駐在員・事務局員日記

パキスタン洪水被災者に目を向けて! 緊急支援活動報告会を開催

2010年09月27日  パキスタン
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執筆者

東京事務局
山田 かおり

記事掲載時のプロフィールです

7月下旬からの大雨による洪水被害に襲われたパキスタン。難民を助ける会は8月上旬から日本人職員を派遣し、現在も被災者支援を継続しています。8月20日、いち早く現場に駆け付けた職員の大西清人が帰国し、被災直後の生々しい現地の様子や、難民を助ける会の支援活動について報告しました。
当日は、急な案内にも関わらず、NGO関係者や学生、会社員など、22名がご参加くださいました。

映像で伝える被災地の苦しみ

豊富な写真と映像で被災地のことを伝えました

「こんなに被害がひどいなんて」被災地の映像に、驚きながら見入る参加者の皆さん。

このたびの洪水は、パキスタンに建国以来最悪と言われる大きな被害をもたらしました。報告会の時点で、被災者は推定で1,540万人に及び、被害は拡大を続けていました。
現地で撮影したたくさんの写真やビデオ映像に写っていたのは、想像を超える大きな被害の様子です。水に飲み込まれた町、必死で避難する人々。ようやく水が引いた場所には、倒壊した家屋や、あちこちから流されてきた家具や生活用品が泥まみれで山となっています。診療所では患者が列を作り、家をなくして呆然とする人々がいました。洪水の威力をまざまざと感じました。

きめ細やかな配慮をした物資配付活動

被災直後の現地の様子を語る大西清人

パキスタン支援の活動経験も長い大西からは、現地の歴史や文化もふまえた報告が

難民を助ける会は、被災者に食料や生活必需品などの物資を配付しています。
その中に含まれていた「なつめやし(デーツ)」がとりわけ好評だったとか。なぜだと思いますか? 配布を行っていた時期は、イスラム教の大切な行事であるラマダン(断食月)にあたっていました。日中断食をした後に最初に食するのに、甘くてカロリーも高いデーツは最適なのだそうです。そんな細やかな配慮をしながら、支援活動を行いました。

参加者の方からは、「テレビから入る情報に比べ、実際の被害の深刻さに驚いた」「日本では今回の災害の報道が本当に少なく、報告会の内容がとても参考になった」と、被害の大きさにに対し報道が少ないことを危ぶむ声も。

また、「写真だけでなくビデオの上映が参考になった。信じられないほどの災害だと感じた」「支援の手法次第で、効果が変わることをあらためて認識した」など、たくさんの感想が寄せられました。

会場に設けた募金箱には、参加者の皆さんから12,200円ものご寄付が寄せられました。被災者支援のために大切に使わせていただきます。
報告会の終了後も質問や情報交換が続き、被災者を何とか支援したい!という皆さんの熱い思いを感じました。

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