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「ナッジ的SDGs体感セミナー」第2回を開催しました

2018年10月17日  日本
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11/9(金)4つの視点を通して見る SDGsが目指す世界「ナッジ的SDGs体感セミナー」第3回 午後7時~(東京・薬樹株式会社 青山オフィス)

エーザイ株式会社の取り組みについてお話しする飛弾隆之氏

エーザイ株式会社の飛弾隆之氏

企業や団体を中心とした幅広い方々に「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」に具体的に取り組むためのヒントを得てもらおうと、AAR Japan[難民を助ける会]は、薬樹グループの全面的なご協力のもと、「NGO」「企業」「行政」「社会起業家」の4つの視点でSDGsについて学ぶ、4回連続の「ナッジ※的SDGs体感セミナー」を開催しています。第2回目は「企業」の視点で2018年9月11日、薬樹株式会社の青山オフィス(東京都港区)で行いました。企業関係者の方を中心に、合計25名の方々が参加くださいました。

※「ナッジ」(nudge)とは、「ひじで軽くつつく」という意味。強制せずに対象者を自発的に好ましい方向に誘導する仕掛けや手法のことで、経済学者のリチャード・セイラー博士が提唱した、行動経済学の概念です。

「SDGsへの取り組みやESG投資が企業を成長させる」

前半は、エーザイ株式会社ポリシー・アドボカシー&サステナビリティ部ESG推進グループ長の飛弾隆之氏が「製薬企業の取り組み-顧みられない熱帯病から学んでいること」をテーマに、同社の企業理念やESG(Environment:環境, Social:社会, Governance:企業統治)投資、製薬業界特有の評価の話、また途上国における医薬品アクセスに関するこれまでの取り組みや今後の課題、展望などをお話しされました。

飛弾氏は冒頭で、身の回りでSDGsという言葉を目にする機会が増えてきており、社会的な流れとしてその重要性が増してきていることを実感していると述べられました。

その上で、企業の立場から社会的取り組みをアピールする際には、国連グローバルコンパクトなどの既存の国際的な枠組みへの加入や、投資家からのESGに関する評価を意識することが必要であるなどの説明をされました。また、製薬業界にはESG投資の判断材料となる医薬品アクセスへの取り組みを評価する指標もあり、同社は顧みられない熱帯病(NTDs)の一つであるリンパ系フィラリア症(LF)の制圧に向けた取り組みなどを通し、高い評価を得ていることも紹介されました。
続いて飛弾氏は、同社が取り組んできたlF制圧に向けた活動について紹介されました。具体的な事例としてインドネシアやインドにおける活動を取り上げ、治療薬の集団投与の対象となる村の方々への理解と協力を得るために、薬を供与するだけでなくインフラ整備や教育支援などを通じて信頼関係を築きながら成果を挙げられてきたことなどを話されました。
最後には、7月に実施されたスーダンでの現地視察の話がありました。スーダンにはNTDsに登録されているマイセトーマという疾患があり、AARが啓発活動や患者の支援活動を行っています。この疾患に対し、同社と国際NGO DNDi (Drugs for Neglected Diseases initiative)が共同で同社保有の薬の臨床試験を実施中です。飛弾氏は実際に現地を訪問して、セクターを超えた連携の一層の必要性を感じたと話されました。

エーザイ株式会社の飛弾隆之氏

ESG投資やSDGsについて、企業としての取り組みを語られたエーザイ株式会社の飛弾隆之氏

SDGsの達成に向け現場でNGOと協力

後半は、政府主催のSDGs推進円卓会議の構成員でもある一般財団法人CSOネットワーク事務局長の黒田かをり氏をお迎えして飛弾氏との対談を行い、活動の指標を設定することの難しさや、評価の枠組みづくりについてなど、参加者からの質問への回答も含め、多岐にわたるテーマについてお話しいただきました。

まず、飛弾氏の講演を受けて黒田氏から「飛弾さんのお話を伺い、SDGsで掲げている"誰一人取り残さない"という理念が私の中で腑に落ちました」とのコメントがありました。
その後、会場から寄せられた質問に答える形で、ESGに取り組む上で"Social:社会"の部分について取り組むのが一番難しく、重要業績評価指標(Key Performance Indicator:KPI 目標の達成度合いを定量的に測定するための指標)を設定することの難しさにも触れられました。飛弾氏からも、「今回のキーワードは"評価"である」としたうえで、社会へのインパクトをどのような指標で評価するか、またどのようにそれを測定するのか、指標を設定することの難しさを挙げられました。また、SDGsの目標を早期に達成することにはこだわりすぎず、セクター間だけでなく世代間の共通言語としてSDGsをとらえ、次世代の人材を育成したいというお話もありました。
飛弾氏は今後のSDGsへの具体的な取り組みについて、開発した新薬を、薬という概念のない対象地域の方たちにどのような手段で配付し、どう普及したらよいかという点において、また薬の服用により感染症のリスクが下がったかを確認するためのモニタリングにおいて、途上国で地域に根差した活動を続けるAARとの協力の必要性・重要性についてもお話しくださいました。

対談される飛弾氏と黒田氏

後半は、エーザイ株式会社の飛弾隆之氏(左)とCSOネットワークの黒田かをり氏の対談形式で、会場からの質問にもお答えしました

参加者の皆さまからのアンケートでは「ぜひ定期的な開催を」「感銘を受けました」などの嬉しいコメントや、「SDGsについて家族で話し合ってみたい」「社内で少しずつ広めたいです」などのこれからの取り組みに関するコメントもいただきました。また、ご参加くださった皆さまには、本セミナーでの学びをWorld Shift(ワールドシフト※2)で宣言し、AARのfacebookのイベントページにて共有していただくようお願いしました。

※2 ワールドシフトとは、「あなたはどのような世界を望みますか?」という問いかけのソーシャルムーブメント。「ワールドシフト宣言ロゴ」に、一人ひとりが、どんな世界を望むかを書き込み、自ら「世界を変える」ことを宣言することで、社会変革が「自分ごと」になっていきます。(WorldShift Network Japanホームページより)。

北海道地震が発生した直後でもあり、セミナーの冒頭部分では参加者全員で黙祷する時間をいただきました。また、会場で被災者支援のための緊急募金をお願いしたところ、13,525円が集まりました。ご協力くださった参加者の皆さまに心より御礼申し上げます。

次回のセミナーは、2018年11月9日に同じ会場で開催します。「行政」の視点から厚生労働省の水野嘉郎氏を、また株式会社オルタナから森摂氏をゲストにお迎えします。皆さまのご参加を心よりお待ちしています。

第1回セミナーの報告はこちらから。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 森 治彦

2018年4月より東京事務局勤務。今秋よりラオス事務所駐在予定。大学卒業後、4年間専門商社に勤務。その後、約20年続けるバレーボールの経験を活かし、青年海外協力隊員としてラオスでバレーボールを指導。ラオスで勤務した政府系国際協力団体でNGO支援に従事する中で、住民のニーズに応じた細かな支援を行うNGOへの関心が強まり、AARに入職。神奈川県出身

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