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対人地雷禁止条約発効20年記念特集「地雷対策とは」その1

2019年03月11日  地雷対策
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1999年3月1日、「対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約」が発効しました。この条約がカナダのオタワで署名されたことから、「オタワ条約」とも呼ばれています。条約の発効から20年。この機会に、長年地雷問題に関わってきた東京事務局の紺野誠二が、地雷対策全般について解説します。

地雷対策とは

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対人地雷は紛争終結後も地中で半永久的に効力を保ち続け、無差別に危害を加える非人道的な兵器です

地雷は、一度埋設されると半永久的に効力を保ち続け、無差別に危害を加える非人道的な兵器です。地雷は紛争終結後も人々の脅威となり続け、難民の帰還や、農作業などの住民の営みを阻み、復興や発展を妨げます。

地雷についてさらに詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

国際連合地雷対策サービス部(UNMAS)によると、地雷対策は1.廃絶活動、2.貯蔵地雷の廃棄、3.被害者支援、4.除去、5.回避教育の5つの柱から成り立っています。

1.廃絶活動

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AARの地雷廃絶キャンペーン絵本『地雷ではなく花をください』シリーズの売り上げで、1996年の発行以来これまでに2,652万平方メートルの地雷原の安全を確保しました

対人地雷のような兵器に関する国際的な議論は、軍備管理の専門家の間でなされていました。しかしながら、紛争と関係のない民間人も被害に遭う、一度埋設されると長期間にわたり効力を保ち続けるなどの深刻な問題に対して、多くの市民が声を上げました。市民の代表として、地雷問題に取り組む世界各国のNGOの連合体である地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)がさまざまな国の政府に働きかけた結果、地雷の製造や使用を禁止する「対人地雷禁止条約(オタワ条約)」が署名開放されました。この活動が認められ、AAR Japan[難民を助ける会]も主要メンバーを務めるICBLと、コーディネーターのジョディ・ウィリアムズ氏は1997年のノーベル平和賞を共同受賞しました。

オタワ条約発効から20年経ち、2019年2月26日の時点での締約国は164ヵ国です。とはいえ、アメリカ、中国、ロシアといった大国をはじめ、32ヵ国はまだ締約国ではありません。
廃絶活動を行う上で重要なことは、一人でも多くの人にこの問題に関心を持ってもらい、世論を高めることです。AARでは、講演や訪問学習の場でお話をするほか、地雷廃絶キャンペーン絵本『地雷ではなく 花をください』シリーズ(絵:葉祥明 文:柳瀬房子 出版:自由国民社 発行部数61万部)の販売なども通じて、より多くの人々が、この問題に関心をもち、自分にできることから活動に参加してもらえるよう、働きかけてきました。

2.貯蔵地雷の廃棄

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発見された地雷は、その場所で爆破する場合と、信管を外して回収してからまとめて爆破処理する場合があります

オタワ条約第4条では「地雷の探知、除去または廃棄の技術の開発および訓練のために絶対に必要な最小限度の数以上の対人地雷を所有している場合には、条約の効力がその国で生じた場合にはできる限り早く、遅くとも4年以内に廃棄しなければならない」と定められています。日本も、2003年2月8日に保有していた対人地雷の廃棄を完了し、当時の小泉首相が式典に参加されました。
残念ながら、日本のように条約通り廃棄できる国ばかりではありません。私が訪問したことのある国でも、紛争の後だったこともあり、対人地雷の管理方法は相当ずさんでした。これは非常にリスクのあることです。対人地雷が新たに作られず、貯蔵地雷が廃棄されていけば、地雷の数は確実に減るため、廃棄は重要な活動です。

3.被害者支援

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AARは地雷被害者支援を行っています。写真は地雷により左足を膝下から切断した男性(左)へ義足を提供している様子

国際的な取り組みの中で、最も不十分なのではないかと言われているのが被害者の支援です。支援の現場では、地雷や不発弾の被害者だから支援する、生まれつきの障がいだから支援しない、ということは決してあってはなりません。従って、被害者支援=障がいのある方の支援と言えます。AARは障がいの原因に関わらず障がいのある方々への支援に力を入れています。
被害者支援は、以下の6つの柱から成り立っています。

  • 緊急および継続的な医療の支援:被害に遭った後の外科手術などが当てはまります。
  • 身体的なリハビリテーション:義肢装具を装着した後のリハビリなどです。
  • 心理的および心理社会的なサポート:被害に遭うと精神的にショックを受けます。トラウマのケアやカウンセリングです。
  • 経済的なインクルージョン(統合):収入を得られるように行う職業訓練などがあてはまります。
  • 情報収集:適切な支援につなげるためには正確な情報を収集することが不可欠です。
  • 法律や制度への働きかけ:多くの国では障がい者の権利保障が十分ではありません。

AARは、インドシナ難民を支援する中で地雷被害者の存在を知り、障がいのある方への支援を開始しました。現在も、世界各国で支援を行っています。詳細はこちらをご覧ください。

4.除去5.回避教育については、その2でご説明します。

AARの地雷対策についてはこちらをご覧ください。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務所 紺野 誠二

2000年4月から約10ヵ月イギリスの地雷除去NGO「ヘイロー・トラスト」に出向、不発弾・地雷除去作業に従事。その後2008年3月までAARにて地雷対策、啓発、緊急支援を担当。AAR離職後に社会福祉士、精神保健福祉士の資格取得。海外の障がい者支援、国内の社会福祉、子ども支援の国際協力NGOでの勤務を経て2018年2月に復帰。茨城県出身

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