濫や土砂崩れが起きました。現在AARは、自宅や仮設住宅で暮らす被災者の生活再建を目的に活動する特定非営利活動法人「YNF」(福岡県福岡市)への支援を実施しています。被災者の中には、生活保護が打ち切られ、支援金・義援金が尽きてしまった方、1人暮らしで孤立し、公的支援の手続きや相談先が分からず困窮している方などがいらっしゃいます。YNFは特に生活状況が不安定な方に配慮しながら、被災者と行政の橋渡し役として被災者の住宅を訪問し、手続き支援や情報提供などを通じて、多岐にわたる困りごとの相談対応を行っています。自宅の公費解体の手続きを支援した方からは、「手続き方法がわからず、困っていたので助かった」「入退院を繰り返していたので公費解体の期限に間に合いそうになかったが、支援のおかげでなんとか間に合わせることができた」といったお声をいただきました。

絵本を通じた子どもたちへの心のケア -熊本地震 被災者支援(2016年4月~)

紙芝居の周りに大勢の親子が集まり、話を聞く様子

移動図書館のイベントでは、紙芝居や手遊びなどが行われ、80名を超える子どもたちが参加しました(2018年12月16日)

2016年4月に熊本県、大分県で相次いで発生した地震は、関連死を含め270人の犠牲をもたらしました(2018年12月13日現在、熊本県危機管理防災課発表)。AARは現在、被害の大きかった南阿蘇地域を中心に支援活動を実施しています。NPO法人「南阿蘇えほんのくに」(熊本県南阿蘇村)は、葉祥明 阿蘇高原絵本美術館の館長、葉山祥鼎氏を中心に私設文庫を運営するなど、絵本を通じたまちづくりを行ってきました。熊本地震が起き、避難先から私設文庫が遠くなり、子どもたちが自由に絵本を読めない状況に陥ったことから、同団体は仮設住宅を対象とした移動図書館を開始。子どもたちの心のケアなどに取り組んできました。AARは同団体に絵本、棚やいすなどの備品を提供し、移動図書館の運営を支援しています。

西日本豪雨被災者支援は、こちらをご覧ください

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