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台風19号 被災者支援:被災前の生活に一歩近づく

2020年02月07日  日本緊急支援
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車両の贈呈式にて、社会福祉法人福音会理事長の青木繁昌氏(左)へ車両の鍵を渡すIMC日本事務所代表の松尾沢子氏(右)(福島県須賀川市、2019年12月12日)

2019年10月12日に本州に上陸した台風第19号の被害に対し、AAR Japan[難民を助ける会]は現在、宮城県、福島県、長野県、栃木県の11の福祉施設を対象に、運営再開のための什器や備品、資機材の提供、建物の修繕支援を行っています。

被災で活動を一時中止

AARでは、災害時に特に支援の行き届かない障がいのある方や、高齢の方への支援に注力しています。AARの緊急支援チームは、発災直後より、被害の大きい地域の障がい者や高齢者の施設を1軒1軒訪問し、調査しました。訪問した施設の多くは、活動に使用していた事務機器や家電、作業用の機械や子どものおもちゃなど、施設の活動に必要な什器や備品が浸水の影響で使用できなくなり、活動を一時休止せざるを得なくなってしまいました。
また、施設の利用者の方々を送迎するための車両も被害に遭い、多くの方が施設に通うことが難しくなってしまいました。

AARはこうした状況を改善し、施設の利用者が一日も早く元の生活を取り戻せるよう施設の活動に必要な資機材の提供を行うとともに、International Medical Corps(以下IMC)の助成を通じて、福島県の2つの福祉施設に、送迎用の車両を1台ずつ提供しました。IMCはアメリカに本部を置く人道支援団体で、2011年の東日本大震災復興支援のときからAARの国内災害被災者支援にご協力くださっています。

「毎日の業務で使っています」

12月12日、福島県須賀川市にある社会福祉法人福音会の「ワークセンター麦」と、郡山市の社会福祉法人ほっと福祉記念会の事業所「れいる」にて車両の贈呈式を行いました。贈呈式ではIMC日本事務所代表の松尾沢子氏から両施設へ車両の鍵が手渡されました。後日、両施設の方から、「いい車をいただき、ありがとうございました。毎日の業務で使わせていただいています」「2月に新しい移転先に移ることとなりましたが、これからも大切に使わせていただきます」との感謝の声が寄せられました。これらの車両は、利用者の方々の施設への送迎だけでなく、施設で作っている商品の納品や販売会などの活動にも使用される予定で、両施設とその利用者の方々は被災前の生活に一歩近づくことができます。

室内で遊ぶ子どもたちと、それを見守るAAR職員

放課後等デイサービス事業所「れいる」に通う子どもたち。施設に通うために、送迎車は欠かせません(福島県郡山市、2019年12月12日)

社会福祉法人ほっとの前で記念写真。笑顔の男女13人

社会福祉法人ほっと福祉記念会の皆さまと、IMC日本事務代表の松尾沢子氏(右から3番目)、AARスタッフの浅野武治(後列左端)、大室和也(右から1人目)、野際紗綾子(同2人目)(福島県郡山市、2019年12月12日)

AARでは、被害に遭われた方々が一日でも早く日常を取り戻すことができるよう、活動を続けます。どうぞ引き続きご協力くださいますようお願いいたします。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 三木 将

大学卒業後、民間企業を経てケニアでボランティア活動に従事。帰国後、2015年7月にAARへ。東京事務局勤務、ザンビア事務所駐在員を経て、現在東京事務局でミャンマー・ラオスを担当。熊本県出身

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