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東日本大震災10年:取り戻した笑顔、前に進むチカラ(2)

2021年02月23日  日本緊急支援
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東日本大震災から10年

東日本大震災(2011年3月11日)から間もなく10年を迎えます。AAR Japan[難民を助ける会]は震災発生直後に支援活動を開始し、今日に至るまで被災地の多くの方々とともに復興に向けて歩んできました。岩手・宮城・福島3県の皆さんの今の声を4回に分けてご紹介します。

施設長、理事長と利用者の方々約20名が、製造したトマサンソースなどとともに笑顔で集合している

障がい福祉事業所@かたつむりの創設者 吉田 富美子さん(前列左)、施設長 大西 智史さん(同右)(岩手県大船渡市)  

良いものを丁寧に作り続けたい

岩手県大船渡市 障がい福祉事業所@かたつむり 創設者 吉田 富美子さん 施設長 大西 智史さん

 知的障がい者が働く事業所として法人化の準備を進めていた最中、震災時の津波で港の近くにあった活動拠点を失い、一時は解散を考えました。それでも頑張ってプレハブの作業場で再スタートしたところ、今度はその場所が復興計画の浸水想定区域に指定され、移転費用もなく困り切ってAARに相談したんですよ。多額の資金を調達してくれて、2017年に立派な事業所が完成した時は、みんな大喜びでした。自分たちで栽培したトマトの規格外品 と大船渡のサンマを使って何か作ろうと、AARと試作を重ねて共同開発した「トマさんソース」は、今では盛岡の百貨店や東京のアンテナショップで販売される人気商品に成長しました。AARの皆さんは私たちの痛みを分かって、困った時は必ず助けてくれましたね。  
 震災から10年を経た今、主に10 〜20歳代のメンバー約40人が元気に通ってきて、食品加工や農作業、電気部品組み立て、キッチンカーでの昼食出張販売などに取り組んでいます。みんなの努力が実を結び、震災直後のことを思うと夢のようです。これからも根気強く丁寧な仕事を心掛けて、良いものを一つひとつ大切に手作りしていきたいと思います。(吉田さん)

ホールスタッフとして働く利用者2名が、トレイにのせたドリンクを手にしている 菅井さんが近くで笑顔でこちらを見ている

フリースペース ソレイユ施設長の菅井 明里さん(右)(宮城県仙台市)  

地域で生きる障がい者を支える

宮城県仙台市 フリースペース ソレイユ施設長  菅井 明里さん

 あの日の津波は隣接する仙台市若林区や名取市閖ゆりあげ上を飲み込み、数キロ内陸にある施設の近くまで押し寄せました。自宅を失った利用者や職員もいます。知的障がいのある利用者を連れて避難所 に行ったものの、寒さの中で毛布が4人に1枚しかなく、余震が起きる度に泣いたり叫んだりするので、周囲の目が気になって翌朝5時に施設に戻りました。弁当の製造販売をしている関係でコメなどの食料があり、それから2週間は共同生活でしたね。  
 老朽化していた建物や設備が損壊し、再建を図ろうにも地元業者は手が回らず、資機材が非常に高騰して途方に暮れていた時、AARから業務用大型冷蔵庫が届いて、幸い2カ月後に業務を再開することができました。今は弁当製造やグループホームのほかに「田んぼカフェ」を運営し、約40人が働く場所を確保しています。 すぐ近くの閖上地区を見ても住民が戻って来ないなど、とても復興したと言える状況ではありません。震災の経験を忘れないように、毎年3月11日にはみんなで献花して手を合わせます。障がい福祉施設の危機管理の点で学んだことも多く、それを後世にしっかり伝えていきたいと考えています。

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