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新ACキャンペーン 撮影地のカクマでは...

2016年08月25日  ケニア
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駐在員の兼山優希と雨宮知子の周りに集まる子どもたち

駐在員の兼山優希(中央右)と雨宮知子(中央左)の周りに集まる子どもたち(2016年4月4日)

7月1日から新しくなったACキャンペーン。新ポスターやCMをもうご覧になった方もいらっしゃるかと思います。今回の広告の撮影地となったケニア北西部にあるカクマ難民キャンプには、近隣国から逃れてきた約19万人が暮らしています。もう20年も母国に帰れぬまま、このキャンプで過ごしている人もいます。キャンプ内でレストランや雑貨店を経営するなど、たくましく生きる難民の人たち。一方で、キャンプでの暮らししか知らぬまま、大人になる子もいます。そんななかでAAR Japan[難民を助ける会]は、難民の多くを占める子どもたちのために教育の支援を行っています。


キャンプの女の子と一緒に写真撮影

キャンプの女の子と一緒に(2016年4月4日)

ロケはAARが建設した中等教育校や、まだ校舎がなかったころに教室代わりのテントを提供した小学校などで4月に行われました。雨季にもかかわらず晴天に恵まれ、気温は40度近くに。炎天下、小学校では学期末テストを終えたばかりの子どもたちが「疲れたよ~」などと言いながらも、駐在員の兼山優希と雨宮知子の周囲に集まり、撮影に協力してくれました。中等教育校で出迎えてくれたのは体も大きく、一見無表情で恐そうな生徒たち。しかし、ひとたび話しかければ「ボクも日本にいつか行けるかな?」などと興味津々に次々に質問を繰り出し、大きな笑顔を見せてくれました。サッカーやバレーボールを楽しみ、給食を何度も何度もお代わりしに行く姿に、微笑ましくなりました。

5月にオープンした小児科病棟にやって来た親子とAARの雨宮知子

5月にオープンした小児科病棟にやって来た親子とAARの雨宮知子(左)

無邪気に見える生徒たちですが、キャンプのなかでは民族間の対立があったり、ドラッグの誘惑があったりと、取り巻く環境は決して穏やかなものではありません。AARは学校が子どもたちの健全な育成を支える場になることを願い、ストレス対処能力や交渉力、意思決定能力など「日常で直面する課題を乗り越えて生きる力」=ライフスキルを子どもたちに教えられるよう、教員に研修を行っています。教員たちも生徒が抱える課題を解決しようと、研修の時間が足りなくなるほど熱心に取り組んでいます。ロケ中にインタビューした、中等教育校の校長先生の言葉が印象的でした。「生徒たちは南スーダンやウガンダなどからやってきていますが、ここでは争いごとはありません。彼らは共存し、友だちです。教育が平和をもたらしているのです」。そして生徒たちも口々に「将来は自分の国のために役立ちたい」と語ってくれました。世界中でさまざまな対立・分裂が起きているなかで、子どもたちがお互いを認め合い、争わず、ともに生きることの大切さを学び、いつか祖国に戻って平和な国を再建できることを期待しています。

キャンプ内の中等教育校の生徒たち

キャンプ内の中等教育校の生徒たち(2016年5月31日)

5月には子どもたちが適切な医療を受けられるようAARが建設した小児科病棟がオープン。また、キャンプ内の別の中等教育校で進めていた教室の増設工事も終わり、新たに576名の生徒を受け入れられるようになりました。子どもたちを支える活動は着実に進んでいます。今後、ポスターやCMを見かけた際には、カクマ難民キャンプで暮らす子どもたちのことを思い出して、エールを送っていただければ...と思います。

撮影地の様子をご覧ください

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 加藤 玲奈

2014年10月より東京事務局で広報・支援者サービスを担当。テレビ局で報道記者などとして働いた後、英仏に滞在。帰国後、AARへ。東京都出身

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