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スーダン:地雷に汚染された故郷の人々を守る

2014年12月19日  スーダン地雷対策
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1999年に対人地雷禁止条約が発効してから今年で15年。12月17日から19日まで、記念写真展『女性と地雷』を開催します。

紛争を乗り越え希望を取り戻そう

地雷回避教育の講習を行うアマエイム

地雷がどのような形をしているか、どのような場所にあるのか、ポスターを見せながら説明するAAR現地職員のアマエイム

スーダンでは2005年に和平合意が締結され、21年にわたる南北の内戦が終わりました。AARはその直後の2006年から地雷回避教育を行っています。

先日、調査のためにシャラロブという村を訪問した際、病気の子どもを抱え、お金も車もないために病院に行けず困っている女性に出会いました。私たちが村に来た理由を尋ねられ、地雷回避教育について説明したところ、彼女はこう言いました。「なぜそこまでして私たちを生かしたいの? 地雷がどこにあるか分かるなら教えてよ。私はそこに地雷を踏みに行って、このみじめな人生を終わりにするんだから」

この言葉を聞いて、私もほかの教育員も愕然としました。長く続いた紛争はスーダンに地雷や不発弾だけではなく、貧困や絶望、悲しみも残したのだと気づきました。

AARの職員として私たちが行うべきことは、地雷や不発弾から身を守る方法を伝えるだけではなく、未来への希望を取り戻してもらうことです。私たちは彼女に、彼女の生命がどんなに大切なもので、彼女の存在が周りの人たちにどれだけ影響を与えているか、辛抱強く語りかけました。

一週間後、シャラロブ村で行った地雷回避教育の講習会に、彼女は来てくれました。そして、これからも私たちの活動を応援すると言ってくれました。人々を地雷や不発弾の危険から守ることは、容易なことではありませんし、「絶望の中にある人々に希望を取り戻してもらうこと」はもっと難しい使命だと感じています。でも、私たちはやらなければいけません。AARはこれからもスーダンの人々のために活動していきます。

スーダンの子どもとアマエイム

子どもたちへの地雷回避講習で、クイズに参加した子どもとともに。AARスーダン事務所職員のアマエイム(中央)(2014年1月29日、カッサラにて)

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

スーダン事務所 アマエイム・モハメッド・モハナ

2007年よりAARスーダン事務所職員。地雷回避教育チーム・チームリーダー

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