駐在員・事務局員日記

「庭」さん「木」さん?! 名前からみるスーダン南部

2010年10月12日  南スーダン
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執筆者

スーダン・カポエタ事務所
角谷 亮

2007年11月から2010年3月までタジキスタン事務所に、同年4月よりスーダン・カポエタ事務所に駐在。大学では英米語学を専攻。卒業後、派遣員として在外公館に2年半勤務。その後、難民を助ける会へ(兵庫県出身)

記事掲載時のプロフィールです

自己紹介するとき、私たちは様々な情報を相手に伝えます。例えば、国籍、性別、年齢など。その中でもなくてはならないのが、「名前」。
生まれたときに、親や親族などから命名され、その名前を背負って生きていきます。ある人は、親の名前の一文字をとって、ある人は、幸運を呼ぶ画数によって、そして、ある人は、親が好きな漢字から付けるなど、付け方も千差万別。
今回は、スーダン南部の名前の付け方について、ご紹介します。

あなたの名前は、「病院さん」!?

一般的な木です

「ナテレイ」の木の枝

難民を助ける会の事務所があるスーダン南部の町カポエタは、トポサ族が暮らす土地です。事務所にもトポサ族の事業スタッフが2名います。一人は、ナマナ。もう一人は、ナテレイ。それぞれの名前の意味は、「庭」、「木」(家のフェンスなどに使われる木の名前。写真参照)です。名前の由来は単純明快、「そこで生まれたから」。
つまり、ナマナは、自宅の庭で生まれ、ナテレイは、木の下で生まれたとのこと。他には、「家」を意味する「ナカイ」という人もいます。

カポエタが位置する東エクアトリア州で、医師が介助する出産は、1%にも満たないのです。ほとんどの場合、伝統的な産婆さんによって、自宅で出産を行います。
もし、日本のように皆が病院で出産するようになったら、カポエタ中が「アタリャ(病院)さん」という名前で溢れかえることになりそうです。

「アティエン」ちゃんの名前の由来は牛?

スーダン南部最大の民族人口を誇る、ディンガ族。このディンガ族にも、少し変わった命名のしかたがあります。
写真のとても可愛らしい赤ちゃん。この赤ちゃんの名前は、アティエン。ディンガ語で、「赤茶色に黒が混ざった色」。意味だけ聞くと、「はっ?」と言いたくなるのですが、由来を聞くと、なるほどティンガ族らしい名前で納得。この赤茶色、単なる色を表す言葉ではなく、牛の色なのです(写真のヤギの色)。

牛はディンガ族の、生活の中心にいるのです。結婚の際の持参金も、牛。略奪の対象になるのも、牛。そのため、大切な子どもには、大切な牛の色から名前をつけるのです。

隣のヤギの色と同じような色です

アティエンちゃん。かわいいですね

アティエン色の牛も見てみたいものです

残念ながら「アティエン」色の牛は撮影できませんでしたが、「アティエン」色のヤギです

気合の表れ

名前の由来を懐かしそうに話してくれました

事務スタッフのコマ。名前の理由を聞くとますます気合のオーラを感じます

最後にもう一例。スーダン南部のウガンダ国境に住むマディ族。そこの出身である、事務スタッフのコマ。彼の名前の意味は、「試してみろ」。「さぁ、来い」って感じでしょうか。
彼曰く、「出産の時期、家族内で色々と苦労があったんじゃないかなぁ。」ということ。親の意気込みや、気合が子どもの名前になったりするようです。

生後7カ月のアティエンちゃんと一緒で笑顔です

アティエンちゃんと一緒の角谷亮

いかがでしたか?人の名前の由来を聞くことによって、その文化の一部分をうかがい知ることが出来ますね。

皆さんは、自分の名前の由来をご存知ですか。兄弟の名前や親友の名前の由来はいかがでしょうか。普段、あまり気にすることのない名前の由来。たまには、この「名前」と向き合ってみるのも良いのかも知れません。

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