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障害者支援の圧倒的に不足したタジキスタンで ―継続的な活動を目指します―

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難民を助ける会は旧ソ連の最貧国であるタジキスタンで、2002年より、障害者団体の能力強化と病院施設の整備などの医療支援を行っています。この度、2007年11月から約2年半当地に駐在した角谷亮が、活動に対する思いを語ります。

世界の中でも厳しい障害者の現状

タジキスタンの山岳地帯の風景

タジキスタンの山岳地帯。美しい風景ですが、平らで農耕に適した土地が少ないため、人々の生活は困難です

タジキスタンは、一人当たりの国内総生産が1,800ドル(世界189位、日本は32,600ドル)と非常に貧しい国です。1992年から6年間続いた内戦で国は疲弊し、障害者への福祉は行き届いていません。多くの障害者は学校に通うことも働くことも難しく、家にこもりきりの生活をしています。

現地にあるものを活かして継続的な支援

そのような状況のタジキスタンで、難民を助ける会は現地に既にあるものを活かし、現地団体による継続的な活動を目指した支援を行っています。具体的には、土地はあっても資金難で活動できていない障害者団体に、トラクターや養蜂の巣箱を供与しました。その収穫物は障害者家庭に配布すると同時に、販売した売り上げが団体の運営資金になり、継続的な活動につながっています。また、タジキスタンでは医療に当てられる予算が非常に限られており、多くの病院で機材や施設の老朽化が深刻です。そこで医療機関に機材などを供与することで、医師など既存の人材が活かされるよう後押ししました。

初めは支援に対して受け身の姿勢だった障害者団体の方が、難民を助ける会と協働して活動を進めることで自信を持ち、「自分たちも活動できる。これからは主体的にチャレンジしていきたい」と言ってくれたときには嬉しかったです。今後も、障害者自身が収入を得て、社会に参加していけるような支援をしていきたいと思います。

蜂蜜を配布する駐在員

山岳地域に住む障害者の方に、蜂蜜を配布しました。

中央病院の視察風景

手術用具や医療機材を供与したラシュト地域の中央病院を視察する角谷(左端)

地雷事故・・・結婚式当日の悲劇

ラフマトヴァさんと講師のニギーナさん

コースで積極的に学ぶラフマトヴァさん(中央)と、講師として活躍する、自身も足に障害があるニギーナさん(左から2番目)

今年3月、地雷被害者などの障害者20名を対象に、洋裁のコースを開講しました。受講生の一人、ラフマトヴァさんは18歳の時、地雷事故のため右足を失いました。結婚式当日の出来事でした。夫の家族からは、支援を受けるどころか、1年後に離婚を強制させられました。「障害者には家事ができない」ことが理由です。彼女の唯一の財産であった家畜を治療費などのために売ってしまい、1人息子の学費を払うことも厳しい状態です。洋裁コースで学び始めた彼女は、「技術を身につけ、自分で稼ぎたい。そして、息子の教育環境を整えてあげたい」と力強く語ってくれました。

また、情報の不足も深刻な問題です。特に地方の障害者は、障害年金の申請の仕方を知らなかったりすることもあります。行政システムを障害者自身に正確に知ってもらう、また、すべての人に自国の障害者の現状や、必要な支援について知ってもらうことも重要です。行政を巻き込んだ地域活動を通じて、障害者の社会参加を促し、また、彼らを受け入る社会環境を整える必要があります。

心の翼でタジキスタンへ

障害者の方に蜂蜜を配布しているとき、協力した障害者団体のリーダーが語った言葉が心に残っています。「配る蜂蜜の量が問題なんじゃない。日本人がこんな山奥まで訪ねてくれた事が、ずっと家の中で過ごしていた障害者や家族に、希望をもたらしてくれるのです。」皆さんも、文化や自然、どのようなことからでも良いので、タジキスタンに関心を持ってください。それが、自分にできることを発見する第一歩になるかもしれません。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

元タジキスタン事務所駐在 角谷 亮

2007年11月よりタジキスタンに駐在。大学では英米語学を専攻。卒業後、在外公館派遣員として勤務後、難民を助ける会へ。4月よりスーダン・カポエタ事務所駐在(兵庫県出身)

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