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ラオスで台風「ハイマ」の被災者を支援しています

2011年10月18日  ラオス緊急支援
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ラオス北部を台風が襲い、洪水被害が発生

茶色い土がむき出しになった畑

洪水で一部がなぎ倒された畑。収穫量にも大きな影響が出ています

難民を助ける会が不発弾対策を行うラオス北部のシェンクワン県は、今年の6月に台風「ハイマ」に襲われ、大雨による深刻な洪水被害を受けました。土砂崩れや河川の増水などにより、県内全域で500棟以上の家屋が浸水や損壊し、田んぼや畑、学校、橋や道路なども被害を受けました。シェンクワン県全域では、一時6万人が被災し、死者7名が出ています。被害のあった地域では、貯蔵していた大量の米も水に浸かってしまい、ラオス政府による食料支援が行われています。

ラオスはアジアの中でも特に貧しい国の一つです。難民を助ける会としても、大変な状況にある被災者のために何か出来ないかと支援を検討しました。

洪水で水供給設備が損壊。安全な水が村人に届いていない

 

村人に話を聞く林曜子

村の住民から、洪水後困っていることはないか話を聞く駐在員の林曜子(右から2人目)

難民を助ける会シェンクワン事務所の林曜子とスタッフが、現地政府の職員の方とともに村々を回り、最も必要とされている支援は何かを調査しました。その結果、特に被害が大きかったシェンクワン県カム郡のナドー村ナウン村ハイニエン村コーニョイ村の4つの村で、ダムや貯水槽、水道管など、損壊した水供給システムの復旧支援を行うことにしました。

水道管の端を持つ現地スタッフ

損壊してしまった水道管を手に取る現地スタッフ。貯水槽から村まで清潔な水が届かなくなっていました(ハイニエン村)

貯水槽があった河原には石が転がっているだけ

貯水槽が設置してあった場所。洪水で跡形もなくなっていました(コーニョイ村)

母子に話を聞く現地スタッフ

村の女性に話を聞く難民を助ける会シェンクワン事務所のフー

コーニョイ村で暮らす女性は、「水道設備が損壊してからは大変でした。特に女性や子どもたちは毎日食事の用意や洗濯などでたくさん水を使うので困っていました。最近は井戸水を使っていますが、あまり清潔ではありません。難民を助ける会が、水道設備の復旧を行うと聞き、村の住民はみんな喜んでいます。完成が待ち遠しいです」と話してくれました。

村の住民も協力し合い、整備が完了

水道管を接続する

「これできれいな水が村に届く」水道管を繋げています

台風による土砂崩れにより、貯水槽が流されてしまったナドー村ナウン村では、貯水槽とダムを再建しました。川の水量が多いため、ダムを予定していた位置よりも数メートル上流に建てることになり、その分、水道管が足りなくなったのですが、隣村のハイニエン村から水道管をおすそ分けしてもらい、完成することができました。

貯水槽から村までの水道管が損壊し、住民が高価なペットボトルの水を購入するなどしてしのいでいたハイニエン村では、水道管の整備と貯水槽へ水を供給するためのダムの補修を行い、村にはきれいな水が届くようになりました。

コーニョイ村では、村で唯一の貯水槽が洪水で流されてしまったため、村に近い水量の少ない小川から一時的に村までパイプをひいていました。しかしその小川が他の村から排出される汚水が流れ込む場所に位置していたため、汚れた水を使わざるを得ない状況でした。難民を助ける会では、貯水槽を新たに設置し、村までの水道管を整備したので、今は清潔な水が村に届いています。

完成した貯水槽を見る村人

新たに設置した貯水槽。ここから村へきれいな水を送ります

水場で水浴びをするブンソムさん

きれいな水が出るようになり、早速水浴びするコーニョイ村のブンソムさん

水道完成を喜ぶ村人とスタッフ

「水が届いて嬉しい!」左端からシェンクワン務所スタッフのタイ、コーニョイ村のノイムニーさん、シーダーさん、駐在員の林曜子

ハイニエン村に住むノイムニーさん(47歳)は、「6月の台風が起きてから4ヶ月間水が使えませんでした。井戸や小川の水を使っていたけれども、すごく汚かった。水がないと一番困るのは、飲む水がないことです。農作業から帰ってきて汚れた体を洗うことも出来ませんでした。きれいな水が使えるようになって村のみんなは本当に喜んでいます。水が清潔だと病気にもなりにくいので、難民を助ける会にはとても感謝しています。」と話してくださいました。今回の建設作業には、4村全ての村で村人たちが積極的に部品の運搬や工事に携わってくれました。完成式では村長さんらが、「今回建設した貯水槽や水道管はこれから我々村人たちが責任を持って守っていきます」と語っていました。

厳しい雨季にも感謝するシェンクワンの人々

ラオスの雨季は4月から10月までの半年間続きます。毎日一度は雨が降り、ひどいときはバケツをひっくり返したように何日もどしゃ降りの雨が続くこともあります。シェンクワン県は山間部にあり、山々の道は舗装されていないところがほとんどなので、水害にもしばしば見舞われます。
村々を訪れるため、急な流れの川をびしょびしょになりながら渡ったり、泥沼になった畑を歩いたりし、大雨の被害を受けて村の住人たちがどれほど苦労しているかを痛感しました。それでも、シェンクワン県の村の人たちは、「雨季が終わって乾季になると、今度は水が足りなくなったり、川が干上がってしまうので村から遠い川まで水汲みに行かなければならなくなる。雨がたくさん降れば、作物がよく育つし、川には魚やカエルが増えてたくさん食べられるから嬉しい。」と笑っていました。村に行く度に振舞われるラオス人が大好きなカエル料理も雨の恵みのおかげかも知れません。
シェンクワンの人たちは、厳しい気候の中でも大自然に感謝し、大らかに生活しています。そんな人々が少しでも安心して生活できるよう、これからも支援を行っていきたいと思います。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

シェンクワン事務所駐在 林曜子

2010年12月よりラオス駐在。大学でフランス語とフランス植民地政策史を学ぶ。航空会社などを経て、在外公館に勤務。帰国後、難民を助ける会へ。(愛知県出身)

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